高橋千鶴子の発言 (本会議)

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○高橋千鶴子君 私は、日本共産党を代表して、平成二十三年度における子ども手当の支給に関する法律案について質問いたします。(拍手)
 貧困と格差の拡大が子育て世代に深刻な打撃を与えています。日本は、先進諸国の中でも子供に関する予算が極端に低く、所得の再分配をしても逆に貧困率が高まる唯一の国であり、子育て支援策の拡充は待ったなしです。
 我が党は、子育てのための現金給付と、保育所の増設など子育ての土台の整備を、車の両輪で進めることが重要であると主張してきました。現金給付については、かねてより児童手当の支給年齢と支給額の拡充を求めてきた立場から、昨年の子ども手当法案に賛成をしました。
 しかし、昨年の子ども手当は、二〇一〇年度限りの制度であって、六月の支給を急ぐ余り、財源や地方負担のあり方など制度の根幹にかかわる部分をすべて先送りしたものでありました。我が党は、そのために理念や目的があいまいでわかりにくい、控除の廃止縮減による増税が抱き合わせであり、財源にかかわる消費税増税が懸念されること、さらに、基盤整備の方向性が見えないことなどを指摘してまいりました。
 総理に伺います。
 今回の法案は、こうした課題をいずれも積み残しにしたまま、再び単年度限りの法案となっています。なぜですか。
 多くの国民が望んでいるのは、持続可能な、安定して給付が受けられる制度ではありませんか。民主党の目玉政策だったにもかかわらず、結局、こうして、明確な姿が示されないまま、つなぎ的な法案が何度も出てくるというのでは、国民の理解が得られないのではないでしょうか。
 続いてお聞きします。
 民主党が掲げた子ども手当創設の原点は、「次代の社会を担う子ども一人ひとりの育ちを社会全体で応援する」というものだったはずです。その理念は今も変わっていないのか、お答えください。
 この点で、与謝野大臣は、テレビ番組で、子ども手当については、我々がやっていた児童手当の拡充版と理解しようと自分に言って聞かせている、こう発言をしたようですが、これはどういう意味ですか。ぜひ、大臣のお考えをお聞かせください。
 支給額についてお伺いします。
 二〇〇九年総選挙マニフェストで二万六千円とされた支給額は、今後どうなりますか。また、今回、なぜ三歳未満に限って、なぜ七千円の上乗せをするのか。要するに、年少扶養控除等の廃止に伴う増税と差し引きで負担増にならないようにと、つじつま合わせをしたということではありませんか。細川厚労大臣、お答えください。
 財源の裏づけのないまま二万六千円という数字だけが大きく打ち出され、後から大慌てをし、結局、毎年その場しのぎの法案を出す、これが混迷を深めた最大の原因であります。
 日本共産党は、来年度予算については、子ども手当の上乗せ分は保育所増設など総合的な子育て予算に回す組み替え案を提案しております。子ども手当は、当面、一万三千円に上乗せすることよりも、財源によってぐらつくことのない安定的な制度をつくることを最優先にすべきだと考え、そうした立場で修正案を準備しています。総理の見解を求めます。
 次に、子ども手当の財源について、この間、政府部内から消費税を充てるとの発言が相次いだことは見過ごせません。税と社会保障の一体改革の中で消費税を社会保障の目的税とし、消費税を充てる対象には子育ても含まれるというものです。しかし、これも、閣僚により、あるいは時期によってさまざまな発言がされています。
 はっきりと総理に伺いたい。子ども手当も、保育などの子育て支援策も、充実できるかどうかは増税次第なのですか。お答えください。
 増税つきの手当や子育てサービスでは、結局、子育て世代の家計に負担をかぶせることになるのではありませんか。
 財源を生み出すために、所得税、住民税の控除の廃止縮減が決められ、既にことし一月から、年少扶養控除が廃止され、特定扶養控除が縮減されています。これらの増税に伴って、保育料や公営家賃など四十一の制度に波及することが指摘されてきました。政府内で対応策を検討すると言ってきましたが、実際、これらの制度に波及させないようになるのですか。お答えください。
 子ども手当と地方自治体の子育て支援とのかかわりで質問します。
 地方自治体は、地域の特色を生かした施策を行っています。しかし、子ども手当が創設された際、手当が支給されるならと、子供の医療費の無料化を見直したり、自治体独自のサービスが後退する動きがありました。
 また、低所得者世帯の子供に対する就学援助制度は、準要保護世帯に対する補助が〇五年の三位一体改革で一般財源にされてしまったために、厳密に要保護世帯だけに限るなど、制度が縮小されたということは、当時、文部科学省の調査で判明しました。今回も、子ども手当に絡んで、就学援助を絞り込むということがあったのではありませんか。
 自治体の独自制度の多くは、低所得者世帯への支援策として取り組まれています。子ども手当の趣旨は、そういう自治体独自のサービスと並び立ってこそ生かされるものであります。このような実態をどの程度政府が掌握しているかも含め、総理の認識を伺います。
 今回、保育料を手当から直接徴収できる規定が設けられたことは重大です。
 そもそも、保育料が高過ぎて払えない、こういう声が非常に多くあります。例えば、国が定めている保育料の基準徴収額は余りに高過ぎるため、各市町村は国の基準額の六割から七割程度に保育料を決めています。二万円あるいは一万三千円の子ども手当から天引きされて、まだ手元に残るという家庭はどのくらいありますか。
 保育料は、前年度の収入で算定されるため、リストラや廃業などで収入が減っても考慮されません。保育料の徴収は、このような一つ一つの事情に行政が配慮をして減免を行うなど対応することが必要なのではありませんか。直接徴収は、こうした行政のかかわりをなくしてしまいます。少なくとも本人の同意に基づく規定に改めるべきではありませんか。答弁を求めます。
 また、学校給食費等の範囲について、教材費や修学旅行費も含める方針だと言われています。具体的にどこまで広げるのか、その範囲をどう考えているのか、見解を求めます。
 そもそも、昨年の民主党のマニフェストでは、給食の無料化をうたっていたはずです。学校給食などを含め、義務教育は、文字どおり完全無償にすべきではありませんか。
 最後に、今後の子ども手当について質問します。
 子ども手当は、二〇一三年度からスタートするという子ども・子育て新システムの中に位置づけられています。二〇一三年度以降の手当の姿は、新システム全体の財源をどうするかとか、政策決定機関である子ども・子育て会議の議論次第で変わるものなのですか。そうだとすれば、また二〇一二年度の子ども手当についても、単年度限りの法案を出さざるを得なくなるのではありませんか。お答えください。
 日本共産党は、保育を市場化し、福祉も自己責任と変質させる子ども・子育て新システムには反対です。今やるべきことは、切実な問題となっている待機児童解消のために国の責任で認可保育所を増設することや、子供の貧困の解消、子供の医療費無料化、仕事と子育ての両立支援など、子育てがしやすい社会を目指して力を尽くすことではないでしょうか。
 以上で私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣菅直人君登壇〕

発言情報

speech_id: 117705254X00520110224_023

発言者: 高橋千鶴子

speaker_id: 34526

日付: 2011-02-24

院: 衆議院

会議名: 本会議