下地幹郎の発言 (本会議)

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○下地幹郎君 私は、国民新党・新党日本を代表して、野田内閣総理大臣の所信表明演説に対する質問をいたします。(拍手)
 冒頭、台風十二号で被害に遭われた皆様に、心からお見舞いを申し上げます。
 野田総理、私ども衆参の国会議員七百二十一名は、東日本大震災でお亡くなりになられた一万五千七百八十七名、行方不明四千五十九名の皆様のとうとい思いを忘れることなく、政治の役割を果たしていかなければなりません。
 被災した皆様には、お一人お一人、大きな夢があったはずであります。それが、あの大地震と大津波の中で一瞬にして失われてしまいました。その無念の気持ちをしっかりと受けとめた復興策を政治は推し進めていかなければなりません。
 この不幸な出来事の中で、私たちは気づかされたことがあります。それは、きずなという人と人とのつながりの大切さであります。
 我が国は、戦後、焼け野原から経済大国として発展を遂げてまいりました。しかし、その過程で、人や地域のつながり、他人を思いやる心を見失ってきたかもしれません。東日本の復興は、被災者から気づかされたきずなを国民が育てていく、そのことによってなし得ることができると思います。
 自分の考えに反対する人を抵抗勢力と決めつける、敵をつくり政権浮揚を図る政治は、きずな社会を育てていく上で、古い政治手法だと言われることになるでしょう。みずからの考えと違う人たちにも多くの時間をかけて説得していく、そのことが、国民が期待している優しい安心社会をつくることになると思います。
 野田総理、しかしながら、今の政治は、優しい安心社会をつくるための政策の継続性を持ち合わせておりません。安倍内閣以降、野田総理は六人目の総理大臣であります。総理大臣が一年ごとに五人もかわってきたということは、日本国としての政策に継続性がなかったということであります。
 総理大臣がころころかわり、政策が首尾一貫しないことで政治が混乱し、そのことで、国民の信頼を失い、国際社会から信用も損なうことになりました。それだけに、政策の継続性という観点から、安倍内閣以降の政策を検証し、政治的に継続できる価値のある政策があるならば、いま一度復活させることも考えてみたらいかがでしょうか。
 新しい総理がみずからの内閣で新しい政策を提案しなければ改革論者ではないという声を恐れず、足取りを速めるだけではなくて、三回に一回は過去を振り返り、手直しをしながら未来を考えるという政治姿勢があってもよいのではないかと思います。
 野田総理に求められているのは、着実な足取りで安定した政治を行うことです。そのことを強く認識し、私が提案する歴代内閣の政策の継続性ということについての総理のお考えをお聞かせください。
 成長なくして財政再建なし、財政再建なくして成長なしというお考えを野田総理は示されました。
 しかしながら、我が国の歳出圧力は底なし沼に陥りつつあります。震災復興二十三兆円、基礎年金の二分の一の国庫負担十兆円、B型肝炎訴訟の和解金三兆円、毎年度一兆円増加する社会保障費など、歳出圧力は想像を絶するものであります。
 これらの歳出要因の財源を既存の国債の発行で補えば、財政再建は次世代にツケを回すことになります。消費税の税率の見直しで財源を補おうとすれば、一〇%にしても、一五%にしても、補えるものではありません。また、増税は景気の足を引っ張ります。倒産する会社や失業者、生活保護世帯がふえ、消費が減っていけば、増税原理主義者の皮算用どおりに税収は上がりません。
 野田総理、このような現実を直視し、財政経済政策はこれまでの既成概念にとらわれるべきではありません。まずは徹底的に行財政改革を行うこと、新しい財源を確保すること、そして大胆な景気対策を行うことであります。この三つを政治が決断し、増税は最小限のものにすべきであります。
 一つ目の徹底的な行財政改革は、これまでの蓮舫大臣が行ってきたような、各種団体からヒアリングを行い無駄を積み上げる方式では、効果に限界があります。削減金額の総額を決定し、それを各省庁及びその先の各種団体に割り振りするという、大胆で荒っぽい政治決断をしなければ、無駄を省くことはできません。
 また、私ども国民新党は、特別会計と一般会計との一体運用による財源確保を提案してまいりました。
 予算委員会や本会議で特別会計が一般会計と同じように論議されることになれば、国会の予算審議を通じて、無駄があると言われる特別会計が透明になると思います。このような特別会計の見直しの手法については、国会全体で新しい仕組みをつくることが大事ではないでしょうか。
