海江田万里の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○国務大臣(海江田万里君) 魚住裕一郎議員にお答えいたします。
まず、セーフティーネット保証五号の適用期間を延長し、セーフティーネット貸付・保証の対象要件を拡大すべきとの御質問をいただきました。
セーフティーネット保証五号につきましては、本年度上半期は四十八業種を対象として実施する予定でありましたが、未曽有の大震災の発生等を踏まえ、原則全業種である八十二業種を対象とすることとしております。そして、本年十月以降のセーフティーネット保証五号の対象業種の取扱いや円高の影響を踏まえたセーフティーネット貸付・保証の対象要件の見直しについては、現在状況を見極めつつ検討しているところでございます。
ただ、いずれにしましても、十月以降も中小企業の資金ニーズに応じた必要な資金繰り支援の実施にはしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
次に、中小企業に損失が生じている通貨デリバティブ取引につき金融ADRの活用を促すべきとの御質問をいただきました。
中小企業が通貨デリバティブ取引を通じ円高の中で損失を抱え、倒産する事例も生じているとの実態は把握をしております。経済産業省では、全国九百八十七か所に円高対策特別窓口を設置し、円高に関する相談にきめ細かく対応しておりますが、こうした金融問題については専門知識を有する関係機関と連携しつつ対応を行うこととしております。特に御指摘の金融ADRの活用につきましては、監督官庁であります金融庁とも連携し、しっかりと対応をしてまいります。
次に、節電エコポイントを創設すべきとの御質問をいただきました。
これまでに実施しました家電エコポイント制度については、環境対策、景気対策、地デジ普及の観点から行ったものであり、実施時の状況に照らすと相応の効果を上げたものと理解をしております。そして、家電エコポイント制度では、一件当たりの事務処理コストがかさむといった課題がございますので、今後、家庭における節電を一層進めるためにどのような方策が効果的か検討してまいります。
次に、省エネ投資促進及び蓄電池システムの導入促進のための具体的施策に関する御質問をいただきました。
エネルギー安定供給の確保と地球温暖化対策への対応、経済成長を牽引する観点から、省エネ投資の促進や蓄電池の導入促進を図ることは極めて重要だと考えています。
省エネ投資の促進については、これまでも省エネ効果の高い設備の導入促進補助、優遇税制、省エネ技術に関する研究開発支援といった様々な施策を進めてまいりました。引き続きこういった取組を行ってまいります。特に、家庭、企業等への蓄電池の導入については、電力のピークカット効果及び停電時のバックアップ電源としての効果が期待されており、エネルギー政策上重要な政策課題と認識をしております。
いずれにしましても、今後とも様々な施策を総動員して、企業、家庭が行う省エネルギー、蓄エネルギーの取組を積極的に支援をしてまいります。
次いで、大型発電所基幹型発電体制の見直しの方向性についての御質問をいただきました。
七月二十九日のエネルギー・環境会議で取りまとめられた革新的エネルギー・環境戦略策定に向けた中間的な整理における基本理念の中で、現在の集権型エネルギーシステムの改良ではなく、分散型の新たなエネルギーシステムを目指すことが原則の一つとして示されております。
この基本理念にのっとり、戦略を具体化するため、短期から長期までの優先課題が示されております。
具体的には、短期的には自家発電や再生可能エネルギー等の多様な電源の参入加速に向けた制度整備、中期的には送配電システムの機能強化の完成、長期的には多様な事業者と需要家が参加する安定的で効率的、環境性とリスク対応力に優れた新たなエネルギーシステムの定着などであります。望ましい電力事業形態の在り方について国民各層より幅広く御意見をお聞きしながら、予断なく議論を進めてまいります。
次に、買取り価格決定の透明性確保に向けた修正に関する御質問をいただきました。
本法案の原案においては、買取り価格を再生可能エネルギー電気の供給が効率的に実施される場合に通常必要と認められる費用等をベースとし、なおかつ国民の負担が過重にならないよう配慮して決定する旨規定されておりました。さらに、公開される審議会の意見を聞いたり、パブリックコメントを実施することで透明性を確保することとしており、買取り価格の決定透明性確保に十分配慮をしていたものであります。
