野田佳彦の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(野田佳彦君) 社民党の重野幹事長から御質問をいただきました。順次御答弁申し上げます。
まず、〇九年政策合意と政党間協議についてのお尋ねがございました。
〇九年の三党政策合意については、連立与党である国民新党との間でも、これを尊重していくことを確認しております。
労働者派遣法改正案、郵政改革関連三法案につきましては、野田内閣においても、その速やかな成立に向けて誠実に取り組む決意でございます。
なお、予算や法案に関しては、国会審議を通じ、また政党間協議において、各政党の建設的な御意見、御提案に対し誠実に耳を傾けてまいりたいと考えております。
被災地の雇用対策についてのお尋ねがございました。
先日も、被災地の厳しい雇用情勢を伺い、雇用なくして被災地の再生はないと強く実感したところでございます。
今後、本格的な安定雇用を生み出すため、これまでの「日本はひとつ」しごとプロジェクトの推進に加え、第三次補正予算に向けて、産業政策と一体となった雇用面での支援や、若者、女性、高齢者、障害者の雇用機会の確保について検討してまいります。
株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法案早期成立についての御質問をいただきました。
政府としては、六月十七日に決定した政府の対応方針などに基づき、農林漁業者も含めた被災事業者を支援し、債権の買い取り等を行う産業復興機構を県ごとに設立することとしております。
現在、県や地域金融機関と、産業復興機構を早急に設立すべく精力的に調整をしているところでございます。
なお、株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法案については、現在審議中であり、与野党間においても引き続き協議が続けられているものと承知しておりますが、いずれにせよ、政府としては、二重債務問題に対する対応を迅速に進めてまいります。
被災鉄道復旧のための補助制度拡充及び交通基本法案の早期成立についてのお尋ねがございました。
鉄道は国民生活や経済活動を支える基盤的な社会インフラであり、その復旧は極めて重要な課題でありますが、津波により甚大な被害を受けた沿岸部の路線については、復旧に至っていない区間が残っているものと承知をしております。
今般の東日本大震災により被害を受けた三陸鉄道等の三セク鉄道の復旧については、被害実態、事業者の経営状況等も踏まえ、必要な支援策について三次補正予算に盛り込むべく検討しているところでございます。
また、交通基本法案につきましては、地域における公共交通の維持、確保などの課題に対する取り組みを推進するためのものであり、早期に成立させていただきたいと考えております。
原発事故の原因と事故の収束についてのお尋ねがございました。
福島においていまだに厳しい避難生活をされている方や、県外も含めて風評被害に苦しんでおられる方が数多くいらっしゃることについて、大変申しわけなく思っております。
今回のような事故をあらかじめ想定し、十分な対策を準備できなかったことは事実でございます。この点を真摯に反省し、原発事故が再発することのないよう、事故原因を究明し、情報公開と予防策を徹底してまいります。
さらに、原子力安全規制の組織体制を見直し原子力安全庁を創設するとともに、事故原因の徹底的な検証を踏まえつつ原子力安全規制を抜本的に強化するなど、世界最高水準の安全性を確保すべく取り組んでまいります。
事故の収束は、国家として責任を持って取り組むことは当然ではありますが、世界の英知を集め、技術的な課題も乗り越えなければならない、国家の挑戦でもあります。
放射性物質による汚染への対処に関する御質問をいただきました。
児玉教授の四つの緊急提案も含め、放射性物質による汚染への対処に関しては、各分野の専門家から貴重な御指摘をいただいているものと承知をしています。
また、分野横断的な専門家の結集に関しても、当然しっかりと対応していかなければならない問題だと考えております。このため、内閣官房に、各分野の専門家から成る放射性物質汚染対策顧問会議を設置したところでございます。
今後、こういった会議体などを通じて必要な知見を求め、適切に検査や除染が進むよう万全を期してまいります。
