野田佳彦の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(野田佳彦君) 公明党の井上幹事長の御質問にお答えをいたします。
まず最初に、枝野経産大臣の任命について御質問をいただきました。
枝野経産大臣は、先般まで官房長官の要職にあり、特に、三月十一日以降、震災復旧復興にとどまらず、原発事故収束の問題にも非常に深く携わってこられました。今回、その経験と教訓を生かしていただくことは本格的な復旧復興を急ぐための即戦力であると期待をしており、適材適所の人選と考えておる次第であります。
次に、野田内閣、予算委員会に関する御質問をいただきました。
我が内閣が、体制が不十分あるいは不完全な内閣との認識は持っておりません。政府としては、大震災復興、原発事故収束と被災者支援のための第三次補正予算の速やかな編成の準備を進めていきたいと考えております。
また、国会の日程等については、国会で、各党各会派の御議論に基づき、ルールにのっとり決定されるものと理解をしております。
三党合意についての御質問をいただきました。
民主、自民、公明の三党間では、八月四日に政調会長レベルで「子どもに対する手当の制度のあり方について」を、また、八月九日には幹事長レベルで「確認書」を取り交わしております。
私は、民主党代表に選出をされた翌日、組閣を行う前に、自民、公明、それぞれの総裁、代表と党首会談を行わさせていただき、その場で、三党合意について、私が約束したのだから、ぜひ信頼をしてくださいと申し上げました。
三党の合意、確認については、誠実に履行をしてまいりたいと思います。
現在、来年度予算の概算要求基準を政府内で取りまとめている最中でありますけれども、高速道路無料化については、三党合意にのっとって、概算要求に計上しないこととしております。高校無償化、農業戸別所得補償、子供に対する手当についても、同様に、三党の合意に沿って検討を進めてまいりたいと考えております。
私個人にかかわる団体の寄附等に関する御質問をいただきました。
私個人の政治資金にかかわる問題については、例えば、脱税企業との御指摘の法人に関しては、これまで国会答弁等でお答えをしてきましたとおりであり、既に返金をしております。また、最近御指摘をいただいた外国籍の方からの寄附問題に関しては、誠実に対応していきたいと考えており、現在、専門家にも御協力をいただき、調査をさせていただいております。結果が出ましたら、改めて御報告をいたしたいと考えております。
菅前総理の政治資金に関する御質問もいただきました。
政治家個人としての政治資金の問題に関しては、政治家それぞれが説明し適正な措置を講じるべきものであり、菅前総理も、国会答弁等で説明するべきはされ、政治資金収支報告書にも記載されていると理解をしており、党として調査をする必要はないと考えております。
前政権における震災対応についてのお尋ねがございました。
これまでにも、政府は、地方自治体とも協力して、仮設住宅の建設、瓦れき撤去、被災者の生活支援など、復旧作業に全力を挙げてまいりました。
発災当初から比べれば、かなり進展してきていることも事実でありますけれども、迅速さに欠け、必要な方に支援の手が行き届いていないという御指摘もいただいております。
さまざまな御指摘を真摯に受けとめ、震災からの復旧復興、そして原発事故の収束という眼前の課題を着実に解決していく覚悟であり、そのための第三次補正予算の編成、自治体にとって使い勝手のよい交付金や復興特区制度なども早急に具体化してまいります。
公明党を初め各党の皆様にも御協力をいただきますようにお願い申し上げます。
次に、三次補正予算のスケジュールについてのお尋ねがございました。
一刻も早い被災地の復旧復興に向け、今後、財源も含め調整を図り、なるべく早く三次補正予算の内容を固めてまいります。その際に、御党の御提言も参考にさせていただきたいと考えております。
復興庁についてのお尋ねがございました。
被災地の要望をしっかりと受けとめ、復興を加速していくためには、省庁の枠組みを超えて、被災自治体の要望にワンストップで対応できるよう、復興庁を設置することが重要と考えております。そのために必要な法案を早急に国会に提出いたします。
復興特区制度の早期創設についても御質問をいただきました。
地域における創意工夫を生かした復興を図るため、規制、制度の特例措置、税財政、金融上の支援措置を講ずる復興特区に関する制度については、可能な限り早期に実行に移せるよう、必要な法案を早急に国会に提出いたします。
福島県の地域再生における認識についてのお尋ねがございました。
福島の再生なくして日本の信頼回復はありません。国が、この原発事故と大震災がもたらした国難に全力で立ち向かうのは当然でございます。
私は、福島の方々が抱くふるさとへの思いや将来像を大切にし、福島の再生を確信できるよう、国の責任として、全力で支援をしてまいります。
福島県再生のための特別法及び福島復興再生基金等についてのお尋ねがございました。
