海江田万里の発言 (本会議)
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○国務大臣(海江田万里君) 関口昌一議員にお答えをいたします。
まず、軽減措置の対象数と軽減の程度に関する御質問をいただきました。
本修正を盛り込んだ法案が成立した場合、軽減措置の対象となる事業者数や負担軽減総額等については、客観性、透明性、納得性を重視した上で制度設計をすべく、これらについて速やかに実態調査を行ってまいります。このため、現時点では負担軽減措置の対象事業者の数や負担軽減総額などについて明確にお答えすることは困難であります。
次に、産業空洞化対策に関する御質問をいただきました。
震災後の電力需給リスクの高まりに加え、急激な円高等による企業のやむを得ざる海外移転の動きなど、国内の産業を取り巻く状況は厳しさを増しているものと認識しております。このような国内企業の海外移転を最小限に食い止めるために、地域ごとの特性を生かした復興に取り組みつつ、補正予算なども活用し、まず、サプライチェーンや雇用を支える企業の国内立地支援、次いで、今年の冬、来年の夏のピーク不足を見据えた電力供給安定対策、次いで、法人税減税や経済連携の推進などの様々な施策を実施に向けて取り組んでまいります。
次に、福島原発事故の賠償、原発停止に伴う化石燃料比率の上昇等による電気料金値上げの見通しについての御質問をいただきました。
福島原子力発電所事故に伴う賠償額や廃炉費用等の総額は、事故が収束していない現時点で明らかになってはおりません。こうした中で、先般成立した原子力損害賠償支援機構法の枠組みの下、東京電力による損害賠償支払を政府として支援することとしていますが、東京電力が負担をする特別負担金は東京電力の経営合理化努力を通じて捻出されるべきものであることから、特別負担金による料金が値上げされることはございません。一方、全ての電力会社が支払う一般負担金は料金原価に含まれることとなります。
次に、原子力発電所の稼働率が低下し火力を増強すると、発電電力量当たりの発電コストが増加し、電気料金の上昇圧力となります。仮に、全ての原子力発電所が停止し、火力発電によって代替した場合、燃料費の増加は一定の仮定の下でおよそ三兆円と試算されております。
これら一般負担金や燃料費増加に伴う電気料金の値上げは原価の総体的な動向を踏まえた電力会社の経営判断事項であり、現時点では電気料金が幾ら上昇するか確たる見通しはございません。仮に値上げの申請がなされた場合には、政府としてしっかりと審査してまいります。
低廉な価格での電気の供給を達成することは極めて重要であると考えており、今後、エネルギー・環境会議等において電気事業者におけるコスト抑制策、競争促進策についても予断なく議論を行ってまいります。
次に、低所得者への配慮に関する御質問をいただきました。
本制度による賦課金については、再生可能エネルギーの導入が我が国全体としてのエネルギー自給率の向上に貢献し、温室効果ガスの削減にも寄与することに鑑みれば、負担を全国大で広く薄く御負担いただくことが適切であると考えております。
賦課金の負担については、法案第三条第四項にあるとおり、全体として過重なものとならないよう配慮して制度を運用することが重要であると考えております。いわゆる低所得者への配慮に関しましては、国会における御論議を踏まえつつ、制度全体のバランスの中で適切な制度設計に努めてまいります。
次に、集合住宅に設置する太陽光発電に関する御質問をいただきました。
集合住宅の屋根に設置され各戸に供給されるタイプの太陽光発電は、ある程度の規模であっても戸建て住宅に比べ各戸に割り当てられる太陽光の設備容量が小さいため余剰率が低く、余剰電力買取りでは投資回収が困難で投資が進まないため、本法案の施行に際し全量買取りとすることも一案と考えます。実際の執行に当たって、今後検討してまいりたいと思っております。
次に、住宅用太陽光発電を余剰買取りに限定する理由についてお尋ねがありました。
本法案における住宅用太陽光発電の扱いについては、余剰電力買取り制度を継続すべきと考えております。その理由といたしましては、国民負担の総額を抑えることができる、住宅において節電を促すことができるという点とともに、全量買取り制度に移行するとした場合に、各戸での配線変更など制度変更による利用者の混乱を来すおそれがあることなどが挙げられます。
次に、太陽光発電の設置補助に関する御質問をいただきました。
太陽光発電を導入する際の国の補助金については、一昨年の事業仕分において、将来的には固定価格買取り制度へと支援策を集中させるべきとの御指摘を受けたことを踏まえ、固定価格買取り制度による導入支援に集中するとの観点から、事業者向けの補助事業については、平成二十三年度以降、新規案件の採択は行っておりません。
また、将来に関しては、今後のエネルギー政策を見直していく中で、再生可能エネルギーの位置付けや導入の実施を踏まえつつ、固定価格買取り制度以外の政策措置の是非あるいは組合せ方につき議論してまいりたいと考えております。
次に、国内太陽光パネル市場での日本企業の競争力に関する御質問をいただきました。
日本企業の競争力維持強化のための対策については、例えば買取り対象を継続的に一定以上の効率で発電できるような設備からの電気に限定することが考えられます。また、低コスト化、変換効率や性能の向上、長寿化を目指した研究開発支援を行うことを通じ、我が国の企業の競争力が高まり、国内の市場において多くの日本製品が利用されることを期待しております。