 二つ目の新しい財源については、特別会計において、剰余金の活用に加え、さらなる積立金の活用を決めるべきであります。また、国有財産の売却も徹底的に行うべきであります。特に売却金額の大きい郵政株の売却については、早期に実現しなければなりません。
 NTTの純資産は三兆円、株式三分の二の売却で、株式の売却総額は十五兆円を超えました。日本郵政の純資産は十兆円であり、その株式の三分の二を景気回復を考えながら十年以内に売却すれば、株の売却総額は二十兆円を下ることはありません。大胆な国有財産の売却は、増税幅を小さくするための最大の財源であります。
 三つ目に、大胆な景気対策についてであります。
 無利子非課税国債と贈与税の非課税をセットにした、新しい仕組みの国債を発行します。経済対策を大胆に行うための財源を金利の支払いのない国債で集め、大胆な予算編成をします。同時に、贈与税の非課税によって若年層への贈与が加速され、個人消費が刺激されることになります。
 また、無利子非課税国債は、これまでの既存の国債とは大きく違い、金利の支払いのないことで、財政再建にも大きく貢献します。そして、四十兆円を超えるたんす預金がこの無利子非課税国債や若年層への贈与として市場に流通することで、経済を活性化することにもなるのです。
 野田総理、私の三つの提案についてのお考えをお聞かせください。
 民主党は、前国会で、子ども手当、高速道路の無料化、高校無償化、農家戸別所得補償制度といった、政権交代時のマニフェストを見直す方向にかじを切りました。
 これらの項目は、政権交代前の日本が格差社会で、所得、地域、企業といったあらゆる分野において大きな隔たりを埋めるためにつくられた四つの政策であり、厳しい所得環境にさらされている人々を支えることが目的であったと思います。
 今、政権交代から二年目を迎えたこの時点で、日本の格差社会は本当に改善されたのでしょうか。私は、されていないと思います。我が国の生活保護予算が三兆円を超えている現実を直視すべきではありませんか。野党はばらまきだと批判しますが、これらの政策は、ばらまきではなく、セーフティーネットなんです。
 野田総理、あなたには、あと二年間、政権運営のかじ取りを行える時間があります。その二年間を全力で、国民と約束をしたマニフェストを守るために頑張っていただきたい。
 そして、衆参のねじれから、国会対策のために政権交代時のマニフェストの根幹を見直すことはやめるべきであります。今やらなければいけないことは、厳しい所得環境にある国民を、政権交代時の四つのマニフェストで守ることであります。
 野田総理、野田総理の、成長なくして財政再建なし、財政再建なくして成長なしという言葉の最終的な目標は、国民生活を守るということではないでしょうか。マニフェストの見直しについての総理のお考えを聞かせてください。
 野田総理、あなたは、衆議院の任期残り二年間を最後までおやりになって衆議院選を迎えるか、みずからの決断で、任期半ばにして国民に信を問うために解散するのかの二つの選択肢しかありません。もう、民主党から四人目の総理大臣を選出することは、国民が認めません。
 野田総理、あなたが途中で総理大臣の職を投げ出すようなことがあれば、今お座りの総理大臣のいすと政権をみずから野党に明け渡すべきであります。
 野田総理の最後の戦いは、二年前の政権交代のときに国民から寄せられた期待を守れるかということと、日本の底力を世界に示せるかということであります。
 日本国も野田総理も、今、土俵際に追い詰められ、足一本で踏みとどまっているという厳しい認識を持つべきであります。そこから土俵の真ん中まで押し戻すために、どのように正心誠意おやりになろうとしているのか、その覚悟のほどをお聞かせください。
 そして、野田総理、この歴史的な困難から日本を再生していくには、総力戦で正心誠意挑まなければなりません。あの人が好きだとか嫌いだとかではなく、すべての心を合わせて頑張ることが必要であります。
 その先頭になって頑張っていただくことを期待して、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇〕

発言情報

speech_id: 117805254X00320110915_018

発言者: 下地幹郎

speaker_id: 12665

日付: 2011-09-15

院: 衆議院

会議名: 本会議