原子力災害からの復興については、復興の基本方針において、「長期的視点から、国が継続して、責任を持って再生・復興に取り組む」と記載されているように、福島の復興に国を挙げて取り組んでまいります。
特別法の制定及び福島再生のための基金については、八日に佐藤福島県知事を訪問した際に、御要望を直接賜りました。
特別法については、福島県の御要望を踏まえ、なるべく早い時期に対応できるよう、速やかに検討を行ってまいります。
また、福島の復興のための財政支援については、現在、第三次補正予算案の中で検討中であり、あわせて基金についても検討を行わせているところでございます。
続いて、東京電力の損害賠償に関する御質問をいただきました。
政府としては、今回の原発事故により被害を受けたすべての方々が、その損害額すべてについて迅速かつ適切に賠償が受けられることが何よりも重要であると考えております。
この中で、牛肉の放射性セシウム汚染に対する賠償に関する具体的な算定基準等については、東京電力で調整中と承知しています。引き続き、東京電力において速やかな対応が図られるよう、しっかりと促してまいります。
また、政府等の指示によらない自主避難の取り扱いについては、原子力損害賠償紛争審査会において改めて検討されることと承知をしています。
賠償の支払い方法については、東京電力に対して、請求手続の簡素化や被害実態に即した賠償の支払いがなされるよう、着実に促してまいりたいと思います。
また、国においても、原子力損害賠償支援機構を通じた賠償支援及び当事者間の和解交渉の仲介体制の整備などを通じ、適切かつ迅速な賠償を促進してまいります。
次に、放射性物質による汚染の対処に関する御質問をいただきました。
住民の方々の不安を取り除くとともに、復興の取り組みを加速するためにも、汚染された廃棄物の処理や土壌等の除去は喫緊の課題でございます。
さきの国会で成立した放射性物質環境汚染対処特措法については、まずは基本方針の閣議決定と基準等の策定を急ぎ、あわせて除染技術や体制の整備を行うことで、来年一月一日の全面施行に向けて万全を期してまいります。
また、汚染された廃棄物や除染後に出る土壌を保管、処分するための安全な施設の確保については、国が責任を持ってロードマップを作成し、公表したいと考えております。
特措法に基づく除染等の措置については、東京電力の負担のもとに措置を実施するという基本原則も踏まえつつ、政府として、緊急的に必要な財政的な措置を図ってまいります。まずは予備費で約二千二百億円の費用を計上しましたが、引き続き、第三次補正、また来年度通常予算においても、必要な予算を確保し、迅速な除染に努めてまいります。
エネルギー政策の検討のあり方についてのお尋ねがございました。
七月にエネルギー・環境会議で決定した中間的な整理においては、基本的な論点を示したところでございます。こうした中間的な整理を通じて国民各層の幅広い意見をいただき、そうした国民各層の御意見を踏まえて、来年夏を目途に、革新的エネルギー・環境戦略の策定を行ってまいります。
エネルギー基本計画については、白紙から抜本的に見直し、新しい戦略と計画を打ち出すこととしておりますが、その際、総合資源エネルギー調査会の委員に、これまでの政策に批判的な方の委員の数をふやすなど、できる限りオープンでバランスのとれた議論ができるよう見直しを行うとともに、幅広く国民各層の御意見をいただく場を持ちながら検討を進めてまいります。
原子力政策の基本的な方向性に関する御質問もいただきました。
原子力発電については、脱原発と推進という二項対立でとらえるのではなく、中長期的には、原発への依存度を可能な限り引き下げていくという方向性を目指すべきと考えております。
また、現状では、原子力発電所の新増設は困難だと考えます。他方、建設中の原子力発電所等については、進捗状況もさまざまであり、個々の状況をしっかりと踏まえ、立地地域の方々の御意見も踏まえながら、個別の事案に応じて検討していく必要があると考えております。
核燃料サイクルについては、エネルギー・環境会議において、原子力政策の徹底検証を行い、新たな姿を追求すると整理されており、今後の原子力政策の見直しを議論していく中でしっかりと議論を行ってまいりたいと思います。
原子力安全庁についてのお尋ねがございました。
今般の原子力事故対応の反省点を踏まえるならば、大規模な原子力事故に際しては、政府の総力を結集して俊敏に対応することが何よりも重要であります。
そのための体制としては、内閣から独立した合議制の委員会形式ではなく、内閣の責任のもとで、迅速な意思決定が行われ、適切に危機管理対応が行われる組織形態が適切であると認識をしております。
省エネルギーの今後の目標と促進策についてのお尋ねがございました。
我が国は、これまで、官民を挙げた省エネルギーの取り組みにより、世界最高水準のエネルギー効率を実現してまいりました。震災後のエネルギーを取り巻く状況の変化を踏まえ、省エネルギーの推進が一層重要になったと認識をしております。
