江口克彦の発言 (本会議)
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○江口克彦君 みんなの党の江口克彦です。
みんなの党を代表して、参議院憲法審査会規程案につきまして、賛成の立場から討論を行います。
一九九九年夏、国会法の改正に基づき衆参両院に憲法調査会が設置され、二〇〇〇年一月から憲法改正が国会の場で議論されるようになりました。そして、二〇〇七年の改正国会法によって、両議院に憲法審査会を設けると定められました。しかしながら、四年近く経過した今もって規程がないゆえに憲法審査会が活動できないのは、私たち参議院議員の怠慢、立法府の不作為と断ぜざるを得ません。
国会議員が自分たちで決めたことを実行しない、それでは国民の多くが政治家を信頼しないのも当然ではないでしょうか。信なくば立たず。まさにこうした私たち政治家の有言不実行が国民から軽蔑される要因になっているということを知らなければなりません。
私は、かねてより憲法問題に相当な関心を持って活動しており、PHP総合研究所の社長として、シンクタンクの活動の中で、二〇〇四年十一月、日本国憲法私案をまとめ、発表しました。その後、二〇〇九年七月、前衆議院議員、元外務大臣の中山太郎先生とともに憲法円卓会議を主宰し、大いに議論をしてまいりました。
憲法は、国民が国という共同体を営む上での目的や目標、統治システムやルールを表したものであります。社会は絶えず変化しています。その社会の変化に適応できるよう、憲法という国のオペレーションシステムを適宜改正し、自己変革していかなければ、国民が安心して生活を営み得るような共同体として国を維持していくことはできません。
人間の仕事に完全なものはない、人間の書いた憲法の不完全さが時の流れの中で露呈するのは避けられないことである、また、時の流れは社会に変化をもたらす、憲法が国家にふさわしいものとして存続するためには憲法をその社会の変化に適応させていかなければならないという、アメリカ独立宣言の起草者である第三代大統領トマス・ジェファーソンが残した有名な言葉を私どもは肝に銘じる必要があります。
しかし、現在の日本は、世界的に見ると、自己変革ができていない国であり、珍しい国であります。現在の日本国憲法は、世界に百八十ほどある中で、私の記憶によれば、古い方から数えて十四番目に当たります。必ずしも頻繁に改正しなければならないものではありませんが、必要な改正は行ってしかるべきです。しかしながら、六十五年もの長きにわたって一か条も改正されたことがないのは日本国憲法だけです。
ほかの国においては、憲法の中身と社会状況にずれが生じたとき、しばしば改正が行われてきております。例えば、最も古いアメリカの憲法は約二十回、二番目に古いノルウェーの憲法は約百五十回、日本国憲法の翌年にできたイタリアの憲法も十五回、その二年後にできたドイツの憲法は六十回近くにも及ぶ改正がなされています。
現行憲法については、半世紀以上も前から、全面改正論、一部改正論、弾力的解釈論、政略的改正反対論、改正絶対反対論があることは十分承知しています。しかし、弾力的解釈論は国民に御都合主義と精神的退廃をもたらし、政略的改正反対論も改正絶対反対論も国民に憎悪と偽善の風潮を助長するにすぎないと思うのであります。また、全く改正されなかった、不磨の大典とした大日本帝国憲法の発想と同じであり、まさしく時代錯誤であります。大日本帝国憲法は、その硬直性が結果として軍国主義を生み出してしまったことを私たちは想起すべきであり、二度とその轍を踏まないためにも、憲法改正を避けてはならないと強く感じております。
また、日本国憲法が、日本国及び日本国民でなく、六十数年前、アメリカの占領軍が日本弱体化という恣意的意図で作成されたことは皆さんもよく御存じのことであり、国民の周知の事実でもあります。日本の憲法の原文が外国語、英文であることがその事実を如実に物語っていると思います。多くの識者が指摘するように、現行憲法は英文の翻訳ゆえに醜悪な日本語の羅列になっているのであります。もし、憲法改正に反対する人たちがいるとするならば、その心には一片の愛国心もない、日本国及び日本国民も存在しないか、あるいは盲目的なアメリカ占領軍の追随者、賛同者と断じてもよろしいのではないかと思います。
さらに、日本の社会がこの六十年余、まるで鎖国の時代のように、ほとんど大きな変化もなく、人の移動もなく、激動の世界の中でも時計の針が止まっていたのであるならば、憲法改正反対も一理あると言えると思います。しかし、現実はどうでしょうか。二十一世紀に入った現在の日本、そして日本を取り巻く世界の状況は、日本国憲法が施行された一九四七年当時と激変しております。価値観の多様化、グローバル化、高度情報化の時代になっても、一か条の改正にも反対するどころか、議論にも反対するとすれば、このダイナミックに変化する時代の中で、国民を置き去りにし、国民の最大幸福を考えない、国民から最も遠いところで憲法を考えている人たちであるとも言えるのではないでしょうか。
私は、早急に、中央集権体制の限界、国会の矛盾、オンブズマン制度の導入、自然保護や環境、プライバシーの問題、知的所有権の問題、非常事態、危機管理の問題、そして家族の重視、個人の責任と義務のバランス是正など、現在対応が求められている課題を憲法に盛り込まなければならないと考えておりますが、こうした点を是非とも国会の憲法審査会の場で堂々と議論していきたいと思います。
少なくとも、現行憲法が現在の国民の最大幸福に直結しているのかどうか検証し、改正について議論する場をつくるべきでしょう。それが私たち政治家の良心と使命であるというものではないでしょうか。
私どもみんなの党は、昨年の参議院議員選挙において掲げたアジェンダには、憲法は、道州制の導入、衆参統合の一院制導入など、これからの国の在り方に合わせて見直す必要がある、よって憲法審査会を早急に始動して議論を開始すべきと明記しました。速やかに憲法審査会規程を成立させ、憲法審査会を始動させて、少なくとも憲法議論、改憲議論を進めていくこと、これが私たち政治家の国民に対する最大の責務であると再度申し上げたいと思います。
私どもみんなの党は、憲法審査会規程の成立の上、憲法審査会の早急な始動を求め、賛成の討論といたします。
ありがとうございました。(拍手)