これに対し、本法案の衆議院における修正において、買取り価格・期間の決定の際に第三者委員会の意見を聞くことや関係大臣に協議すること、国会への報告等を行うことが追加されたことは透明性をより高めるとの観点から行われたものと認識しており、基本的な方向性に間違いはないものと考えています。
いずれにしましても、修正後の法案が参議院での御審議を経て成立する場合には、修正の趣旨を踏まえ適切な運用を行ってまいりたいと考えております。
次に、系統安定化費用の国民への分かりやすい説明についての御質問をいただきました。
系統安定化に係る費用については、例えば太陽光発電が二〇二〇年までに二千八百万キロワット導入された場合の二〇二〇年における負担額は、出力抑制の程度により、例えば年間三十日間出力抑制が行われた場合は二千百億円、それから年間出力の抑制なしの場合はおよそ三兆一千八百億円と試算されております。今後、再生可能エネルギーの導入状況を踏まえつつ、具体的な費用負担について分かりやすく説明してまいります。
この費用は、通常電力会社が不断に行っている系統安定化対策の費用と明確に切り分けることが困難でありまして、電気料金の原価に含まれることとしております。仮に電力会社から料金値上げ認可申請が出された場合には、最大限の経営効率化努力を当然の前提としつつ、厳格に審査を行ってまいります。
次に、今後の電気料金負担の全体像の明確化、将来のエネルギー政策についての御質問をいただきました。
本法案による負担額は、政府の原案においては、二〇二〇年度においてサーチャージ単価にするとキロワット当たり〇・五円、日本全体での負担額は四千九百億円程度になると想定をしておりました。しかし、衆議院において本法案に対する様々な修正が行われ、調達価格等算定委員会による買取り価格の検討などが盛り込まれたことにより、この買取り額が上昇する可能性があると考えています。
次に、福島原子力発電所事故に伴う賠償額や廃炉費用等の総額は、事故が収束していない現時点においては明らかになっておりません。
こうした中で、先般成立した原子力損害賠償支援機構法の枠組みの下、東京電力が支払う特別負担金は東京電力の経営合理化努力を通じて捻出されるべきものであることから、料金が値上げされることはありません。
一方で、全ての電力会社が支払う一般負担金は料金原価に含まれます。また、仮に全ての原子力発電所が停止し火力発電によって代替した場合、燃料費の増額は一定の仮定の下で三兆円と試算されております。これら一般負担金や燃料費増加に伴う電気料金の値上げは原価の総体的な動向を踏まえた電力会社の経営判断事項であり、現時点で電気料金が上昇するかどうか確たる見通しはございません。仮に値上げの申請がなされた場合には、経済産業大臣としてしっかりと審査をしてまいります。
低廉な価格での電気の供給を達成することは極めて重要であると考えており、今後、電気事業におけるコスト削減策、競争促進策含め、エネルギー政策全般についても予断なく議論を行ってまいります。
次に、低所得者への配慮に関する御質問をいただきました。
本制度による賦課金については、再生可能エネルギーの導入が我が国全体としてのエネルギー自給率の向上に貢献することに鑑みれば、負担を全国大で幅広く、広く薄く御負担いただくことが適切であると考えております。
他方、法案第三条第四項が「賦課金の負担が電気の使用者に対して過重なものとならないよう配慮しなければならない。」と規定しており、低所得者についても、買取り価格や買取り期間の機動的な見直しなどにより賦課金による負担が重くなり過ぎないよう、制度運用には細心の注意を払ってまいります。
最後に、電力多消費産業への配慮に関する修正に対する見解について御質問をいただきました。
電力多消費産業への配慮については、一つ、対象の線引きをいかに行うか、二つ、軽減対象外となった方の納得感をいかにして得るかという点が最も大きな課題であると認識をしています。
このため、衆議院において修正された電力多消費事業者への賦課金の軽減措置については、客観性と透明性を持った形で軽減対象の決定ができ、かつ軽減対象とならなかった方々も納得感を得られる運用が可能となるよう、個々の判断基準を極力明確化することが必要だと考えます。こうした点について、国会での審議が尽くされることを期待をしております。
以上でございます。(拍手)
〔国務大臣枝野幸男君登壇、拍手〕