次に、太陽光パネル等の再生可能エネルギー発電設備のリサイクルシステムに関する御質問をいただきました。
太陽光パネルに関しては、平成二十二年度に有識者や関連企業、団体で構成された検討委員会を開催し、リサイクルシステム構築に係る手法等について検討を行ってきたところであります。今後は、この検討結果を基に、ガイドラインを本年度末をめどに策定する予定であり、これの関係事業者への周知を図るなど、必要な対策を講じてまいりたいと思っております。
太陽光パネル以外に関しては、本買取り制度の導入等による今後の導入件数拡大を踏まえ、検討を行うこととしたいと考えております。
次に、再生可能エネルギーによる発電事業への参入に関する規制緩和や権利調整に関する御質問をいただきました。
風力発電や地熱発電など、再生可能エネルギーの種類によっては土地利用に関する規制等が理由で導入が進まない事例があることは承知をしております。再生可能エネルギーの導入を一層拡大するためには、本法案による固定価格買取り制度の導入に加えて、各種規制の見直しや円滑な権利調整の在り方についての検討を行うことが必要であります。
先般、七月二十二日、閣議決定いたしました規制・制度改革に係る追加方針において、森林地域等の立地規制の見直しについて盛り込まれたところでありますが、今後、政府一丸となってこうした取組を一層進めてまいります。
次に、将来的な原子力発電と再生可能エネルギーの割合に関する御質問をいただきました。
七月二十九日に取りまとめた革新的エネルギー・環境戦略策定に向けた中間的な整理においては、原子力発電について、より安全性を高めて活用しながら依存度を引き下げていくこと、再生可能エネルギーについてはその比率を高めていくことなどの原則を示しております。こうした原則を踏まえ、原子力発電に電力供給の過半を依存するとしてきた現行のエネルギー基本計画を抜本的に見直すこととしております。将来的なエネルギーベストミックスの姿については、来年のしかるべき時期の具体化に向けて検討してまいります。
次に、スマートグリッドや蓄電池などの技術開発に関する御質問をいただきました。
議員御指摘のとおり、再生可能エネルギーの普及にとって、スマートグリッド、蓄電池の技術開発が極めて重要であります。スマートグリッドにつきましては、これまで経済産業省としては国内の四地域において実証事業を行い、技術とビジネスモデルの確立に努めているところでございます。また、蓄電池については、産学官連携の下、二〇二〇年には蓄電池容量を二〇〇六年比三倍、コストを十分の一とするなどの目標を持って、リチウムイオン電池等の高性能化や低価格化に向けた技術開発を行っているところであります。
再生可能エネルギー設備の導入拡大を図るためには、固定価格買取り制度の導入による発電コストの低減とともに、こうした革新的技術開発等を支援していくことは極めて重要であると考えております。
次に、全ての原子力発電所が停止した場合における我が国の経済や国民生活に与える影響及び電力不足解消に必要な時間と費用に関する御質問をいただきました。
七月のエネルギー・環境会議取りまとめにおいて、原子力発電所が再起動しない場合、電力需給の予備率は電力九社合計で今年の冬がマイナスの〇・七%、来年の夏でマイナスの九・二%の見直しとなり、仮に火力発電で代替した場合、三兆円を超える追加的な燃料コストが生じ、約二割の電力コストが上昇するとなっております。また、こうした電力コスト増は、産業連関を通じて中間生産物の生産コストを押し上げることにより、およそ七兆六千億円の生産コスト上昇につながると考えられます。
こうした電力不足と電力コスト上昇のリスクを回避するため、エネルギー・環境会議が取りまとめた当面のエネルギー需給安定策においては、一つ、省エネなどの需要構造改革、二つ、あらゆる主体の電力供給への参加を促す供給構造改革、三つ、供給構造改革を支える電力システム改革、四つ、原子力発電所の安全対策を重点的に加速することとしております。
今後、施策の具体化を進め、必要な予算や制度改革について議論してまいります。
次に、二〇二〇年にCO2の二五%削減を達成するために電力部門で必要となるCO2削減の割合及びその目標達成のための電力構成に関する御質問をいただきました。
電力部門で必要となるCO2削減の割合を含め、二五%削減をどのように達成できるかについては、今後のエネルギー政策の見直し、環境と経済の両立、産業の国際競争力、雇用や国民生活への影響といった観点や国際交渉の状況も十分に踏まえつつ、国民の皆様の御意見をよく伺いながら、今後、十分に検討する必要があります。
地球温暖化対策も含む今後の電源構成の在り方については、先般、エネルギー・環境会議において取りまとめられた革新的なエネルギー・環境戦略策定に向けた中間的な整理を出発点として、エネルギー政策の在り方を議論する中でベストミックスを検討してまいります。
次に、発送配電の分離や東西の周波数統一など、今後、政府としてどのように取り組むかとの御質問をいただきました。
七月二十九日、エネルギー・環境会議において、発送配電の分離や地域間連系強化等を含む電力システムの在り方を今後の検討課題とした革新的エネルギー・環境戦略策定に向けた中間的な整理が取りまとめられました。
今後、この中間的な整理を出発点として、電力の安定供給とコスト低減などの観点から幅広く御意見をお聞きしながら、電力システムの在り方について議論を深めてまいりたいと思っております。
お答えは以上でございます。(拍手)
〔国務大臣江田五月君登壇、拍手〕