福島みずほの発言 (本会議)

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○福島みずほ君 私は、社民党を代表して、憲法審査会規程を作るべきではないという立場から討論を行います。
 まず、憲法改正に関する重要問題を各政党の合意のない下で強行することは容認できません。
 参議院において、日本国憲法の改正手続に関する法律案については、国民投票の対象、範囲も含め、十八項目もの附帯決議が付されました。そのことについては全く解決をしておりません。
 しかも、今は東日本大震災という大災害の最中、レベル七、しかも早い段階からメルトダウンが起きていたという、深刻な原発事故がますます深刻になっている状況です。各政党の合意がない中で、かつ憲法改正を進める必要性も全くない中で、大災害の中でどさくさに紛れての憲法審査会規程策定に強く抗議をいたします。
 社民党は、福島県、岩手県、宮城県に赴き、現地の社民党と一体となって現地の切実な要望を聞き、被災者の心に寄り添い、救援ができるよう心を砕いてまいりました。そこで痛切に思ったことは、まさに今政治の出番であること、一刻の猶予もなく命を救い、命を助けることをしなければならないということです。
 被災者の皆さんは憲法二十五条の生存権や憲法十三条の幸福追求権が実現できていないのですから、政治が全力を挙げて生存権、幸福追求権を回復し保障をしなければなりません。日本国憲法の基本的人権を保障することこそ必要なときに、なぜ憲法審査会規程作りをしなければならないのでしょうか。
 今必要なことは、人間の復興です。人間の復興とは、生存権、幸福追求権の保障を実効あらしめることです。今必要なことは、憲法の改正ではなく、憲法の実現です。今政治が取り組まなければならないことは、失われた人権の回復です。そのためには、家や車や生産設備を失い、ローンだけが残った人たちが、マイナスからではなくゼロから再出発できるような、債務の免除という二重ローンの解消などの立法措置が必要です。また、原発事故によるかつてない規模の損害に対して、迅速かつ的確な救済をするための紛争解決システムなどの制度の構築が必要です。求められているのはそのような政治です。
 災害のときに非常事態宣言をしなければならず、そのことが日本国憲法に規定がないことから憲法改正の必要性を言う見解があります。では、今回の災害が発生したまさにそのときに、非常事態宣言をし、基本的人権を制限しなければならないことがあったでしょうか。全くありません。世界が称賛をした秩序正しさだったわけです。むしろ、東京電力や政府による重要な情報隠しが横行しました。非常事態宣言などをすれば、そのことにますます拍車を掛けることになります。今憲法改正を言い募る人たちは、被災者の人々の切実な声に耳を傾け、その心に寄り添いながら被災地の復興に尽くす気持ちがおありなのでしょうか。大いに疑問があります。
 大日本帝国憲法は多くの権利を法律の範囲内でしか認めていませんでした。法律で幾らでも権利を制限することができたわけです。ですから、国家総動員法、治安維持法、徴用令など非常事態のための多くの法令を作り、最後は権利は紙切れのようなものとなり、人権は失われました。憲法改正を言う人たちはそのような歴史から何も学んでいません。
 憲法改正のための国民投票のための憲法審査会を動かす必要性などありません。憲法審査会規程を作るべきではなく、人間の復興と憲法の実現をと主張し、私の反対討論を終わります。(拍手)

発言情報

speech_id: 117715254X01620110518_014

発言者: 福島みずほ

speaker_id: 23322

日付: 2011-05-18

院: 参議院

会議名: 本会議