小宮山洋子の発言 (厚生労働委員会)

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○小宮山国務大臣 厚生労働大臣を拝命いたしました小宮山洋子でございます。
 厚生労働行政は本当に諸課題山積しておりますが、その先頭に立って解決に取り組みたいと思っておりますので、委員長や委員の皆様そして国民の皆様にも御理解、御協力をいただきますようお願いを申し上げます。
 私は、副大臣として厚生労働行政に携わってまいりましたが、国民の皆様の生活に密着した大変幅広い分野を担当していることを実感しています。このたび大臣という職務につきまして、改めて身の引き締まる思いがしています。
 特に今、東日本大震災で被災された方の生活支援から復興に向けた取り組み、社会保障と税の一体改革、厳しい雇用情勢への対応など、待ったなしの重要な課題がたくさんあります。国民の生活が第一という考え方のもと、国民の皆様にわかりやすく説明するよう心がけながら、スピード感を持って、こうした課題に全力で取り組んでいきます。
 東日本大震災やその後の相次ぐ集中豪雨、台風で亡くなった皆様の御冥福をお祈りし、被害に遭われ、不自由な暮らしを余儀なくされている被災者の方々に、改めてお見舞いを申し上げます。
 東日本大震災に関しては、被災地の復旧や将来を見据えた復興に向けて、仮設住宅の居住環境の改善、医療や介護、子育て支援等の地域での暮らしの再生、被災者の健康や心のケア、雇用の確保などに全力で取り組みます。
 被災地の医療提供体制の再構築に向けて、あるべき医療提供の姿を目指して支援を進めるとともに、県や関係団体と協力して医療従事者の確保を図ります。
 高齢者や障害者等の介護・福祉サービスについては、仮設住宅への総合的なサポート拠点の設置を推進するとともに、少子高齢社会のモデルとなるよう、被災地のニーズを踏まえ、地域包括ケアの体制整備に取り組んでいきます。
 また、親を亡くすなど被災した子供について、心のケアを含め、児童福祉の専門家などによる相談や援助を長期間にわたって行っていきます。
 震災により被災された方の雇用対策については、「日本はひとつ」しごとプロジェクトの推進に努めています。このプロジェクトにより、被災三県でおよそ六万四千人が就職するなどの成果が出ています。今後の復興段階に向け、産業政策と一体となった雇用面での支援や、若者、女性、高齢者、障害者などの雇用機会の確保、被災地域の復旧復興に必要な人材育成を進めていきます。本格的な安定雇用の実現に向け万全を期していきます。
 また、震災からの復旧復興工事作業での労働災害の防止対策をすき間なく進めます。
 原子力発電所事故への対応として、食品や水道水の安全確保、原発作業員の健康管理、保育所等の除染などに万全を尽くしていきます。
 具体的には、食品の安全、安心を確保するため、暫定規制値を超えた食品が市場に流通しないよう、引き続き、食品中の放射性物質の検査の着実な実施を図るとともに、原子力災害対策本部による出荷制限の指示等が適切に行われるよう取り組みます。あわせて、暫定規制値にかわる新たな規制値を設定し、さらなる安全を確保していきます。
 また、東電福島第一原発で緊急作業に従事する作業員の方々の線量管理、健康診断を徹底し、被曝線量等をデータベース化して、長期的な健康管理を実施していきます。
 年金、医療、介護、子育てなどの不安をなくし、国民が安心して暮らせる社会保障制度を構築することは、極めて重要な問題です。
 このところ、非正規雇用の増加、地域や家族の結びつきの希薄化、急速な少子高齢化の進行などを背景として、セーフティーネットのほころびや格差の拡大などが問題となっています。このため、所得の再分配機能の強化や家族関係の支出の拡大を通じて全世代対応型の社会保障へと転換し、世代間の公平性を実感できるようにしていくことが必要です。
 六月に政府・与党で決定した社会保障・税一体改革成案では、公平公正で自助、共助、公助のバランスのとれた、すべての人がより受益を実感できる社会保障の実現を目指し、機能強化、持続可能性の確保を図るため、制度全般にわたる改革を行うことにしています。また、こうした基本的考え方のもと、総合的な子ども・子育て支援や若者世代への支援策の強化を初めとして、医療、介護等、年金、就労促進などの各分野にわたり、社会保障の充実と重点化、効率化の改革項目が示されています。
 今後、改革全体のビジョンをわかりやすく示し、国民の皆様の御理解をいただきながら、改革の実現に向け、私自身が先頭に立ち、厚生労働省を挙げて取り組んでいきます。
 現在の雇用情勢は、震災の影響もあり、八月の完全失業率が四・三%、有効求人倍率が〇・六六倍と、一部に持ち直しの動きが見られるものの、依然として厳しい状況にあります。
 先ほど申し上げた「日本はひとつ」しごとプロジェクトの推進を初め、急激な円高等の雇用への影響も注視しながら、雇用対策に万全を期すことによって、厳しい雇用情勢の改善に全力で取り組んでいきます。
 新卒者を初めとする若者の就職環境は非常に厳しいと認識しています。このため、ジョブサポーターによる学校等と連携した就職支援を一層強化するなど、新卒者支援をさらに充実させ、将来を担う若者が安定した雇用につけるよう全力を尽くします。また、雇用のセーフティーネットとして、求職者支援制度による職業訓練の実施など、職業能力開発施策を推進していきます。
 派遣労働者の雇用の安定や派遣事業の適正化のための労働者派遣法改正案については、労働者の安定した雇用や生活を確保する上で大変重要ですが、継続審議となっていますので、早期の成立をお願いいたします。
 また、労働安全衛生対策の充実と東日本大震災に対応するため、メンタルヘルス対策や受動喫煙防止対策の強化、電動ファンつき呼吸用保護具の性能の担保を内容とする労働安全衛生法改正案の提出に向け準備を進めています。
