柴田巧の発言 (本会議)
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○柴田巧君 みんなの党の柴田巧です。
私は、みんなの党を代表して、平成二十三年度第二次補正予算案について質問をいたします。
東日本大震災の発生から早いもので既に四か月余りが経過をいたしましたが、いまだ十万人近い人たちが不自由な避難生活を余儀なくされるなど、大きな困難に直面したままです。
私たちみんなの党は、かねてから早期に三十兆円規模の本格的な補正予算を編成すべきであると主張してきたところであります。
しかし、第一次補正予算の規模は四兆円にとどまり、第二次補正予算案についても、その提出は極めて遅く、しかも財政規模二兆円にも満たないという非常に小規模なものであります。
というのも、先月、総理が唐突に小規模予算の編成を指示したからにほかならず、したがって、この二次補正は全体的に急ごしらえで付け焼き刃的な印象が拭えません。加えて、予算の大半は、必要な事業費の積み上げではなくて、被災地の皆さんが期待している金額、中身とは程遠いものと言わざるを得ません。
そこで、まず、今回の補正予算案がなぜこのタイミングで、しかも二兆円弱という小規模なものになったのか、菅総理にお伺いをいたします。
さらに、この予算案の中身にも幾つもの問題点、疑問点があります。
約二兆円の歳出額のうち、最も大きな割合を占めているのが使途を限定しない復旧・復興予備費の創設に充てる経費で、およそ八千億円です。
しかし、言うまでもなく、この予備費は現段階では具体的な使い道が決まっていない経費であり、なぜ八千億円もの金額を政府内で留保するような予算を編成したんでしょうか。
やはり菅総理の延命という目標がまずあって、拙速に予算編成を行った結果、被災者が真に必要としている歳出項目を整理できなかったというのが実態ではありませんか。
そこで、支出項目が決まっている震災対策費がかくも少額にとどまった理由は何か、また、このような補正予算により実際どの程度の政策効果が期待できるのか、総理にお伺いをいたします。
そもそも予備費というものは、その使途について国会の事前の議決を必要とせず、事後承諾で足りるという点で、財政処理の国会事前議決原則の例外となっているものであります。
なぜこのような例外が予備費に認められているかといえば、当初予期しなかった事態の発生等に対処するためです。
その点、震災発生から既に四か月以上がたち、被害額や対応策がある程度定まった現時点においては、震災対策費は決して予期せぬ事態の発生とは言えず、したがって、八千億円もの予備費を計上することは、国会の事前議決の原則を軽視するものと言わざるを得ません。
そこで、政府にフリーハンドを与えるような巨額の予備費の計上は、財政民主主義の観点から不適切であり、震災の復旧・復興経費はしっかり歳出予算に計上し、国会の審議を経るのが本来の姿と考えますが、野田財務大臣の見解をお伺いをいたします。
次に、増税なき復興とその財源に関してお尋ねをいたします。
この二次補正後できるだけ早急に大規模でかつ本格的な復興予算が必要なのは言うまでもありません。しかし、その際、最大のテーマになるのは財源です。増税で財源を賄おうという案もありますが、これではこれまで十年以上もデフレが続いている我が国経済へのダメージは計り知れません。経済を破壊してしまっては、震災復興も財政再建もあり得ませんし、何より被災者の皆さんにとってもその負担は過重なものになります。
したがって、みんなの党は、御存じのように、かねてから復興財源には政府・民主党のばらまき四Kの撤回、国会議員、国家公務員の人件費の削減、いわゆる埋蔵金のフル活用、そして日銀引受けの国債発行などを提案をしてきましたが、改めて増税なき復興が必要であることを強調したいと存じます。
そこで、本格的な復興予算となる第三次補正予算の編成に当たって、また被災地の本格的な復興に当たって、増税によらない復興を目指すべきであります。総理はどのようにお考えになっておられるか、お尋ねをしたいと存じます。
さらに、今後の復興財源として検討すべきは外貨準備の活用です。
