菅直人の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(菅直人君) 松村龍二議員にお答えを申し上げます。
 まず、二重債務の問題についての御質問です。
 二重債務問題については、六月十七日に決定した政府の対応方針に基づき、現在具体的な支援策について準備を進めており、第二次補正予算案においても七百七十四億円の予算措置を盛り込んだところであります。
 具体的には、まず第一として、事業再生等の相談に幅広く対応できるワンストップ窓口として機能するよう中小企業再生支援協議会の体制を抜本的に拡充する。第二に、債権買取り等を行う新たな機構の設立のための経費を補助する。第三に、旧債務の利子負担が再建を妨げることがないよう再生企業に対する利子補給を行う。第四に、二重債務をできる限り負わず再出発可能な事業環境を整備すべく、施設復旧や仮設店舗等の整備を支援するなどの措置を講じることといたしております。
 本予算額については、被災企業の債務残高、事業や被災の状況等を基に算定しております。これらの予算に基づく対策を総合的に講じることによって、被災地における二重債務問題にしっかりと取り組むことができると、このように考えております。
 次に、地方交付税増額の算定根拠及びその使途についての御質問をいただきました。
 今回の補正予算における地方交付税五千四百五十五億円は、平成二十二年度の国税五税の決算に伴う剰余金を基に、地方交付税法に定めるルールに従って算出したものであります。今回の交付税の増五千四百五十五億円については、地方交付税法に基づき約九百億円を普通交付税として配分し、残余の約四千六百億円については特別交付税として一次補正において増額した一千二百億円と合わせて被災自治体等の財政需要に適切に対処してまいる所存であります。いずれにせよ、地方交付税は使途の制限がなく、その全額を地方が自由に使えるものであります。
 次に、被災者生活再建支援金について御質問いただきました。
 被災者生活再建支援制度は全国の都道府県が相互扶助の観点から基金を拠出して運営している制度で、基金から支給される支援金の二分の一を国が補助するものであります。東日本大震災については、都道府県の相互扶助に基づき支援金が支給されるというこの制度の趣旨を踏まえつつ、同時に住宅被害の甚大さに鑑み、東日本大震災に限った特例措置として、国の補助率を二分の一から八割に引き上げることといたしたものであります。
 今後とも、今般の被害の甚大さを踏まえ、震災により住居を失った方に対して十分支援が行われるよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、被災地域の意見反映に関する御質問をいただきました。
 二重債務問題については、中小企業庁が中心となって、被災県、地域金融機関から成る準備委員会を設けるなどして制度の詳細設計について議論をし、中小企業再生支援協議会の体制強化や新たな機構の設立支援などに必要な予算を二次補正予算に計上いたしました。また、仮設工場、仮設店舗等の整備や中小企業等のグループの施設復旧整備の事業についても、被災自治体と連携しつつ、被災地域の中小企業のニーズを踏まえて予算を作成いたしました。
 今回の補正予算における地方交付税五千四百五十五億円については、平成二十二年度の国税五税の決算に伴う剰余金を基に、地方交付税法に定めるルールに従って算出したものであります。被災者生活再建支援金の補助率については、五月二十六日付けの全国知事会からの要望を受けて全国知事会と協議を行い、六月二十九日に今般の東日本大震災に限った特例措置として、既に支給をした支援金を含め、補助率を現行五〇%から八〇%に引き上げることで全国知事会との調整を終えたところであります。
 以上のとおり、被災地支援のため必要な予算については、現地の声をしっかり聞いた上で措置しているところであります。
 次に、補正予算と復興構想会議の提言の関係についての御質問をいただきました。
 二次補正予算案は、東日本大震災の当面の復旧対策に万全を期すため、本格的な復興予算に先立つものとして六月十四日に編成の指示を出し、本日提出に至ったものであります。
 一方、編成指示後の六月二十五日に取りまとめられた復興構想会議の提言については、それを七月中に具体化すべく、現在、基本方針策定に向けて政府として作業中であり、予算に反映されるのは三次補正以降になるものと考えております。
 次に、今後の立地地域との向かい合い方に関する御質問をいただきました。
 原子力の安全規制については、今回の原発事故発生に伴い六月七日に行ったIAEAへの報告書においても指摘したとおり、原子力安全・保安院を原発推進を担う経済産業省から独立させ、原子力安全委員会も含めて安全規制行政の見直しを進めていく必要があると考えております。
 こうした観点から、原子力発電所の再稼働に関しても、現行法令に基づく原子力安全・保安院による安全性の確認だけでは国民、住民の方々の十分な理解が得られているとは言い難いことから、原子力安全委員会が関与する形で新たな安全性確認のルール作りを進める必要があると考え、関係閣僚に指示を行ったものであります。