省エネルギーの具体的な目標については、今後、エネルギー政策全体を議論していく中で検討を進めてまいりますが、世界最先端のモデルを構築すべく、省エネ設備、機器の導入支援、技術開発等、さまざまな政策を一段と強化してまいります。
再生可能エネルギーの目標についての御質問をいただきました。
再生可能エネルギーの導入拡大については、さまざまな御意見をお伺いしながら、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。このため、再生可能エネルギーの導入拡大に向けて、固定価格買い取り制度の導入に加え、規制・制度改革や研究開発など政策を総動員して取り組んでおり、今後とも最大限の努力を重ねてまいります。
二〇二〇年二五%削減目標についての御質問をいただきました。
エネルギー政策見直しの際には、エネルギー政策基本法にも規定されている地球温暖化の防止の観点も踏まえつつ、国民が安心できる中長期的なエネルギー構成のあり方を検討していく必要があると考えております。
なお、現時点では、すべての主要国が参加する公平かつ実効性のある国際的枠組みの構築と、意欲的な目標の合意を前提とした温室効果ガス二五%削減目標を変更しているものではありません。
地球温暖化問題については、地球規模での解決にどう貢献できるのかについて、引き続き、真剣に考え、知恵を絞ってまいりたいと思います。
年金制度改革と消費税率の引き上げについての御質問をいただきました。
社会保障・税一体改革成案においては、年金制度の改善や子育て支援の充実などの当面の社会保障改革に係る安定財源の確保と財政健全化の同時達成を図るため、消費税率を二〇一〇年代半ばまでに段階的に一〇%まで引き上げることとしております。
この一体改革の議論の過程において、民主党は、将来の社会保障のあり方について「「あるべき社会保障」の実現に向けて」と題する取りまとめを行い、これを政府に提言いたしました。
御指摘の年金制度改革については、提言の中で新制度の骨格が示されておりますし、マニフェストでは、平成二十五年度に新たな制度の決定をお約束しております。
今回の成案では、新しい年金制度の創設について、国民的な合意に向けた議論や環境整備を進めてその実現に取り組むこととしており、今後、政府内でも検討を進めていきたいと考えております。
一方で、制度の抜本改革を実現するための番号制度の導入等に時間がかかることから、成案は、まず現行制度の改善に重点を置くという観点から取りまとめを行ったところでございます。
社会保障と税の一体改革の協議についてのお尋ねがございました。
本年六月の政府・与党社会保障改革検討本部において成案を決定するに当たり、政府はもとより、連立与党としても、この成案をもとに各党協議を進めることについて、了承が得られております。
社会保障と税の一体改革は、どの内閣であっても先送りできない課題でございます。成案が御党の御主張と重なる部分が数多いことは、私も承知をしております。国民にとってよりよい案を取りまとめ、その実行を確実にするためにも、御党の御協力を賜りたいと考えております。
農家の戸別所得補償制度についてのお尋ねがございました。
戸別所得補償制度は、全国一律単価としているため、農地の集積や集落営農の組織化によりコストダウンを図った場合には所得が増加する仕組みであり、規模拡大を誘導する効果を有しています。また、本年度から規模拡大加算を新たに導入していますが、本制度に対する農業者の方々の評価は高く、昨年度を上回る加入をいただいております。
引き続き本制度の着実な実施を進めるとともに、今回の三党合意を踏まえ、今後、平成二十四年度以降の本制度のあり方について、政策効果の検証をもとに、必要な見直しを検討してまいります。
TPPについての御質問をいただきました。
世界経済の成長を取り込み産業空洞化を防止していくためには、国と国との結びつきを経済面で強化する経済連携の取り組みを欠かすことはできません。
このため、包括的経済連携に関する基本方針に基づき、高いレベルの経済連携協定の締結を戦略的に追求してまいります。
TPP協定については、随時、関係国との間で情報収集や協議を行ってきております。その結果得られた情報については、国益を確保する観点からさまざまな検討、分析を行うとともに、国民の理解を深めるため、可能な限り説明に努めてきており、今後とも努めていく考えでございます。
八月十五日に閣議決定をいたしました政策推進の全体像にあるような広範な視点も踏まえて、TPP協定への交渉参加について、しっかりと議論をし、できるだけ早期に結論を出したいと考えております。
戸別所得補償制度は、農業が食料の安定供給や多面的機能の維持という重要な役割を担っていることを評価し、意欲ある農業者が農業を持続できる環境を整えることを目的とする制度であり、貿易自由化のために実施しているものではございません。
以上、御質問にお答えをさせていただきました。ありがとうございました。(拍手)
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