小野寺五典の発言 (本会議)

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○小野寺五典君 自由民主党の小野寺五典です。
 私は、自由民主党・無所属の会を代表し、在日米軍駐留経費負担に係る新たな特別協定の締結につきまして、賛成の立場から討論を行います。(拍手)
 討論に先立ち、三月十一日に発生しました、言語を絶する悲惨な被害をもたらした、原発災害も引き起こしました今回の東日本巨大地震及び津波の被災者の皆様に対し、心からのお見舞いを申し上げます。また、亡くなられた皆様の御冥福をお祈り申し上げます。
 今なお、被災地では、寒さ厳しい現地、ここにおいて、昼夜を分かたず、危険を顧みず、復興・救援活動に、自衛隊、警察、消防、海上保安庁、関係自治体、ボランティアの方々並びに米国を初めとする国際社会、多くの皆様に支援をしていただいています。心から感謝の念をあらわしたい、そう思っております。
 この場をおかりしまして、被災者の一人として申し上げます。
 震災後、はや三週間が経過しました。被災地の惨状は、いまだ惨たんたる状況です。現地の多くでは、今なお、電気、水道、ガスなど、ライフラインがとまったままです。支援物資もいまだ不足、さらに、避難所以外の住民へは物資の補給もままなりません。悲痛な声が聞かれております。
 さらに追い打ちをかけるのが失業です。津波発生二日目から、現地の企業では職員の解雇が相次ぎました。今回の地震と津波で、家族を失い、家を失い、そして仕事をも失った被災者が多数おります。私も、被災者の心が折れないために、雇用保険の休業制度や雇用調整助成金の活用が急務と思い、避難所を回り、制度の周知に奔走しております。
 ところが、被災地である南三陸町の友人から、こんな連絡がありました。
 問い合わせた役所の担当者からは、あなたの会社は七百名を超すスタッフがおります、そのためには二千枚以上の書類が必要です、また、対象となる七百人本人がハローワークに出向く必要があります、ただ、現地のハローワークは流されております、仙台に行ってください、このように言われたそうです。
 史上最大の被害に見舞われ、家も家族も車も失い、電気もない避難所に暮らす被災者に対して、百キロ近く離れた仙台に来いとは、あんまりだと思います。
 被災地では、今なお、さまざまな問題に直面しております。
 行方不明の奥様と長男を捜すために遺体安置所を回っていた被災者から、こんな声を聞きました。
 車が流されたので、遺体安置所を回るため、車を買いに中古車屋に行きました、ですが、住民票、印鑑証明、それと車庫証明がないと売れないと断られました、役場も警察もなくなったのに、どうやってこの書類が用意できるんですか。
 この方は、仕方なく、何日もかけて、歩いて遺体安置所を回って、奥様と長男を捜しておりました。
 被災地で思うのは、政治がもっと前面に立って、一刻も早く被災者が人間らしい生活が送れるよう、その道筋とその先にある希望を示すことだと思っています。しかし、残念ながら、被災地では政治の姿が見えません。
 総理には、命がけ、決死の覚悟と話されるだけではなく、総理にしかできない行動で示していただきたいと存じます。
 また、福島原発事故も、被災地復興には重大な問題です。
 今回被災した沿岸地域は、世界有数の三陸漁場に面しています。巨大津波がいかに港を破壊しても、海があれば、魚があれば、必ず地域は復興します。ですが、もしこの海域に放射能汚染が広がれば、本当の意味で地域が崩壊してしまいます。優良な農地も、永遠に耕作放棄地になってしまいます。政府には、強いリーダーシップでこの福島原発問題に対処していただきたいと存じます。
 さて、今回の在日米軍駐留経費負担に関する新たな特別協定ですが、この協定は日米安全保障関係の根幹をなすものです。
 今回の震災に対して、我が国は、百六十余りの国や国際機関から支援の申し出をいただいております。
