菅直人の発言 (予算委員会)
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○菅内閣総理大臣 城島議員の方から、本当に私自身が思っている、感じていることの多くを言っていただきました。
私は、新成長戦略を昨年の暮れにまず骨格をつくる段階から、なぜ二十年間日本の経済成長がとまったのか、過去のいろいろな政策の提案を調べてみました。基本的にみんないいことが書いてあるんです。しかし、結果としては一向にそれがプラスにつながっていません。
そこで私は、第一の道、第二の道、第三の道という形で分析をして、もう細かくは言いませんが、第一の道は、旧来型の公共事業を中心にしたものが一九八〇年代から効果を失ってきた。第二の道が、今、城島さんも言われたように、デフレ下においてデフレ政策を強力に進めたのが小泉政権です。
つまりは、需要が不足しているときに供給側が幾らコスト削減をしても、需要がないんですから、供給側がコスト削減すれば値下げ競争になるんですね。ですから、結果としては、まさに労働市場も値下げ競争的な形にどんどん追い込まれて、非正規雇用がどんどんふえて、企業の単位でいえば、それはコスト削減に成功した企業は単一企業としては利益を上げたかもしれないけれども、じゃ全体のマクロ的に需要がふえたかというと、ふえていない。まして働く人たちの給与もふえていない。この第二の道の大間違いをいまだにしっかりと認識をしていないところがあるところが、この政策の転換を十分にできていないと私は思うんです。
そこで、雇用のことについて言っていただきましたが、先ほども申し上げましたが、雇用について、失業対策的にとにかく税金をつぎ込んで、役に立つか立たないかわからないことでもいいからやろうというのでは全くありません。つまり、今のデフレという状況をよく分析してみると、お金は個人も必ずしも持っていないわけじゃない、まして企業は二百兆とも言える内部留保を抱えている。しかし、個人も企業も、お金を使うよりもお金を持ったままにしている方が安心だという、そういう流動性の選好があるためにお金が回らない。
そこでどうすればいいかといえば、そのお金を回すために、それは国債でお金を借りて使うか、あるいは税金のお金をより有効に使うかということになるわけですが、その使い方として、今やじでばらまきという言葉が出ましたが、まさにばらまきではない形の使い方の一番のポイントが雇用を生み出す分野、もっと別な言い方をすると、潜在的には需要がたくさんあるにもかかわらず、そこにお金が回っていないためにその需要が顕在化していない、例えば介護の分野なんかは、ある程度の給与を払えば、そこで働きたい人もいるし、働けばそこにサービスが発生する、経済成長にもつながる、給料をもらえば何がしかの税金も払ってくれる。あるいは、子供たちの問題でも保育園とかそういうものが不十分だ。そういうものにお金が回っていけば、そこに雇用が発生し、そして需要が発生し、生産が発生するわけです。
そういう意味では、私は、キーになるのは、いわゆる従来型の失業対策とは全く別の意味で雇用をふやす分野にお金を回すことが、サービスも含めて生産をふやし、そして、場合によっては財政再建の種をふやすことになり、さらには、介護とか医療という分野が充実すれば社会保障の充実にもつながってくる。こういう意味で、経済の成長と財政の健全化とそして社会保障というものを連動して一体的にやっていこう、こういう考え方に立って、この二十年間の大きな停滞から脱却する、こういう考え方を新成長戦略で与党の皆さんと一緒につくり上げてきているということを国民の皆さんにもお伝えしたいと思います。