農畜産物、水産物の放射能汚染への対応についての御質問もいただきました。
食品の放射能汚染の検査については、地方自治体における検査機器の整備を支援するとともに、政府の各機関でも検査機器を整備し地方自治体からの依頼に対応するほか、国みずからも流通段階の買い上げ調査を実施しているところでございます。
また、事故後速やかに暫定規制値を設定し、これを超える農畜産物等は市場に流通しないように努めております。
今後、暫定規制値にかわる新たな規制値を設定し、さらなる安全の確保を図ってまいります。
被曝者の健康管理と医療費の無料化についての御提案、御質問がございました。
まず、福島県民の皆様の健康状況を長期間にわたり継続的に把握していくことが重要であることから、現在、県が主体となって県民健康管理調査が実施をされております。
政府としては、この調査が長期間にわたり安定的に実施できるよう、平成二十三年度二次補正予算において九百六十二億円の予算を措置するとともに、放射線医学総合研究所等を通じて技術的な支援も行っております。
今後、福島県民にどのような健康支援を行っていくかを考える上でも、まずは県民健康管理調査を実施し、実情をしっかりと把握することが重要と考えております。
エネルギー政策見直しについての御質問をいただきました。
原子力発電については、脱原発と推進という二項対立でとらえるのではなく、中長期的には、原発への依存度を可能な限り引き下げていくという方向性を目指すべきと考えます。
今後、自然エネルギーの普及も含め、国民が安心できる中長期的なエネルギー構成のあり方について、幅広く国民各層の御意見を伺いながら、エネルギー・環境会議を中心に、冷静に検討してまいります。
原子力発電所の新増設、再稼働に関する御質問をいただきました。
現状では原子力発電所の新増設は困難だと考えており、中長期的には、原発への依存度を可能な限り引き下げていくべきと考えています。他方、建設中の原子力発電所等については、進捗状況もさまざまであり、立地地域の方々の御意見も踏まえながら、個別の事案に応じて検討していく必要があると考えております。
また、定期検査で停止中の原子力発電所の再起動については、事業者が行ったテストを原子力安全・保安院が評価し、さらにその妥当性を原子力安全委員会が確認した上で、地元の理解や国民の信頼が得られているかという点も含め、政治レベルで総合的に判断を行ってまいります。
さらに、すべての既存の原子力発電所について、ストレステストの二次評価を実施し、安全性の検証、確認を行った上で、運転の継続について判断を行ってまいります。
中間層についての御質問をいただきました。
私は、富裕層とまでは言えないが、貧困状態でもなく、みずから働いて生活を支えることができる層を中間層と考えております。
このような層を復活させるため、意欲あるすべての人が働くことができる全員参加型社会の実現を図り、雇用を安定させるとともに、働きがいのある人間らしい仕事の実現を図ります。また、貧困の連鎖に陥る者が生まれないよう、確かな安全網を張ってまいります。
社会保障財源を確保するための税目についてのお尋ねがございました。
若い世代を含め、国民が将来に不安を持たないようにするため、社会保障のための安定財源を確保し、あわせて財政健全化を同時に達成するための社会保障と税の一体改革は、どの内閣であっても先送りできない課題でございます。
社会保障の安定財源となる税収については、一定規模の社会保障の財政需要を賄えるものであると同時に、経済の動向や人口構成の変化に左右されにくいことが求められ、消費税は社会保障の主要な財源にふさわしい税目であると考えております。
国際平和協力業務に従事する自衛官の武器使用権限及び武器輸出三原則等についての御質問をいただきました。
国際平和協力業務に従事する自衛官の武器使用権限については、国会や、PKOの在り方に関する懇談会等における議論を踏まえつつ、引き続き検討することが必要であると考えております。
武器輸出三原則等については、防衛大綱の見直しの過程でさまざまな意見がございました。こうした経緯を踏まえて、新防衛大綱においては、防衛装備品をめぐる国際的な環境変化に対する方策を検討する旨が明記されており、今後とも幅広い視点から検討してまいります。