 特に、同盟国たる米国は、人道支援・災害救助活動をトモダチ作戦と命名し、空母ロナルド・レーガンを初めとする多数の艦船、輸送機、ヘリコプター等の航空機を展開するなど、約二万名を投入して、水、食料、医薬品等の物資の輸送、捜索・救援活動をしていただいております。福島原発事故の放射能被曝の危険性を冒して同盟国に対して救援活動を続ける米国に対しては、被災地選出の議員の一人として、まことに感謝を覚えております。
 民主党政権の成立以降、日米関係は、普天間基地移転問題を初めとする外交上の迷走により、信頼関係が大きく損なわれている事態となりました。日米同盟の深化のためのプロセスは事実上暗礁に乗り上げ、菅総理の訪米すら時期が見えない状況にあります。
 このような中で我が国は未曾有の震災を受けたわけでありますが、オバマ大統領は、早々に、我が国に対して、いかなる支援も惜しまないと表明をし、行動で示しました。これは、日米同盟のきずなは決して揺るがないとの、米国の強い意思のあらわれであります。
 本協定は、在日米軍の効果的な活動を確保するため、在日米軍基地従業員の労務費、光熱水料費、訓練移転費の全部または一部を我が国が負担しようとするものであり、同盟国として果たすべき責務としてのホスト・ネーション・サポートそのものであります。したがって、本特別協定を締結することは、強固な日米同盟を維持していく上で非常に重要な施策と考えております。
 しかし、民主党政権では、本当にこのような認識が共有されているのでしょうか。
 今回特別協定を国会へ提出した民主党政権は、前回の特別協定審議の際には野党でありました。当時の国会審議では、サービス系基地従業員の経費負担を対米従属だとやり玉に上げ、政権をとったら駐留経費負担は卒業するとまで極言されておりました。その他さまざまな理由を挙げて特別協定への締結に反対し、特別協定は約一カ月の空白期間を生じることとなりました。このため、光熱水料の立てかえ払いや訓練移転の延期など、在日米軍及び関係機関に多大な迷惑をかけてしまいました。我が国の安全にとって欠くことのできない日米の信頼関係に重大な悪影響を及ぼしました。
 しかるに民主党政権は、野党時代に列挙した反対理由が何一つ解決していないにもかかわらず、わずか三年前にみずからが反対した特別協定と実質的に同じ内容の協定を、今回、国会へ提出しました。しかも、この間の変節については、みずからの不明を恥じるどころか、本特別協定は前回よりも改善されたとおっしゃり、提供施設整備費の新たな負担増については、国民に対する説明責任を果たしておりません。
 本来ならば、我々自民党は、本会議、委員会において、これらの問題を徹底的かつ時間をかけて議論し、民主党政権の矛盾を国民の前で明らかにしなければなりません。しかし、今回の未曾有の大震災を受け、その対策を何よりも重視する立場から、大局的な判断をもって、本特別協定の審議促進を図り、本日の採決に臨むことといたしました。
 本特別協定については、旧安保条約の締結以降六十年の長きにわたり我が国の平和と安全を維持してきた日米同盟の円滑な運用に寄与するとの観点に加え、救助活動に取り組む米国の活動を支えるためにも、空白を生じることなく経費負担を継続すべきと判断し、我々自由民主党・無所属の会は、本特別協定に賛成する次第であります。
 本特別協定の締結を機に、民主党政権に対しては、政権交代以来続いた日米同盟軽視の姿勢に、改めて猛省を促すとともに、普天間飛行場問題で低下した日米の信頼関係を早急に修復するよう、具体的な行動をとるよう求めてまいりたいと思っております。
 最後に、私ども自民党は、長年培った政権党としての経験を生かし、今回の震災復興に万全を期し、被災者の方々が一日も早く安定した生活を送れるよう最大限の努力を傾注することをお誓いし、本協定に対する賛成討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 小野寺五典

speaker_id: 27636

日付: 2011-03-31

院: 衆議院

会議名: 本会議