菅直人の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(菅直人君) 郡司議員から快活に答えろという御指摘をいただきましたので、元気よく答えさせていただきます。
まず、団塊世代のパワーについてであります。
郡司議員からもお話がありましたように、私も昭和二十一年生まれということで、戦争直後に生まれ、物のない時代から本当に高度成長の期間を駆け抜けてまいりました。そういった意味では、ある意味大変幸せな時期であったのかともう一方で思っております。しかし、この世代がほぼ定年を迎える時期あるいは年金を受け取る時期になりまして、この高齢化が進む日本社会における大きなある意味での新しい問題を引き起こしているとも言えるわけであります。
そういった意味で、何としても、私が考えたのは、この世代が元気なうちに大きな課題を解決して次の世代に引き継ぐ、それが世代としての責任ではないかということで申し上げ、郡司さんからも共通の認識をいただいたところであります。この世代が会社をリタイアした後、地域の中あるいは社会の中で何かしらの貢献や役割を果たすことを通じて各人が出番や居場所を持てる社会をつくりたいと、このように思っております。
そして、先ほど申し上げましたように、私としては、有言実行内閣の先頭に立って、もちろん若い皆さんとも共に力を出し合って、この世代が重要課題を次の世代に残さないで解決していく、そうした内閣でありたいということを申し上げておきたいと思います。
次に、最小不幸社会という言葉が表れていないけれどもという御指摘もいただきました。
私が主張している最小不幸社会とは、政治の役割としては、国民あるいは世界の人々が不幸になる要素をいかに少なくしていくかというのが政治の役割であると、こういう認識で申し上げてきたところであります。
今回の所信表明で私は先送りしてきた重要政策課題を次の世代に残さないで解決するということを申し上げましたのも、つまり次の世代に不幸を大きくしていくことがないようにという趣旨からの取組でありまして、ある意味では最小不幸社会そのものの取組の一環というふうに考えていただければ有り難いと、こう思っております。
ASEMでの温家宝総理との懇談を含む首脳外交の成果について御質問をいただきました。
温家宝総理との懇談においては、まず第一に、尖閣諸島は我が国固有の領土であるというこちらからの原則的立場あるいは温家宝総理からの原則的立場を述べ合った後に、日中関係の現状は望ましいものではないという点、さらには六月の私と胡錦濤国家主席との会談で一致した戦略的互恵関係を進展させるという原点に戻るということ、そしてハイレベルの交流及び民間交流を行っていくというこの三点において確認をし、見解が一致をいたしました。
その他の二国間会談では、日中関係はアジア太平洋地域、ひいては世界にとって非常に重要な関係であると、我が国としては大局的な観点から冷静に対処している旨を申し上げ、各国から理解をいただきました。
尖閣諸島が我が国固有の領土であることは歴史的にも国際法上も疑いのないところであり、領有権をめぐる問題はそもそも存在はしておりません。我が国のかかる立場は一貫しており、国内外で正しい理解が得られるよう今後とも努力をする考えであります。
普天間飛行場移設問題について御質問をいただきました。
普天間飛行場の移設問題については、本年五月の日米合意を踏まえて取り組むと同時に、沖縄に集中した基地負担の軽減にも全力を挙げて取り組むということを申し上げております。
具体的には、在沖縄海兵隊の要員約八千名及びその家族九千名の沖縄からグアムへの移転の着実な実施、嘉手納以南の施設・区域の返還の着実な実施、北部訓練場の過半の返還の促進など、目に見える負担の軽減について米国の協力を求めつつ最善を尽くしてまいりたいと思います。沖縄の方々の御理解を求め、誠心誠意話し合っていくつもりであります。
補正予算の方針についてお答えを申し上げます。
政府としては、新成長戦略の実現に向け、三段構えで経済対策を切れ目なく推進することといたしており、補正予算の編成はその二段階に当たります。
このように、今回まとめようとしている補正予算は、単なる目先の景気刺激策ではなく、新成長戦略の実現による自律的な回復という大方針の下に、その一環として策定するものであります。その内容も、御指摘のように、雇用・人材育成など国民生活に直結する課題への対応であり、今後、与野党間での合意を目指し、建設的な協議を期待をいたしております。
取調べの可視化等を含めての検察についての御質問をいただきました。