 高齢者雇用については、平成二十五年度からの老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢の引き上げを目前に控え、雇用と年金を確実に接続させることができるよう、労働政策審議会で、希望者全員の六十五歳までの雇用確保策などについて議論を進めていきます。
 さらに、有期労働契約のあり方、パートタイム労働対策についても議論を進めていきます。
 子供と子育てを応援する社会を構築することは、喫緊の重要課題です。
 平成二十四年度以降の子供のための現金給付制度については、八月四日の三党合意に沿ってさきの通常国会で成立した特別措置法の附則で、「政府は、」「児童手当法に所要の改正を行うことを基本として、法制上の措置を講ずる」ことが規定されています。今後、合意に基づき、各党の御意見も十分に伺いながら、年末までに具体的な制度について成案を得ていきたいと考えています。
 保育所待機児童の解消に向けては、子ども・子育てビジョンに基づく取り組みを全力で進めるとともに、待機児童解消に先進的に取り組む自治体を支援していきます。
 また、幼保一体化を含めた子ども・子育て支援のための子ども・子育て新システムの構築についても、内閣府等と検討を進め、法律案の早期提出を目指します。
 あわせて、仕事と生活の調和の実現のため、働き方の見直しにも引き続き取り組みます。
 児童虐待によって子供が命を失うという痛ましい事件が続いています。親権に係る制度改正の円滑な施行を初め、児童虐待防止対策を強化するとともに、家庭的養護の推進等、社会的養護の質、量の拡充に努めていきます。
 年金制度を将来にわたって持続可能なものとするため、基礎年金国庫負担割合二分の一の維持は必要不可欠なものです。
 第一次補正予算で震災復興に充てられた平成二十三年度の基礎年金国庫負担二分の一に要する費用について、第三次補正予算で年金財政に繰り入れるとともに、平成二十四年度以降も二分の一を維持するよう取り組みます。
 また、年金の第三号被保険者の不整合記録問題に対応するための法案の提出に向け準備を進めます。
 年金記録問題については、紙台帳とコンピューター記録の突き合わせを進めるとともに、ねんきんネットの充実などにより、いつでも手軽に年金記録を確認できる取り組みなどを進めていきます。
 高齢者の介護・福祉政策については、平成二十四年度の介護報酬改定、社会保障と税の一体改革の実現に向けた具体的な議論を進める中で、将来にわたって持続可能な介護保険制度を構築し、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けることができるよう、地域包括ケアシステムの構築を進めていきます。
 また、介護職員の処遇改善については、介護人材の安定的な確保に向けて、具体的な方策について年末までに検討していきます。
 障害のある方の支援については、個々のニーズに基づいた地域生活支援体系の整備等を進めていきます。
 生活保護制度については、その受給者数が二百万人を超え、現行制度下で最高の水準に達することはほぼ確実になっています。このような状況の中で、受給者に対する自立支援の推進や不適正な給付の防止等の生活保護制度の見直しを検討します。
 だれもが良質な医療サービスを受けられるようにすることは、国民の安心の実現に直結する重要課題です。
 平成二十四年度は、六年に一度の診療報酬、介護報酬の同時改定が予定されています。同時改定に向けて、医療・介護施設の機能分化の推進、地域連携体制の構築、地域包括ケアの実現に向けた在宅医療・介護の充実などについて、社会保障審議会や中央社会保険医療協議会で議論を進めていきます。
 また、医療保険制度については、社会保障・税一体改革成案を踏まえ、セーフティーネットとしての機能を強化するとともに、給付や制度運営のあり方を見直し、国民の信頼にこたえ得る制度を構築していきます。
 さらに、地域の医師不足問題など、医療が直面する課題に対応するとともに、地域で安心して暮らすことができる医療提供体制の構築に取り組んでいきます。
 予防接種制度について、制度全体の見直しに向けた検討を進めていくとともに、難病、がん、肝炎などさまざまな疾病を抱える方々への支援策、たばこ対策などの生活習慣病予防に取り組んでいきます。
 また、薬害肝炎の反省に立ち、医薬品等による健康被害の再発の防止に取り組みます。
 B型肝炎訴訟については、被害を受けられた方々への救済を万全なものとするための法案の提出に向け準備を進め、速やかに給付と財源に関する法案の一体的な成立を目指していきます。
 また、日本発の革新的な医薬品、医療機器等の創出により、健康長寿社会を実現するとともに、国際競争力強化による経済成長に貢献することを目指す医療イノベーションの推進に取り組んでいきます。
 国民の生命や健康を守るため、新型インフルエンザ対策を初めとする健康危機管理対策について万全を尽くしていきます。
 このほか、援護行政については、戦没者の遺骨帰還事業や慰霊事業、戦傷病者、戦没者遺族、中国残留邦人等に対する支援策をきめ細かく実施します。
 震災により延期された第十五回ILOアジア太平洋地域会合が十二月に京都市で開催されます。この会合は、ディーセントワーク、すなわち、働きがいのある人間らしい仕事を達成するため、今後のアジア地域での活動の方向を決定する重要なものです。会期中には、災害時の雇用対策に関する日本主催のセッションも予定しています。開催国として国際貢献できるよう努めていきます。
 以上、当面する厚生労働行政の主な課題について説明させていただきましたが、ほかにも、厚生労働行政には多くの課題が山積しています。
 委員長を初め委員の皆様には、一層の御理解と御協力をいただきますよう、よろしくお願いいたします。(拍手)

発言情報

speech_id: 117904260X00120111021_004

発言者: 小宮山洋子

speaker_id: 492

日付: 2011-10-21

院: 衆議院

会議名: 厚生労働委員会