高木毅の発言 (本会議)

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○高木毅君 自由民主党の高木毅です。
 私は、自由民主党・無所属の会を代表して、内閣法及び内閣府設置法の一部を改正する法律案について、総理に対し質問をいたします。(拍手)
 質問に先立ち、東日本大震災により亡くなられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
 このたびの国家的試練に対し、我が自由民主党も、震災に対応するためのさまざまな提言をしてまいりました。そして、今後も、被災地の復興と発展に資する施策であれば与野党の枠を超えて協力していく考えを、まず表明させていただきます。
 しかし、なぜ、今、閣僚の増員なのでしょうか。
 巨大な津波による被災者の救出や原子力発電所の事故への対応など緊急な対応が求められる震災発生直後に震災担当大臣を置くなどの増員であれば理解できますが、震災から二カ月以上たってからの法案提出は、極めて不可解であります。
 提出まで、なぜこんなに時間がかかったのですか。その理由について、明確な答弁を求めます。
 閣僚増員の理由について、当初、政府・与党は、閣僚の兼務を緩和するためのものである旨の説明をしていました。その後に、我が党の谷垣総裁に対して唐突とも言える入閣要請があり、いつの間にか、閣僚増員の理由は、震災対応のためということに変わってしまったのであります。もしも、他の政党を巻き込むことで菅総理が政権の延命を図ろうとしているならば、あるいはポストをふやすことで内閣の求心力を高めようとしているならば、それは、震災を利用した許しがたい重大な問題であります。
 閣僚増員の理由が変質したことにつき、どのような理由なのか、お答えください。
 平成七年の阪神・淡路大震災の際、当時の村山内閣は、震災発生の三日後に我が党の小里貞利氏を震災担当大臣に任命し、小里大臣の強力なリーダーシップにより震災の危機を乗り切りました。
 増員しなければ復興に支障が出るというのならば、菅総理、早々に政権の座をおり、豊富な経験を持つ我々に震災復興を託していただきたい。いかがですか、菅総理。
 そもそも、閣僚を増員すれば懸案事項は解決するのでしょうか。震災後に乱立した多数の会議や対策本部は、未曾有の複合災害に対する意思決定を複雑にしただけで、それは厳しい批判を浴びてきました。いたずらに閣僚を増員することは、責任と権限の一元化に反するものであり、政府が機能的にこの未曾有の災害に対応できるようになるのかどうか、甚だ疑問であります。
 増員の結果、どのように閣僚間の所掌を整理するのか、また一方、なぜ現有の閣僚間で調整と対応ができないのか、はっきりとした説明を求めます。
 総理が任命した小佐古内閣官房参与は、政府の対応は法にのっとっておらず、だれが決定したかも明らかでなく、納得できない、今回の原子力災害で、官邸の対応はその場限りで場当たり的だと述べて、辞任をいたしました。
 これは、政権担当能力に欠ける内閣にあっては、幾ら人を増員しても無意味である何よりの証拠ではありませんか。総理のお考えをお聞かせください。
 さらには、これまでも、政務三役を通さなければ何もできないと官僚が萎縮し、行政が停滞しているという指摘がたびたびなされてきました。こうした菅内閣において、閣僚や副大臣、大臣政務官をふやせば、どういうことになるのか。指揮命令系統が大混乱し、ますます震災対応がおくれることは、火を見るよりも明らかであります。
 今求められていることは、政治のリーダーシップであり、閣僚などの頭数をふやして満足してしまうことではありません。
 国民新党の亀井代表は、閣僚の増員について、ばか足すばか足すばかは、やっぱりばかなんだ、今は、とにかく一元的に対策を断行すべきであり、船頭が多くてはだめだと発言されました。この法案に対する最も適切な評価ではないかと思います。総理の感想をお聞かせください。
 さらには、危機に対応するための組織のあり方、閣僚増員により震災対応に混乱が生じるおそれについて、どのように認識をしているのか、菅総理の答弁を求めます。
 そして、もちろん、このように閣僚等を増員しては、相当の経費がかかります。秘書官などの人員も必要になってきます。被災地の復旧復興に一円でも多くの資金を、そして一人でも多くの人員を投入しなければならないときに、このような無駄な財政支出、人的配置について、国民の納得が得られるとは到底思えません。
 本法の施行に伴い、必要となる経費及び秘書官などの人員について、総理の明確な説明を求めます。
 民主党が政権を獲得した総選挙の際に掲げたマニフェスト、その最重要公約の一つとして位置づけられていた政治主導確立法及び国会法改正案が、先日、撤回されました。その理由は、このたびの内閣法等改正案と内容が一部重複するからということであります。
 しかし、幾ら震災対応とはいえ、政権獲得の際に掲げた最重要公約である看板政策をあっさりと撤回してしまうのは、民主党政権の正当性をみずから否定しているようなものであります。
