菅直人の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○内閣総理大臣(菅直人君) 松あきら議員にお答えを申し上げます。
原発対応の法的根拠に関する御質問をいただきました。
今般の震災対応としては、震災当日に災害対策本部と原子力災害対策本部を設置いたしましたが、これらは災害対策基本法と原子力災害対策特別措置法によって本部の設立を義務付けられているものであります。また、先月には、復興基本法に基づいて復興対策本部を設置したところであり、これもこの法律によって義務付けられているものであります。
このように、震災対応のための本部は法律に基づくものであり、それ以外の組織は、これらの法律に基づく本部の下に置かれた実施のためのチームであります。
中部電力に対する浜岡原発停止の要請については、三十年以内にマグニチュード八程度の想定東海地震が発生する可能性が八七%と評価されており、地震発生に伴う大規模な津波襲来の切迫性等を踏まえ、国民の安心、安全のため要請を行ったものであります。
金融機関への東京電力の債権放棄要求については、東京電力及び様々なステークホルダーがそれぞれ民間の立場で判断されることと考えており、政府として債権放棄を求めていることではありません。
原子力損害賠償法の免責規定においての御質問もありましたが、昭和三十六年の国会審議において、人類の予想していないような大きなもの、全く想像を絶するような事態に適用するものと説明されており、こうした法律の成立過程や経緯に沿って、東京電力が免責の対象とは今回の事故ではならないと判断したものであります。
特定避難勧奨地点は、一方的な指示ではなく、県や市町村との十分な協議の上で設定しており、安全よりも安心の観点から、生活の仕方等に関する注意喚起や、避難を希望する方々への支援表明など、原子力災害対策特別措置法に基づく行政的な対応として行っているものであります。
次に、放射線から子供の健康を守る対策についての御質問をいただきました。
御指摘のとおり、校庭、公園、通学路等の除染は一刻も早く進める必要があると考えております。また、御指摘のフランスの研究所による福島の子供の尿検査の結果など、福島県民の皆様には、現在及び将来の健康について大きな不安を抱かれており、短期的な健康管理のみならず、中長期的な健康管理を行うことが重要であると考えております。
そのため、今般の第二次補正予算案において、除染や学校の空調設備の整備、尿やホール・ボディー・カウンターによる内部被曝に関する検査も含め、子供を始め住民の健康を確保するために必要な事業を中長期的に実施するための基金を計上し、全面的に福島県を支援することといたしております。
政府としては、このような対策を一日も早く実行に移し、地元自治体における取組が早急に進むよう支援する必要があると考えており、本補正予算案を是非とも早期に成立させていただきたいと思います。
次に、関係自治体の除染作業の取組に対する国の支援について御質問をいただきました。
避難区域の外で地域的な広がりは見られないものの、事故発生後一年間の積算線量が二十ミリシーベルトを超えると推定される地点が相当数存在しております。こうした地点を県や市町村と十分に協議した上で特定避難勧奨地点に設定をし、居住する住民に対して注意を喚起するとともに避難を支援しているところであります。
平成二十三年度第二次補正予算案では、福島県からの要望も踏まえ、県内全域の市町村等が実施する公園や通学路等の線量低減事業に対して財政支援を行うことといたしております。政府としては、地元のニーズも踏まえながら、関係府省が一丸となって除染の取組に関して真正面から取り組んでまいりたいと考えております。
避難所の熱中症対策、仮設住宅についての御質問をいただきました。
避難所での熱中症予防については、空調設備の設置や小まめな水分補給などの具体的な対策例をお示しするとともに、保健師等が避難所を巡回して助言を実施をしていただいております。また、空調設備の設置が難しい場合にはホテルや旅館を一時的に活用するなど、更なる対策が講じられるよう全力で支援してまいっております。
応急仮設住宅において生じた不具合については施工した業者により速やかに補修を実施するとともに、今後生ずる不具合についても連絡窓口を設置し、迅速かつ適切に対応することといたしております。
引き続き、被災者の方々が健やかに生活できる環境づくりに万全を期したいと考えております。
次に、二重債務問題に関する質問をいただきました。
二重債務問題に対する政府方針を踏まえ、現在、設立に向けて準備を進めている新たな機構が行う支援は、債権買取りのほか、出融資等の手段を被災事業者の実情に合わせて用いていくことになります。このため、この機構において買い取るべき債権がどの程度の規模になるかについては、被災県ごとの状況にも左右されるものと考えております。その中で、債権買取りの資金については、民間金融機関の被災中小企業に対する債権残高は最大で一兆四千億円に上るものとの試算や、約定返済停止を実施している債権額が二千五百億円との試算等を勘案しつつ想定していくことが適正であると考えております。
次に、被災者個人の住宅ローンの支援については、個人向け私的整理ガイドラインの策定の推進以外に、平成二十三年度第一次補正予算において、自力で住宅を確保することが困難な方に対しては災害公営住宅の供給を支援する、自力で住宅を再建しようとする方に対しては住宅金融支援機構の災害復興住宅融資についての金利引下げ、当初五年間はゼロ%などを措置しているところであります。
次に、エネルギー政策の見解に関する御質問をいただきました。
一昨日の記者会見においては、原発事故の発生を踏まえてエネルギー基本計画の見直しや再生可能エネルギー導入の抜本拡大などのエネルギー政策に関する検討が順次進んでいる中で、私自身の考え方として、私としては、これからの日本の原子力政策として原発に依存しない社会を目指すべきと考えるに至った、つまり、計画的、段階的に原発依存度を下げ、将来は原発がなくてもきちんとやっていける社会の実現を目指していくことを申し上げたものであります。政府としては、更なる安全性の確保を大前提に原発への依存度を段階的に下げていくことといたしております。
最後に、再生可能エネルギー特措法案について御質問をいただきました。
再生可能エネルギー特措法案に基づく買取り価格や買取り期間については、条文の規定内容に沿って決定する上、審議会の意見やパブリックコメント等も経ることなどから、不透明な裁量行政には当たらないと考えております。再生可能エネルギーの更なる導入拡大を図るため固定価格買取り制度を導入する必要があると考え、同法案を提出いたしました。
公明党におかれましても、二〇一〇年マニフェストにおいてこの固定価格買取り制度の創設を公約されているものと認識をいたしております。
同法案による国民負担が過重になり、日本経済に影響を及ぼすことがないように、制度全体の負担総額を軽減、限定するような工夫を講じることといたしております。
残余の質問は関係大臣にお答えをさせていただきます。(拍手)
〔国務大臣海江田万里君登壇、拍手〕