野田佳彦の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、江口議員から松下幸之助さんの教えについて何点か御質問をいただきましたが、まとめてお答えをさせていただきたいというふうに思います。
松下さんの教えについて大変精通をされている江口議員にお答えをするというのは何か久しぶりに面談を受ける感じでございますが、例えば松下さんが総理大臣を聖職中の聖職ととらえて、また、その要件として力強い信念、高い見識、責任感の厚い人とされていることを覚えております。松下幸之助さんは生涯の私のかけがえのない師でありますが、同時に、松下さんは、私が内閣総理大臣として立つこの国会の本会議というこの場、演壇においてとうとうと師の教えと私の持論を述べることについて必ずしもお喜びにならないと思います。むしろ、実行し、実践することを求めていると思います。
政治の世界には、松下幸之助さんの教えを受けた人もいます。一方、この国会には、それ以上に様々な師に学び、様々な信条を持ち、お互いに尊敬できる同志を皆様持っておられます。また、国民の皆様も同様に考えておられると思います。したがって、江口議員の御質問には、内閣総理大臣として行動をもって師の心におこたえをしていくと申し上げたいと思います。
続いて、菅前総理についてのお尋ねがございました。
菅前総理は、民主党政権二代目の総理として、また特に三月十一日の大震災という困難な時期に内閣を率いられ、震災復旧・復興、原発事故の収束、景気・雇用対策、社会保障、外交など様々な分野で重要な役割を果たされたものと思っています。
なお、菅内閣に対する評価については、今後の歴史の中で定まるものと認識をしています。
税金観等についての御質問をいただきました。
租税制度は、政府が様々な財・サービスを提供する際の財源を調達する機能、これが一番の基本中の基本の役割だと認識をしています。
残念ながら、我が国の財政の現状は、社会保障給付の財源の多くが赤字公債で賄われ、公的債務残高が増加を続けているという状況であります。こうした状況を踏まえれば、我が国の財政状況からすれば、社会保障のための安定財源確保と財政健全化の同時達成を図るための税制改革を実施することが必要であるというふうに考えております。
道州制についての御質問をいただきました。
御指摘の報告書については承知をしております。
地域主権改革においては、まず受益と負担の相関関係が一番見える基礎自治体、つまり市町村に権限と財源を集中するべきと考えます。その上で、基礎自治体だけでできない部分を広域自治体が補っていくこと、広域自治体については、当分の間、現行の都道府県の枠組みを基本と考えております。
ただし、地域の自主的な判断として、基礎自治体の足りないところを補完するための道州制については、将来的に検討していくことはあり得ると考えております。
国家目標、国民目線についての御質問をいただきました。
国民一人一人が持つ目標について総理大臣として述べることは差し控えますが、私は、この国に生まれてよかったと思える国をつくることを目標として政治に当たりたいと考えています。
例えば、中間層の厚みを持った社会をつくり、維持をすることが必要です。貧困化や格差の問題が指摘をされておりますが、仮に失敗をしてでももう一回リターンマッチができてチャンスが巡ってくる、希望の持てる社会を是非つくっていきたいと考えております。さらに、ここに生まれてよかったというだけではなく、プライドを持てる国をつくっていきたいと考えています。とりわけ、勤勉さなどの日本人が持つ人の力、我が国の国土が持つ新たな可能性、フロンティアに挑戦できる技術力など、日本が持つ未来へのダイナミックな可能性を現実のものとし、そのことを日本人が誇れるような、そういう国にしていきたいと考えております。
憲法について最後お尋ねがございました。
まず、政府として院の構成に関してお答えする立場にはございません。国会における構成と運営は各党会派で御議論をいただく問題と考えております。
マニフェストに関してでございますが、憲法の在り方については、まずは党の中でしっかり議論し、その上で与党、しかる後に与野党間で協議をしていくべきものと考えており、憲法審査会の始動の問題も同様と考えております。
また、内閣総理大臣の立場として、憲法を遵守し、現行憲法の下で政府として最善を尽くす決意であります。喫緊の課題が山積する中で、野田内閣としては憲法改正問題を今最優先と考えているわけではございません。
なお、民主党は党の綱領的文書において私たちの基本理念を法令に基づいて届けておりますが、その中において、特段、憲法論議について封印はしておりません。
以上、答弁とさせていただきます。(拍手)