 こうした状況を踏まえ、政府においては、欧州諸国で行われることとなったストレステストを参考に、原子力安全委員会も関与する中で、新たな手続、ルールに基づく総合的な安全評価を実施する方針を取りまとめたところであります。
 そうした中で、私からのいろいろな指示が遅れるなどにより関係方面に大変御迷惑を掛けたことは申し訳なく、関係者の方におわびを申し上げます。今後、立地地域の自治体等の皆さんに新たな安全評価の趣旨や内容について丁寧に説明し、理解と信頼を得てまいりたいと考えております。
 次に、地震活動と地震確率及び原発立地地域における地震、津波調査について御質問をいただきました。
 文部科学省の地震調査研究推進本部が本年五月に公表した地震活動の評価によれば、余震域では活発な地震活動が見られる、東北地方から関東・中部地方の内陸においては、依然としてまとまった地震活動が見られている地域があると評価しております。
 また、同本部では、今回のような多くの領域が連動して発生する巨大地震については、過去のデータに基づいて予測する従来の方法では評価ができなかったことを受けて、領域間の連動を考慮するなどの新たな評価方法の検討を行うこととしており、政府としては、今後、より精度の高い地震予測に努めてまいりたいと考えております。
 次に、肉用牛の全頭検査と費用負担についての御質問をいただきました。
 福島県の肉用牛の全頭検査については、現在、農林水産省、厚生労働省及び福島県において、その費用負担も含めて協議中であり、適切に対応してまいりたいと思います。
 なお、乳用牛については、原乳段階で検査するとともに、肉用として出荷される際には肉用牛と同じ扱いになるものと考えております。
 次に、脱原発依存に関する御質問をいただきました。
 一昨日の記者会見においては、原発事故の発生を踏まえ、エネルギー基本計画の見直しや再生可能エネルギー導入の抜本拡大などのエネルギー政策に関する検討が順次進んでいる中で、私自身の考え方として、私としては、これからの日本の原子力政策として、原発に依存しない社会を目指すべきと考えるに至った、つまり、計画的、段階的に原発依存度を下げ、将来は原発がなくてもきちんとやっていける社会を実現していくと申し上げたものであります。
 政府としては、更なる安全性の確保を大前提に、原発への依存度を段階的に下げていくことといたしております。これを進めるに当たり、再生可能エネルギーの割合を大幅に高めるとともに、省エネルギーを推進し、我が国のエネルギー需要の構造改革を進める必要があります。あわせて、化石燃料の効率的利用も行う必要があります。
 再生可能エネルギーについては、二〇二〇年代でのできるだけ早い時期に発電電力量の二〇%とする目標の実現に向けて、固定価格買取り制度、革新的技術の開発及び普及、規制緩和などの政策を総動員して、政府全体で連携して目標達成に全力を挙げてまいります。
 現在、国会に提出している固定価格買取り制度を創設するための電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法、再生可能エネルギー特措法案について、是非とも早期に国会において御審議をいただき、成立をお願いいたしたいと思います。
 電力需給に関する質問をいただきました。
 必要な電力供給については、国民や企業の理解、協力を得て、政府として責任を持って対応してまいります。この夏については、基本的に発電所の復旧、自家発等の活用と需要家の節電への協力を得て、計画停電を行うことなく対応可能と考えております。
 国内の電力コストの上昇等による国内企業の産業競争力の低下や海外移転を招かないよう、産業競争力の観点からのエネルギー政策の推進や国内立地支援など、我が国の競争力強化に向けた施策を幅広く検討してまいります。
 最後に、我が国の原子力安全規制体制に関する御質問をいただきました。
 今回の原発事故を受けて、これまでの原子力安全行政が不十分であったことを痛感をいたしております。先般、IAEAに提出した報告書に記述したとおり、原子力安全・保安院の経済産業省からの独立を含めた責任体制の明確化等を図ることが重要だと考えております。この点については、細野大臣に検討を指示しているところであります。米国のNRCなども参考にしながら、推進と分離された規制機関の在り方を検討しているところであります。
 今後、事故調査・検証委員会による事故原因の徹底的な検証結果と提言も踏まえつつ、安全確保の在り方について抜本的な見直しを行い、他国に比べても遜色のない高度な安全性を担保する制度を目指してまいりたいと思います。
 以上、答弁とさせていただきます。(拍手)
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発言情報

speech_id: 117715254X02620110715_022

発言者: 菅直人

speaker_id: 33543

日付: 2011-07-15

院: 参議院

会議名: 本会議