松村祥史の発言 (本会議)

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○松村祥史君 自由民主党の松村祥史です。
 私は、ただいま議題となりました原子力損害賠償支援機構法案につきまして、自由民主党を代表して、菅総理並びに海江田大臣に質問いたしますが、法案の具体的な質問に入る前に、政府の対応を含めて一言申し述べたいと思います。
 三月十一日の未曽有の震災により突然生涯を終えなければならなかった方々の御不幸には、ささげさせていただく言葉も見付かりません。また、最愛の家族までも亡くされた方々は、なぜ家族を救ってあげられなかったのか、なぜ自分だけ生き延びてしまったのかと、そのような運命に至った結果を御自身の責任だとして深い悩みの中にいらっしゃいます。政治は今こそ、この方々とともに立ち上がっていかなければならない、そう強く確信し、覚悟を決めるときであると思っております。
 しかるに、このような思いで見れば、政府の復興対策は余りにも遅い、遅過ぎる。復興構想会議に三か月間も丸投げのまま放置し、それを受けた復興基本方針さえもいまだに示されていない、信じられないスピード感であります。総理は、現在の政府の遅過ぎる対応をどうお考えになるのか、スピードアップするためにどのような改善をなされるのか。私は総理がお辞めになることが一番だと考えますが、総理の見解を伺います。
 東京電力による仮払金の支払についても全く同じことが言えます。政府に対する責任が追及されることのないよう、東京電力に丸投げし距離を置くという姿勢が見え見えであります。
 仮払金に対しては、遅い、少ない、分かりにくいという声が現場の被災者の方々から数多く上がっております。先日も福島県の大熊町など四町村の商工会の方々がいらっしゃいました。原発から二十キロ圏内の警戒区域に御自宅がある方々です。その方々のお話では、東京電力からの仮払金は支給までに時間が掛かり、また、せっかく支給された仮払金も手元に届く前に口座から仕入れの返済分を抜かれている、これが現実なんですと訴えられました。これでは、誰のための、何のための仮払金なのか、全く分からないではありませんか。
 そこで、我々は、被害者の方々に迅速かつ十分に賠償が行き届くよう、野党五党が共同して、いわゆる仮払い法案を提出いたしました。この法案は、東京電力の賠償責任は厳しく追及しつつも、国が前面に立つことにより、早期に被害者救済を行おうとするものであります。
 また、事務手続を迅速化し、仮払いの金額も損害賠償額の半分以上という十分な水準を確保しています。さらには、仮払金の差押え、譲渡、担保の禁止といった確実な救済を実現するものであります。成立すれば、発災後初めての野党提出の議員立法となる重要な法案であり、被害者の方々は心待ちにしておられます。
 この仮払い法案は、七月十五日の参議院で可決されました。しかし、民主党の皆さん方は、この法案に反対でありました。その後、衆議院ではほぼ丸のみ状態で修正合意され、本日、衆議院から返ってきたわけですが、今度は一転して賛成するといいます。民主党の考えが変わったということは、党首である菅総理の考えが変わったということにほかなりません。
 そこで、菅総理に伺います。
 野党提出の仮払い法案になぜ当初反対したのか、また、なぜ今回は態度を変え賛成するのか、明確にお答えください。また、当初の反対という判断が間違っていたということをここで認め、被害者の皆様に謝罪すべきと考えますが、いかがでしょうか。見解をお聞かせください。
 また、仮払い法案が成立した後の実際の運用については、どの範囲の方々に幾らの金額をいつまでに支払うのでしょうか。被害者の方が、自分が対象になるか否かはっきり分かるように御説明ください。もし、検討中ということであれば、いつまでに決定をし、発表するのか、明確にお示しください。
 では、本論に入ります。
 我が国は、これまで原子力政策を国策として推進してまいりました。したがって、今回の事故についても、東京電力だけに責任を押し付けるのではなく、当然、国としての責任も明確にすべきであります。我々自民党も、長年政権与党の座にあったわけで、今回の事故に関して責任を痛感しているところであります。
 本法案の審議過程においても、我々の要求を受け入れる形で法案の修正がなされたわけですが、元々の政府案は国には責任はないと言わんばかりのものでした。
 そこで、総理に伺います。
 今回の原発事故に関し、国の責任と東京電力の責任をそれぞれどのようにお考えか、見解をお聞かせください。また、なぜ自らの哲学を変えて国の責任を認めたのか、その理由についてお答えください。
 次に、海江田大臣に伺います。
 衆議院の修正で、国は万全の措置を講ずるとされました。どのような措置を講ずるおつもりか、見解をお聞かせください。
 また、国の責任については、法案の附則で原子力に関する法律の抜本的な見直しを行うとされました。これは、どの法律を想定しているのか、また、どの大臣が見直し作業の責任を持つのか、具体的にお答えください。
 続いて、原子力損害賠償支援機構について伺います。
 我々自民党は、今回の事故の賠償と将来の事故の保険とは分けて考えるべきと主張してまいりました。今回の事故は、東京電力以外の原子力事業者には責任がないわけですから、他の原子力事業者からの負担金を充てるのは、本来筋が違う話です。
 与野党の修正協議により、負担金は事業者ごとに計数を管理するとなり、賠償の実施状況などを見ながら検討し、必要な措置を講ずるとしています。ここは重要な部分ですので、今後、政府が曖昧な文言を盾にごまかすことがないようしっかりと確認させていただきますが、我々自民党はかねてより別勘定にすることを求めてきましたが、事業者ごとに計数を管理すると規定を設けた意味は、将来的に別勘定にすることを意図して今後検討が進められるということでよろしいですか。総理、明確に説明してください。
