風間直樹の発言 (行政監視委員会)

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○風間直樹君 特に、私は、行政評価局の仕事の中で、参考人御承知のように行政評価という柱と行政監察という柱、二つの柱があるわけですが、この行政監察の柱が十分に機能していないというふうにとみに感じているわけでございます。
 今日の私の質疑のテーマは、警察や司法がもし彼らの保身のために国民の要請にこたえず国民の福利を脅かすおそれがある場合、行政監視委員会そして総務省の行政評価局が何をすべきかという、この観点から質疑を主として郷原参考人にさせていただきたいと考えております。
 当委員会で、私は、何回か冤罪が確定しました足利事件について取り上げてまいりました。
 御承知のように、昨年、菅家さんの冤罪が確定したわけであります。これは、報道を通して我々は栃木県の足利市で起きた単独の幼女誘拐殺人事件というふうに認識をしているんですけれども、最近、テレビ、雑誌の取材によりまして、一個の単独犯行ではなくて、どうやら五件の連続した幼女誘拐殺人事件である可能性が高いということが明らかになりつつあります。
 この五件の被害者はいずれも五歳前後の幼い女の子ばかりです。うち四件は誘拐された幼女が遺体で見付かっています。最後の一件に関しましては被害者がいまだ不明のままであります。したがいまして、この最後の一件についてはまだ時効が成立をしておりません。
 この事件、実は取材をされた記者の努力によりまして、この事件五件を起こしたと思われる真犯人、この真犯人が現在もなお犯行現場の付近に住んでいるということが明らかになっています。しかも、この真犯人と思われる人物の氏名そして住所は、取材をした記者から警察及び検察に通報がされております。
 私の懸念は、幼女に対する性犯罪というのは非常に再犯性が高いものですから、まず早期の真犯人の捜査と逮捕が求められるんだろうと。同時に、被害者、五つの家族がいらっしゃるわけですが、これらの五つの御家族の皆さんもつい最近初めて一堂に集まられまして、捜査を求める考えで一致をされたと、今発売中の月刊文芸春秋でそのように報道をされています。
 ところが、ここで我々行政監視委員会が突き当たる壁があるわけです。それは、警察や司法がこの真犯人の捜査、逮捕をいまだしないということであります。なぜ捜査を積極的にしないのか。いろいろなことが言われていますけれども、恐らく大きな理由の一つは、真犯人が逮捕された場合、警察と検察にとって不都合な事実が明らかになるということであります。つまり、真犯人のDNAの型が明らかになれば、足利事件当時、警察庁の科捜研、科学捜査研究所が実践したDNA判定方法が完全に誤りだったということが明らかになるわけです。その結果、公判で採用されたこの同じ判定法に基づくDNA鑑定、当時八件が公判で応用されていますが、それが正確ではなかったということになって、これらの裁判をやり直す必要が出てきます。しかし、この八件のうち一件は、既に容疑者とされた方が死刑に処せられた飯塚事件であります。このような経緯の中で、私はこの委員会で足利事件の再捜査を強く求めているところでございます。
 そこで、本題に入ってまいりますが、この行政監視委員会は平成十年の一月に設立されました。設立直前の平成九年六月にまとめられた当時の調査会の報告書を読んでみました。手元に今日持ってきているんですが、こちらがその報告書であります。当時の参議院議員井上孝調査会長の下、まとめられたこの報告書にはこのような文章があります。つまり、行政監視委員会は国会におけるオンブズマンの機能を果たすべく設立をされると、その調査に当たっては当時の総務庁が行う行政監察等を活用すると、こう明記をされています。
 しかし、五月十六日のこの委員会で、私の質疑に対しまして答弁に立たれた片山大臣は、残念ながらこのような事実を恐らく踏まえていらっしゃらなかったのでしょう、私が行政監察の権限を活用して総務省としてこの足利事件の再捜査の助言を関係機関あるいは総理に行ってほしいと要請したことに対して、こう答弁されました。「個別のこの種の事件について総務省が乗り出すということは、私は制度上想定されていないと考えております。」と。
 しかし、今御紹介しましたように、そもそも委員会の発足時にこれは制度上想定されているわけであります。この委員会の創設時、当時の総務庁の行政監察が実は警察をほとんど対象にしないことが懸念されておりました。そのために、行政監視等のための機関の設置についての調査会長案において、委員会が監察対象の選定を調査し、その結果を行政監察計画の策定の参考にさせることとされました。この計画は総務省が策定するものであります。にもかかわらず、残念ながら現在、警察と司法に対する行政監察は極めて不十分なままであります。
 そこで、郷原参考人にお尋ねをいたしますが、私が今るる述べました、この総務省の行政監察の機能が十分に警察、検察に対して機能していないという私の見解に対しまして、御所見をお伺いしたいと思います。

発言情報

speech_id: 117714281X00520110530_022

発言者: 風間直樹

speaker_id: 23335

日付: 2011-05-30

院: 参議院

会議名: 行政監視委員会