野田佳彦の発言 (本会議)
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○国務大臣(野田佳彦君) 愛知議員から九問の御質問をいただきました。
まず、野党との関係についての御質問にお答えをしたいと思います。
東日本大震災という国難に直面する中、国家国民のために政府が総力を挙げて解決すべき課題は山積をしているのが現状でありますが、現在のいわゆるねじれ国会の下では、与野党での合意、協力なしには法案を成立させ政策を実行することは困難な状況にあります。
こうした状況の下で、与党たる民主党としては、中庸の言葉でありますけれども、至誠は神のごとし、こういう姿勢で野党との信頼・協力関係を築いていくことが必要であると考えております。
続いて、マニフェスト財源についてのお尋ねがございました。
愛知議員の御指摘のとおり、マニフェストでは、財源として、歳出削減や予算の組替え、埋蔵金等の活用、租税特別措置などの見直しの三つを挙げております。
二十二、二十三年度予算編成を振り返りますと、歳出削減等については、事業仕分などにより、二十二年度予算で二・三兆円、二十三年度予算で少なくとも〇・三兆円、計二・六兆円を捻出をいたしました。埋蔵金等については、二十二年度予算で六・三兆円、二十三年度予算で二・七兆円、計九・〇兆円を捻出いたしました。租税特別措置等の見直しについては、二十二年度で一・一兆円、二十三年度で〇・二兆円、計一・三兆円を捻出をいたしました。
以上、合わせますと、若干の重複を考慮しても十兆円を超える財源を捻出をしたというふうに思います。これらの財源は、マニフェスト主要事項の実現に必要な三・六兆円のほか、社会保障費の自然増、年金財源、税収の落ち込みへの対応などにも充てられております。また、埋蔵金は恒久的な財源ではないので、マニフェスト関係予算三・六兆円については歳出削減と税制改正という恒久財源で対応しており、責任ある財政運営に努めてきたところでございます。
今後は、民主、自民、公明の三党間において八月四日や八月九日に歳出見直しに関する合意が図られているものと承知をしており、政府としてもこれらの合意を踏まえ適切に対処してまいりたいと思います。
続いて、マニフェストについての御質問をいただきました。
マニフェスト工程表の平成二十三年度の欄に掲げられている各事業の国費は以下のとおりであります。
子ども手当については、子ども手当二・二兆円を当初予算において措置しております。なお、子ども手当については、第一次補正予算において二・〇兆円に減額するとともに、今般の三党合意に基づき第三次補正予算において一・九兆円程度に減額することとしております。
高校の実質無償化については〇・四兆円を措置しています。年金記録問題への対応については〇・一兆円、医師不足解消などの段階的実施については三百二十一億円、農業の戸別所得補償制度については所要額ベースで〇・九兆円となっています。暫定税率の廃止については、自動車重量税に係る暫定上乗せ分の一定部分の税負担を軽減することにより〇・二兆円を対応しています。高速道路の無料化については、〇・一二兆円を当初予算において措置していますが、第一次補正予算において〇・一兆円を減額しています。雇用対策については、求職者支援制度として百七十三億円を措置しています。
続いて、マニフェストの見直しについての御質問をいただきました。
民主党政権発足以来、歳出歳入両面にわたりマニフェスト項目実施のための財源の確保を図ってきたところであり、今後とも、政策を進めるに当たってはその財源を確保することが重要であることは言うまでもありません。また、マニフェストについては、本来、任期途中での進捗状況等を踏まえた検証を行うべきものと考えており、その上に東日本大震災の発災という新たな事情が生まれたところでもあります。これを踏まえて政策の優先順位を考えることが必要であり、国民の生活が第一というマニフェストの理念は堅持しつつも、現実を踏まえた対応をしていくことが重要であると考えております。
消費税についての御質問をいただきました。
現在の社会保障制度は五十年前に基本的な枠組みができましたが、人口構造の変化など、その後の社会経済情勢の変化に十分対応できていません。また、現在の世代が享受する給付費の多くを後代の負担にツケ回している現状にあります。
そうした状況を踏まえ、社会保障・税一体改革成案においては、社会保障給付の規模に見合った安定財源の確保に向け、まずは二〇一〇年代半ばまでに段階的に消費税率を一〇%まで引き上げ、当面の社会保障改革に係る安定財源を確保することとされているところであります。
安心できる社会保障制度を確立することはどの政権でも避けては通れない課題であり、本年度中に必要な法制上の措置を講ずるべく議論を進めていく覚悟でございます。
続いて、本格復興予算についてのお尋ねがございました。
東日本大震災に際しては、短期的に必要となる救助・復旧事業については、既定の歳出の見直しや剰余金の活用などにより、適時の対応を図ってきたところでございます。
一方、本格的な復旧・復興を実効的に進めるためには、復興期間の設定、必要となる復興施策の洗い出し、復興事業に係る財源の確保なども体系的に行うことが必要であり、こうした観点から、七月末にかけて復興の基本方針を策定をいたしました。
今後は、この復興の基本方針に示された考え方、進め方に沿って所要の財源確保措置を講じた上で、平成二十三年度第三次補正予算を策定していくこととなるものと考えております。
続いて、汚染牛の補償額の根拠についてのお尋ねがございました。
八月五日に農林水産省は、東京電力による賠償を前提に、三か月分の餌代等相当額として肥育牛一頭当たり五万円の立替払の支援のほか、出荷制限されている県において県の畜産関係団体による出荷の適齢期を過ぎた牛の買上げなどを新たに決定、公表しているものと承知をしています。
いずれにせよ、政府等による出荷制限指示等に係る損害については、東京電力福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する第一次指針において東京電力による賠償の対象となることが基本的な考え方として明らかにされており、政府としては、引き続き、東京電力による迅速かつ適切な賠償が行われるよう万全を期してまいりたいと考えております。
続いて、復興のための増税についての御質問をいただきました。
復旧・復興のための財源については、次の世代に負担を先送りすることなく、今を生きる世代全体で連帯して負担を分かち合うことを基本としています。
集中復興期間中の復興・復旧事業に充てる財源については、累次の補正予算等における財源に加え、歳出の削減、国有財産売却のほか、特別会計、公務員人件費等の見直しや更なる税外収入の確保及び時限的な税制措置により確保することとしています。
税制措置については、現在、税制調査会の下に作業チームを設けて検討を進めているところであり、現時点で具体的な内容が決まっているわけではありませんが、復興の基本方針及び復興基本法の規定に基づいて、今後、各党の御意見も虚心坦懐にお伺いしながら検討を進めてまいりたいと考えております。
最後に、円高、株安についてのお尋ねがございました。
最近の為替市場では経済のファンダメンタルズから離れた一方的に偏った円高の動きが見られますが、こうした動きが続くと、日本経済が震災からようやく復興に向かいつつある中、経済、金融の安定に悪影響を及ぼしかねないため、八月四日に為替介入を実施をいたしました。今後とも、市場において投機的な動きがないか、これまで以上に注視し、あらゆる措置を排除せず、必要な場合には断固として行動をしてまいる決意であります。
株価については、様々な要因を背景に市場において決定されるものであり、株価の水準や変動要因等について言及することは差し控えさせていただきますが、株式市場の動向についても、今後も十分注視してまいりたいと考えています。
また、円高による経済の下振れリスクについては、東日本大震災からの復興の基本方針においても、企業立地競争力の強化などの産業空洞化防止策や企業の国際競争力強化のための施策などが盛り込まれており、こうした施策を着実に実行することが円高対策にも資するものと認識をしています。(拍手)
〔国務大臣細川律夫君登壇、拍手〕