 また、この法律の施行後早期に見直すとありますが、これは少なくとも何年以内か、総理、明確にお答えください。
 続いて、負担金による電気料金への影響について伺います。
 電気料金については、原発の停止で化石燃料の比率が上がることや、エネルギー価格の高騰などから、今後、上昇が避けられないと考えられます。
 加えて、総理は、突然のストレステストの導入で原子力安全政策の足下を自ら揺さぶり、機能不全に陥らせました。この結果として、当面は原子力発電所から電力供給も期待できなくなり、電気料金の水準どころか、電力の安定供給すらおぼつかないような状況に陥ってきております。
 電力の安定供給に懸念が生じ、電気料金も上昇すれば、国民生活への負担はもちろん、産業の海外流出のおそれが高まるなど、我が国経済にとっては大打撃となるでしょう。法人税や円高問題など様々な対策が遅れる中、各企業が今の日本では世界と戦えないと判断すれば、ちゅうちょなく海外に出ていき、雇用も失われることになるでしょう。
 総理は、衆議院の審議で、各電力会社が支払う一般負担金について、一般負担金は電力料金の原価に含まれ得るが、各社の経営効率化努力により国民負担が極小化されるべきものと答弁されておりますが、具体的な経営効率化の判断基準を国民が納得できるよう総理よりお示しください。
 一方、政府は、衆議院で、東京電力が支払う特別負担金は東京電力の経営合理化努力を通じて捻出されるべきであることから、特別負担金による電気料金の値上げはないと答弁されています。これは、電気料金が上がらない範囲で特別負担金を決めるとも受け取れます。
 そこで、海江田大臣に伺います。
 まず、特別負担金による電気料金の値上げがないことは、法律上どこで担保されているのでしょうか。また、特別負担金が不当に安くならないようにするために東京電力に最低限求める経営合理化の条件は何でしょうか、お答えください。
 次に、我が国のエネルギー政策の根幹について伺います。
 今は被害者の方々への一刻も早い賠償が最優先事項であり、まずは本法案を成立させることが急務でありますが、本来ならば、原子力損害賠償について議論するためには、我が国のエネルギー政策の基本方針、特に原子力発電の位置付けが明確に定まっていなければなりません。原発を将来どうするのかという問題と原発事故の賠償をどうするのかは、切っても切れない関係だからです。
 しかしながら、菅総理は、脱原発依存を記者会見で表明し、批判を受けると、あれは個人の考えだったと弁明するなど、原子力を我が国エネルギー政策上どのように位置付けるのか、政府としての一致した方針を全く示しておりません。総理は、エネルギー基本計画を白紙に戻して考えるとおっしゃいましたが、今は白紙に各閣僚がばらばらに好きなことを書いている状態です。特に総理と海江田大臣は、明らかに違うことを発言しています。しかも、総理は、それをまとめる努力すら放棄しています。まさに閣内不一致ではありませんか。
 そこで、今後のエネルギー政策について、もうすぐお辞めになる総理ではなく、海江田大臣に伺います。エネルギー基本計画の見直しは誰が責任を持って行っているのか、また、いつまでに結論を出すのか、政府の方針をお教えください。
 併せて伺います。総理は先日の予算委員会で、海外への原発輸出をもう一度議論すると発言されました。海江田大臣、これは総理の個人的な考えではなく、政府としての見解ということでよろしいでしょうか。明確にお答えください。
 次に、先週の参議院予算委員会で大きな問題となった総理の外国人献金問題について伺います。
 総理、あなたは、献金を返却した際の領収書をなぜ提出しないのですか。明確にお答えください。また、領収書の日付は何月何日か、お答えください。外国人からの献金は政治資金規正法違反です。総理、あなたは、震災の発生をよいことに、この問題をずっとうやむやにしてきました。
 まず、一般論でお伺いします。内閣総理大臣が政治資金規正法に違反する行為をした場合、辞任すべきか否か、政治家として見解をお聞かせください。
 次に、今回のケースについてお伺いいたします。前原前大臣が辞任して、総理、あなたが辞任しないのはなぜでしょうか。どこに違いがあるのか、総理大臣としてはっきりとお答えください。
 最後に、先日の参議院本会議では、民主党の小見山議員も総理の退陣を求める異例の演説を行いました。いわく、場当たり的な発言、対応はもはや政権の体を成していない、菅総理には潔く御決断をしていただく以外には選択肢はない。与党議員として非常に勇気ある発言だと思います。そして、これは小見山議員のみならず、参議院の総意であると思っております。総理を支えるべき与党議員から厳しい決断を迫られた、総理、あなたの本心をお聞かせください。そしてまた、総理から信用、必要とされずとも一徹に取り組まれておられます海江田大臣におかれましては、座して死を待つのではなく、総理と刺し違えて退陣をするぐらいの覚悟で英断を下されることを切に望みます。
 本法案の修正過程で見られましたように、目的を同じくすれば与野党が協力して事態を打開することはできると思っております。一日も早い復興・復旧、このために参議院が一致団結して打倒菅政権に向けて立ち上がるよう呼びかけまして、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 117715254X02920110729_010

発言者: 松村祥史

speaker_id: 22844

日付: 2011-07-29

院: 参議院

会議名: 本会議