現在、我が国の外貨準備は百十兆円を超えており、日本のような先進国が保有する外貨準備としては大き過ぎるとの指摘があります。しかも、外貨準備の大半は米国債等で運用されており、巨額の外貨準備を保有すれば、それだけ為替変動のリスクを負うことになり、実際既に為替評価損は三十四兆円に上っています。したがって、外貨準備については、中長期的には運用資産の分散とともに、その規模を徐々に縮小していくべきであります。
一方、一年で約十五兆円にも上ると言われている米国債の満期償還分については、その一部だけでも、日本政府又は政府機関に復興ドル債を発行させ、それを外為特会が引き受けることによって、国内で調達した資金を被災地の復旧・復興のために使用できるようにすべきです。他国の財政支援なども大切ですが、日本は現在、国難のただ中にあります。今こそ、そうした資金の一部を自国の復旧・復興にこそ使うべきではないでしょうか。
そこで、復興財源への外貨準備の活用をこの際検討すべきでありますが、中長期的な外貨準備の縮小の必要性と併せ、総理の所見をお伺いをいたします。
続いて、エネルギー政策についてお尋ねします。
夏本番を迎え、政府は今月一日、電力使用制限令を発出いたしました。通常、こういう統制命令を出すのならば、事前に企業の自家発電の余剰電力、いわゆる埋蔵電力をフル活用することを検討するのが当然です。総理は先般、原発に依存しない社会を目指すことを明確にされましたが、だとすれば埋蔵電力の活用なども真剣に考えるべきです。
そういう中、我が党の山内康一代議士が埋蔵電力に関する質問主意書を提出しましたが、政府はその質問主意書に対し、いわゆる埋蔵電力の規模は把握していないと今月五日に答弁しています。しかし、報道によると、経済産業省の松永次官は四日、総理に対し、使えるのは百八十万キロワットと数字を示して説明したものの、総理から再調査を命じられたとのことであります。これが事実だとすれば、一体あの答弁書は何だったんでしょうか。まさしく国会をばかにした答弁書であり、全く内閣の体を成していません。
そこで、埋蔵電力の問題を早急に、しかも徹底的に調査するとともに、埋蔵電力をフル活用すべく、自家用電気工作物の系統への連系を促進するなど、あらゆる支援策を講じるべきでありますが、総理の答弁を求めます。
さて、突然のストレステスト実施表明が大きな混乱を引き起こしました。またまた閣内不一致、政策決定のいいかげんさが指摘されたところです。
今回の原発事故は、原子力安全・保安院と原子力安全委員会のチェックがこれまで不十分だったことが明らかになりました。このため、私どもみんなの党は、国会でもきちんと点検し、必要なら政府から運転停止を命じられる原発緊急点検法案を提唱し、先週、参議院に提出をいたしました。つまり、この法案は、原発の安全性点検をより客観性、信頼性を持ったものにするために、実質的に国会が原発を評価し、場合によれば原発を止めることができるようにするものであります。
そこで、我が党の原発緊急点検法案のように、国会が原発を評価し、止めることができるような制度的裏付けを持ってストレステストを実施すべきではないかと考えますが、総理の所見をお伺いをしたいと思います。
最後に、申し上げます。
この一年余り総理の言動を見聞きしてきましたが、消費税にしても、尖閣問題にしても、そして脱原発依存にしても、常に思い付き、場当たり的な発想、対応の感が否めません。政治家としてどれだけの信念を持って、戦略と覚悟を持って事に当たろうとしているのか、私にはさっぱり分かりません。ただただ、自らの延命ありきだけなのではありませんか。
私の地元は富山県ですが、越中富山といえば薬です。風邪に効く薬、腹痛に効く薬、精力を増強させる薬などいろいろありますが、残念ながら、延命病に取りつかれた人を治す特効薬はありません。したがって、自らの延命病が政治空白を生じさせ、国益を損ない、復興の足を大きく引っ張っていることにお気付きになり、即刻お辞めになるか、それとも、主権者である国民に信を問い、病から解き放ってもらうしかありません。
被災地のために、日本のために、早急にどちらかを決断されることを強く望んで、私の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