小西洋之の発言 (本会議)

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○小西洋之君 民主党・新緑風会の小西洋之でございます。
 私は、会派を代表して、政府提出の原子力損害賠償支援機構法案について質問をいたします。
 本法案は、いまだに東日本大震災による東京電力原子力発電所事故の確たる収束の見通しが立たない中で、また、それにより多くの方々に多大なる苦難をもたらしている様々な被害の全体像が見通せない中で、東京電力による被害者の方々への完全な損害賠償が迅速になされることを確保するものでなければならない、そのように考えます。
 また、同時に、国民生活のために、そして我が国の経済社会の発展のために東京電力が担っている電力の安定供給という役割の遂行を確保するものでなければならない、そのように考えます。
 他方、この法案が本院に送付されるに当たっては、衆議院で民主、自民、公明の三党から成る修正協議を経て大幅な修正が加えられるとともに、さきに、同じく三党による本院での修正協議が調わず可決されました平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律案、通称仮払い・基金法案の修正案による回付も受けることとなっているところでございます。
 本案とこの仮払い・基金法案の関係は、前者が後者による被害者の方々の救済の資金繰りを担保するという密接不可分の関係にあるところであり、衆議院による仮払い・基金法案の修正内容を拝見すると、これは、私も修正協議の担当者として本院と衆議院の協議の場に臨ませていただいたものでございますが、基本的に本院の修正議論に基づく内容がそのままのものとして成案として得ているものでございます。
 また、こうした国による仮払いの機能の一部としての本案の原子力損害賠償支援機構の役割についても、本案の中に措置されているなど、被害者の救済の確保という同じ目的の実現のために両法律案の連携がしっかりと実現された形となっております。
 この意味で、これらの法律案の修正にかかわられた三党の担当者の方々の多大なる御努力に深く敬意を表させていただきつつ、以下、衆議院における修正も含めた本法案の意義と目的について、その仮払い・基金法案との関係も含め、今後の委員会審議の前提となるべき事項につき、確認をさせていただきます。
 まず、原子力政策を推進してきた国の責任の位置付けについてであります。
 法案第二条においては、修正協議の結果、国の責務として、国は、原子力損害賠償支援機構が法案第一条の目的を達成することができるよう、万全の措置を講ずるものとすると規定されております。
 また、附則第六条一項において、法律の施行後できるだけ早期に、東京電力の賠償の状況や経済金融情勢等を踏まえ、原子力損害の賠償に係る制度における国の責任の在り方について、抜本的な見直しを始めとする必要な措置を講じるとされております。
 未曽有の原子力損害に苦しむ被害者の方々の真の救済の実現という、我が国が言わば国家的な事業として直面しているこの課題について、過去の政権と我が政権が原子力政策を推し進めてきたというその責任、また、原発の設置、運営について安全・保安基準等を定め運用してきたという責任、そしてこれらの責任をどのように評価するか、そしてそれらを将来にどういう状況の下でどのように見直すべきなのか、本案の親法ともいうべき原子力損害の賠償に関する法律との関係をも踏まえ、これらの条文が規定するところの国の責務たる社会的な責任とその抜本的な見直しの内容について、枝野官房長官にお伺いいたします。
 また、仮払い・基金法案においては、国が被害者の前面に立ってその迅速かつ適正な救済を実現するという趣旨でありますが、この仮払い・基金法案によって初めて設けられた国が立替払を行うという法的責務、この法的責務と本案第二条の国の責務との関係についても、併せて答弁を願います。
 次に、本案の修正に当たっては、関係する政党内において、東京電力の株主の関係者にどのような責任を負担させるのかという点が大きな論点になったものと承知しています。
 修正後の本案において、こうした問題がどのように位置付けられ整理されているのか、具体的には、附則第三条二項の、機構が、東京電力の株主その他の利害関係者に対し、必要な協力を求めなければならないという規定及び、同じく附則第六条二項の東京電力の株主その他負担の在り方等を含め、必要な措置を講じるというこの規定が意図するところの内容と、それがなされる条件等について、担当の海江田大臣に明確な御説明を求めます。
 また、これに密接に関係する問題として、被害者への賠償に当たり、まずは東京電力を破綻処理するべきとの意見も一部政党内にあったと承知しているところでございます。
 私は、この度、本院に回付されることとなった仮払い・基金法案を被害者の救済のために機能させるその観点からも、東京電力を破綻処理させるべきというこの見解はこれと相矛盾するものではないかと理解しているところでございますが、機構が被害者の救済の実現のために東京電力の資金繰りを支援するという本案の運用において、将来において東京電力を破綻処理する、あるいは、東京電力が債務超過等により破綻に至るということがあり得ることと想定しているか否かについて、海江田大臣の明快な答弁を求めます。
 また、修正された本案においては、東京電力以外の電力会社が相互扶助の観点から行う負担金について計数上これを別に管理する仕組みが講じられているところでございます。
 この制度の趣旨について、これが東京電力以外の電力会社と今回の賠償の扱いを分断するものなのか、すなわち、東京電力以外の電力会社の負担金は一切この度の原子力損害に係る賠償資金に充てることはできないのか、もしそうであるならば、これは東京電力に債務超過を引き起こす可能性からかえって国民負担を増やすおそれがあると考えますが、海江田大臣の見解を求めます。
 また、この法律の運用に当たっては、五万世帯に上ると報告されております着のみ着のままで避難を余儀なくされている方々、あるいはこれまで積み上げてきた事業の成果や信頼を大きく損なうに至っている事業者の方々など、未曽有の大被害に対する迅速かつ適切な救済を確実なものとするために、法律上、機構が政府に義務付けられている業務の実施状況等の報告について、これを定期に国会にも報告するべきであると考えますが、担当の海江田大臣の御見解を求めます。
 最後に、本案の附則第六条三項においては、我が国のエネルギー政策全体の在り方についての検討を踏まえ、原子力政策における国の責任の在り方等について検討を行い、必要な措置を講じると規定されております。
 我が国のエネルギー政策全体の在り方とその中における原子力発電の位置付けについては、先般、菅総理から表明があり、また、それについて残念ながら具体的な計画性がはっきり見えないなどの一定の批判もあったところでございますが、この度、本案にこうした規定が盛り込まれたことを受けて、いま一度、総理の考える我が国のエネルギー政策全体の在り方の見直しの方向性と、それを政府が進めていくに当たって踏まえなければならない政策立案上またあるいは執行上の観点について、行政府の長としての菅総理大臣の見解をお願いいたします。
 最後に、被害者の一刻も早い完全な救済に向けて、委員会における本案の慎重かつ迅速な審議の運びと、法案成立の暁には機構や関係する機関に対する怠ることのない運営管理の必要を御提案申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 117715254X02920110729_005

発言者: 小西洋之

speaker_id: 27444

日付: 2011-07-29

院: 参議院

会議名: 本会議