阿部知子の発言 (本会議)
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○阿部知子君 社会民主党・市民連合を代表して、ただいま議題となりました平成二十三年度における子ども手当の支給等に関する法律案について質問を行います。(拍手)
長い間、我が国の社会保障政策の中で重点が置かれることのなかった子供施策について、一昨年の政権交代によって、子供たち一人一人の育ちを社会全体で応援する子ども手当が誕生したことは、高く評価したいと思います。しかし、一年を経た今日、国会で繰り広げられる論戦のみならず、国民の中からも少なからぬ批判の声が寄せられている事態を果たして子供たちはどう見ているのか、大変懸念するものです。
そこで、冒頭、菅総理に、まず、この子供たちにどんなメッセージを送るのか、御自身の言葉で語りかけてほしいと思います。
次に、本来広く支持されるべき子供への支援策をめぐって、かかる混乱が生じていることの原因は、政府として国民に対しての十分な説明責任を果たしておらず、また、地方自治体を初め関係者との協議やお互いの役割の分担、協力を得る努力が不足していることにあると思いますが、どうお考えですか。
子供は日々成長し、子育てには継続が大切ですが、政府案は毎年毎年の単年度立法です。子育ち・子育て支援のグランドデザインがないまま、継ぎはぎだらけで来年はどうなるかわからないことに、国民は不安、地方自治体は不信を抱いています。
ここは、まず、総理として、現実の財政状況の中で、民主党の掲げる満額二万六千円の給付は当面不可能であること、一方、既に給付されている一万三千円は来年度以降全額国の責任において給付することを明言されるべきと考えますが、いかがですか。
そもそも、昨年度の子ども手当でも、これまでの児童手当のスキームを取り込んで、全額国庫負担をうたいながら地方負担を残すことになったことに、自治体からは多数異論が出されました。おまけに、控除から手当にという方針の中で、本来地方の自主財源である住民税の控除廃止による増収分も国の歳入とすることで、さらに反発が強まったと思います。二十四年度から満額二万六千円にできないなら、住民税控除の廃止は凍結してはどうですか。
さらに、昨年度の子ども手当法の成立に当たっての附帯決議では、上積み分については地域の実情に応じて現物給付に変えることを約束したにもかかわらず、今回は、三歳未満の二万円への増額を先行させました。別途五百億円の新たな交付金を設けたと言いますが、このうち、新たに地方独自の子育て支援サービスに使えるのはわずか八十億、各自治体に分けると数百万円にしかなりません。三歳未満において要望の強い保育所の増設・運営支援も極めて手薄です。
子育て支援で大切なことは、現物給付と現金給付のバランスと、地域の実情に応じたきめ細やかなサービスですから、三歳未満の上乗せをするよりも、約束どおり、地方独自の現物サービスの充実に財源を回すべきです。それによって、保育料はもちろんのこと、就学援助費や給食費の支援など、子供の貧困対策をもっと充実できます。総理のお考えを伺います。
さらに、社民党は、今回の三歳未満の増額のために成年扶養控除の廃止縮減が行われることに強い憤りを覚えます。そもそも、住民税の扶養控除の廃止や今回の成年扶養控除の縮減廃止は、民主党のマニフェストにもなく、家計と家族に与える影響も多大です。
各種保険料や保育料金などの負担増に加え、五百二十万人に上る成年扶養控除対象者にしわ寄せするやり方は、国民の生活が第一とはとても思えません。見直すべきと考えますが、どうですか。
目先の給付金額の整合性のみにとらわれ、財源あさりにも等しいやり方では、国民から祝福される子ども手当にはなりません。引きこもりやニートなどの状態に陥る青年は二百万人とも三百万人とも言われ、自立や就労に向けた十分な支援策がないままに、必死に支える家族から扶養控除を外してしまうことは、最小不幸社会や不条理を通り越して、社会的切り捨てにも等しいと思いますが、いかがですか。
子供政策と若者政策は、一貫した連続性の中に理念と哲学を持って断固として取り組まれるべきものです。まず、一人一人の子ども台帳をつくり、まさにパーソナルサポートとして一人の人間の成長を支える、総理には果たしてその決意がおありですか。
以上、この国に生まれ育つ子らの世界一の幸せを願って、私の質問といたします。(拍手)
〔内閣総理大臣菅直人君登壇〕