普天間飛行場の移設についての御質問をいただきました。
普天間飛行場の移設については、日米両政府間で日米合意を着実に実施していくことを確認しており、引き続き米国と協力していく所存でございます。
沖縄において県外移転を求める声があることは承知しておりますが、現在の日米合意は、全体として、少なくとも現状に比べると、沖縄の大きな負担軽減につながると考えており、引き続き、沖縄の皆様の御理解を得るべく、誠心誠意努力してまいります。
沖縄振興についての御質問もいただきました。
本年度は現行の沖縄振興計画の最終年度であり、政府として、その総仕上げをしっかりと行ってまいります。また、来年度以降の新たな沖縄振興策については、沖縄の優位性や潜在力を生かした自立的発展につながるよう、しっかりと検討してまいりたいと考えております。
なお、私の内閣は、基地を受け入れれば、それを条件に振興策を展開するというリンク論には立っておりません。(発言する者あり)
所信表明ではリンクしておりません。「また、」という言葉を使っています。
次に、TPPについての御質問もいただきました。
世界経済の成長を取り込み、産業空洞化を防止していくためには、国と国との結びつきを経済面で強化する経済連携の取り組みを欠かすことはできません。このため、包括的経済連携に関する基本方針に基づき、高いレベルの経済連携協定の締結を戦略的に追求いたします。
同時に、農業の活性化や再生も重要であり、先般の食と農林漁業の再生実現会議で中間提言を取りまとめたところです。
農業は国のもとなりという発想のもと、東北の被災地の基幹産業である農業の再生を図ることを突破口として、食と農林漁業の再生実現会議の中間提言に沿って、早急に農林漁業の再生のための具体策をまとめます。
TPPについては、八月十五日に閣議決定した政策推進の全体像にあるような広範な視点を踏まえ、協定への交渉参加について、しっかりと議論し、できるだけ早い時期に結論を出していきたいと考えております。
森林・林業の再生についてのお尋ねがございました。
森林は、水源の涵養、土砂災害防止、地球温暖化防止などの公益的機能を有しており、森林・林業の再生を図り、緑豊かな国土を次世代に伝えていくことが政治の使命と考えております。
今後、森林・林業基本計画に基づき、森林吸収量の目標達成に向けた間伐、人材育成、地域材の利用拡大等の施策により、森林・林業の再生、森林・林業を支える山村の振興に努めてまいります。
また、国有林野については、その組織、技術力、資源を活用して、森林・林業の再生に貢献できるよう、その債務を区分経理した上で、組織、事業のすべてを一般会計に移行することを検討してまいります。
男女共同参画についてのお尋ねがございました。
政府は、これまでも男女共同参画に向けた取り組みを進めてきたところでございますが、女子差別撤廃委員会の最終見解も踏まえ、昨年十二月には、第三次男女共同参画基本計画を策定いたしました。その中で、民法改正について引き続き検討を進めるとともに、女性の参画拡大について重点的に取り組むこととしており、今後とも本計画を推進してまいります。
また、民法改正については、選択的夫婦別氏制度の導入などについて、平成八年に法制審議会において民法改正案の要綱を決定し法務大臣への答申が行われたところであり、いろいろな意見がありますが、この答申を踏まえ、引き続き与党内において調整してまいりたいと考えております。
さらに、東日本大震災の復興や原子力災害への対応等においては女性の視点が重要であると考えており、今後とも、御指摘の分野において女性の参画が進むよう取り組んでまいります。
最後に、福島の子供たちの声についての御質問をいただきました。
福島第一原子力発電所の事故により福島県の子供たちに不安を与えていることは、大変申しわけなく感じております。
まずは放射性物質の除染等に全力で取り組み、住民の方々の不安を取り除くとともに、復興の取り組みを加速してまいりたいと思います。
また、国民の不安を和らげ、安心できるよう、原子力を含めた今後のエネルギー政策のあり方全体について、幅広く国民各層の御意見を伺いながら議論を行ってまいる所存でございます。
以上で答弁を終わります。ありがとうございました。(拍手)
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