 政治主導確立法が国会に提出されたのは、鳩山政権発足から四カ月後の昨年二月。内閣委員会に付託はされたものの、それ以降は、たなざらしとなっていました。法案を真剣に通したいという熱意も努力も感じられませんでしたが、政府・与党は、厳しい現実に直面し、法案を上げる気がうせてしまい、撤回する機会をねらっていたとしか言いようがありません。そうではありませんか。
 子ども手当法に引き続いての看板政策の撤回、これは、国民との約束であるマニフェストを変更した重大な背信行為ですが、政府・与党が国民に対して丁寧に説明したとは思えません。総理は、政治主導という大方針を放棄したのだと、潔く語るべきであります。看板政策がなくなり、政権担当能力もないとすれば、菅政権の存在意義は全く失われていると指摘せざるを得ません。
 また、政治主導確立法の撤回により、国家戦略室や行政刷新会議は、引き続き法的根拠も明確でないまま存続していくこととなります。
 国家戦略室は、設置当初のふれ込みとは異なり、今では、ほとんど報道もされないくらいの存在になってしまいました。また、行政刷新会議についても、政務三役が政治主導で決めた予算や事業を仕分けするのはおかしいなどと政権内部からも批判が出ており、存在意義がなくなったと言ってもいいのではないでしょうか。
 国家戦略室や国家戦略担当大臣と行政刷新担当大臣を廃止すれば、閣僚枠が二つできます。復興担当相などの枠は、十分にこれで確保できるのではないですか。菅総理の答弁を求めます。
 顧みれば、東日本大震災が発生する前、菅総理は、借金が税収を上回る赤字財政、尖閣沖の漁船衝突事件に象徴される屈辱的な外交対応、普天間基地問題や日米同盟を揺るがしかねない安保問題など、国家の基本政策で迷走を続けていました。そして、外国人からの献金問題で退陣寸前まで追い込まれていたのであります。
 そこに起こった大震災。我々は、一刻も早い復旧のため、やむを得ず内閣の継続を黙認してきました。しかし、もう我慢はできません。指導力なき菅総理のもとでは、与野党が有効な復興策を積み上げていくことはできないのであります。
 浜岡原発の停止についても、なぜ浜岡だけなのか、決定に至るまでどのような経緯があったのか、いまだ根拠のある説明はなされておりません。
 原発を抱える各自治体からも、今回の決定は極めて不可解であり、納得のいく説明をしてほしいという声が上がっています。国が原発についての基本政策を示さないまま部分的に対応している、到底、県民、国民の理解が得られるものではない。これは、私の地元である西川福井県知事のコメントですが、まさに、自治体の声、国民の声を代弁しています。
 地域のみならず、国家のエネルギー政策にも直結する重大な問題ですが、なぜ浜岡原発だけ停止したのか、国民に対する総理の説明を求めます。
 先ごろ、政府・与党は、会期を六月二十二日で閉じる、二次補正予算の編成を先送りする意向ではないかとの報道がありました。総理、国会を閉じるのですか。二次補正予算は先送りをするのですか。被災地の復興と再生よりも、内閣の延命を優先したいのですか。
 菅総理は、野党に籍を置いていたとき、麻生内閣における補正予算をめぐり、補正予算を提出しないことは政治空白だと口をきわめて指弾し、厳しく退陣を迫っていました。ところが、被災地が救いを求め、我が国が国家国民を挙げて復興に向け一丸となっている今、あなた自身が政治空白をつくろうとしているではありませんか。
 会期をどうするのか、二次補正予算をどうするのか、先ほどの我が党の小池議員の質問には明確に答えておりません。二次補正について、ここで明確に、いま一度お答えいただくことを要求いたします。
 そして、もしあなたが国民の不安を払拭できないのならば、即刻退陣していただきたい。菅総理、今あなたに求められている大震災及び原発への対応は、閣僚の増員などではなく、復興の障害となっているあなた自身の潔い辞任であります。
 本日の読売新聞には、民主党出身の参議院西岡議長が、「国務に関しての責務に自覚をお持ちでない」と指摘をして、総理の辞任を求める大変厳しい言葉を寄せておられました。全く同感であり、国民のすべても同感だと言わざるを得ません。
 さきの統一地方選挙における民主党の大敗は、国会に先んじて国民が突きつけた内閣不信任そのものであります。国民は、無責任な菅内閣に振り回されることなど望んではおりません。ならば、復興に深刻な遅滞を生じかねないゆゆしき事態から早々に脱却すべきではありませんか。
 菅総理の一刻も早い退陣を求めて、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣菅直人君登壇〕

発言情報

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発言者: 高木毅

speaker_id: 33126

日付: 2011-05-19

院: 衆議院

会議名: 本会議