今回の検察をめぐる証拠改ざんなどの一連の事態については、法務大臣の下で、第三者による会議を設け、検察の在り方等に関する検証を行うものと承知をいたしております。
被疑者取調べを録音、録画の方法により可視化することについてはその実現に向けて取り組むことにし、法務省などの関係省庁において調査、検討を進めているところであります。今後も引き続き幅広い観点から着実に検討を進めていくことといたしております。
小沢元代表の強制起訴に関しての御質問をいただきました。
制度に関して申し上げれば、我が国において初めて導入された制度であり、様々な御意見があることは承知しておりますが、制度趣旨に基づいて粛々と運用されてきているものと理解をいたしております。個別の事案におけるこの検察審査会の議決について所感を述べることは差し控えるべきと考えます。
消費税について御質問をいただきました。
政府としては、無駄の削減を徹底して行うのは当然でありますが、社会保障改革の全体像について必要とされるサービスの水準、内容を含め、国民の皆さんに分かりやすい選択肢を提示した上で、その財源をどう確保するか、消費税を含む税制全体の議論を一体的に行ってまいりたいと考えております。それに向け、政府・与党で社会保障改革の全体像を検討する場を設け、野党の皆さんとも意見交換をしていきたいと、このように考えております。
お尋ねの消費税に関する今後の見取図については、そうした税制全体の議論を進める中で検討してまいりたいと思います。
もちろん、いつまでにという期間を限定するわけではありませんけれども、大きな税制改革の結論を得て実施する際には国民の皆さんに信を問う、この方針には変わりはありません。
予備費を活用した雇用対策の実施についての御質問をいただきました。
九月二十四日の閣議決定に基づき、予備費を活用して緊急の雇用対策を迅速に講じているところであります。
具体的には、新卒者対策については、三年以内既卒者を対象とした奨励金を既に創設し、新卒者専門の新卒応援ハローワークを四十七都道府県に設置済みであります。加えて、採用意欲の高い中小企業を発表する等、中小企業と新卒者等のミスマッチ解消に向けた取組を強化しているところです。また、介護、医療、農林等の成長分野における地域の雇用機会の創出においても、既に交付額を県に内示し、早期の事業展開に向けて取り組んでおります。
予備費を活用したこれらの緊急対策を機動的に実施し、雇用失業情勢の改善に全力で取り組む所存であります。
国家戦略室強化のねらいと役割についての御質問をいただきました。
国家戦略室は、国の重要政策の司令塔として、税財政の骨格、経済運営の基本方針その他総理が特に命じた内閣の重要政策に関する基本的な方針の企画立案及び総合調整機能をまず国家戦略担当大臣に担っていただくことになっております。それとともに、総理直属のスタッフとして、重要政策に関する調査や分析など、総理への情報提供・提言機能をも担っていただくことになります。この二つの機能を十全に発揮させるため、国家戦略室の体制強化に取り組んでいるところであります。
地域主権改革についてお答えします。
地域主権改革は、明治以来の中央集権体質からの脱却をし、この国の在り方を大きく転換する改革であると認識をいたしております。住民に身近な行政はできる限り基礎自治体にゆだね、基礎自治体が担えない事務は広域自治体が担い、国は広域自治体が担えない事務を担うという補完性の原理に基づいて、国と地方が協働しながら国の形をつくっていくという考えが基本であります。所信で述べたとおり、地域が主役となる社会の構築に向けた確たる道筋を付けることが我々世代の使命であります。様々な壁を打ち破るため、政治主導で改革を実現するべく取り組んでまいりたい、このように考えております。
私への質問の最後に、衆参ねじれの下での国会改革についてお尋ねがありました。
国会の現状においては、与野党が合意しなければ法案は通過いたしません。逆に言えば、与野党が合意する政策はかなり困難を伴う政策であってもその実行が可能になると、このように考えております。国会がそのような合意に至る熟議のプロセスとして、この臨時国会を一つのモデルケースとして与野党で大いに議論をし、知恵を出し合って国会改革を進めていただければ有り難いと期待し、また努力もいたしたいと、このように考えております。
残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。
以上でございます。(拍手)
〔国務大臣前原誠司君登壇、拍手〕