菅直人の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(菅直人君) 山本博司議員の御質問にお答えを申し上げます。
 まず、冷温停止や廃炉に掛かる期間等についての御質問をいただきました。
 事故収束に向けた工程表については、従来は東電が作成してきましたけれども、七月十九日には政府と東京電力が共同で新たな改訂版の工程表を取りまとめました。この中でステップ1、さらにはステップ2、さらにその先の中長期的な展望も既に示しております。ステップ1についてはほぼ予定どおり完了し、ステップ2からさらにステップのその後の展望について述べられております。その中で、冷温停止状態はステップ2で達成を目指している目標であり、政府としても責任を持って取り組んでまいります。廃炉についても、政府としては最後まで責任を持って取り組んでいく覚悟であります。
 詳細については後ほど担当大臣から答弁をさせていただきます。
 次に、牛肉の安全性確保のための対策についての御質問をいただきました。
 汚染された牛肉が市場に出ないようにするため、政府としては、全頭検査を実施する自治体に対し必要な検査を行えるよう対応するとともに、汚染稲わらを食べた牛の肉のうち既に流通している牛肉について、検査の結果、暫定規制値を上回ったものなどを買い上げて処分するといった緊急の対策を決定したところであります。
 また、汚染稲わらが地域的に広がっている福島県及び宮城県については、原子力災害対策本部において出荷制限の指示を行ったところであります。出荷制限の対象となる肉用牛の肥育農家等には、当面の資金繰りとして一定額を損害賠償の立替払として交付することなども決定したところであります。
 今後、生産者、流通業者、関係自治体等と更に連携を深め、安全な食品の流通に遺漏なきようにしてまいりたいと考えております。
 次に、原子力損害賠償の対象について御質問をいただきました。
 今回の原子力発電所の事故により生じる損害については、事故との相当因果関係が認められるものは、原子力損害賠償法に基づき、東京電力により適切な賠償が行われることとなっております。原子力損害賠償紛争審査会の第一次指針では政府等による農林水産物の出荷制限指示等に係る損害、第二次指針ではいわゆる風評被害について、本年四月末までに出荷制限指示等が出されたことがある地域で産出された食用農林水産物に係る損害等が賠償の対象となることとされたところであります。これまでの第一次及び第二次指針の対象に含まれていない被害については、更に事故との相当因果関係について調査検討の上、できるだけ早く中間指針として取りまとめていただきたいと、このように指導しているところであります。
 次に、原賠法の認識と見直し、支援機構法案の賠償スキームの見直し及び支援機構法修正案附則六条についての御質問をいただきました。
 原賠法や原子力損害賠償支援機構法案の賠償スキームの見直しについては、政府としては、まず事態の収束、被害者の救済に全力を挙げるべきであり、その後、同法案の附則にあるとおり、原子力事故の原因等の検証や原子力損害の賠償の実施状況等を踏まえて、国の責任の在り方、紛争を迅速かつ適切に解決するための組織の整備などについて検討を加え、その結果に基づき必要な措置を講じてまいりたいと考えております。
 次に、既に発生した事故に対する負担金の適用について御質問をいただきました。
 今般の支援の枠組みは、巨額の原子力損害について円滑な損害賠償の履行を確保するために必要な金額を、相互扶助の考え方の下、全ての原子力事業者が共同で負担するものであり、既に発生した事故であっても、対応の困難さに直面しているものであれば支援の対象とすることといたしております。
 次に、仮払いの事務体制の整備及び予算措置についての御質問をいただきました。
 政府としては、御指摘の仮払い法案が成立したときは、必要な事項について早急に法律案に規定された政令を定めるとともに、関係省庁が連携して仮払金の支払に係る体制を整備し、迅速かつ適正な支払が行われるよう努めてまいりたいと考えております。
 また、当面必要な経費については、今年度第二次補正予算に計上された東日本大震災復旧・復興予備費の使用や今後編成する第三次補正での計上を視野に適切に対応してまいりたいと考えております。
 次に、マニフェストに関する質問をいただきました。
 マニフェストは国民との約束であり、その多くを既に実施をしている一方で、実現できていない政策もあることは事実であります。その理由につきましては、リーマン・ショック後の景気・雇用対策を含めたマニフェスト以外の政策の実行あるいは税収の大幅な落ち込みなど、歳入歳出両面において要因があります。しかし、財源に関して、当時野党であった限界もあって見通しに関して不十分な点があったことも事実であり、先般も国会の場をお借りして率直に国民の皆様におわびを申し上げました。同時に、東日本大震災の復旧・復興という最大の課題が新たに発生したことを踏まえれば、マニフェストにのみこだわることは国民の求めるところではないと認識をいたしております。
 そして、解散について、信を問うということについて問いがありましたけれども、私は、大多数の国民、特に被災地の皆さんは今解散をしろというふうには思っておられないと思います。まずはこの復旧・復興、そして原子力事故の収束に向けて全力を挙げるのが我が内閣の責務だと、このように考えております。
 以上、答弁とさせていただきます。(拍手)
   〔国務大臣細野豪志君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 117715254X02920110729_015

発言者: 菅直人

speaker_id: 33543

日付: 2011-07-29

院: 参議院

会議名: 本会議