枝野幸男の発言 (経済産業委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○国務大臣(枝野幸男君) 第百七十九回国会における経済産業委員会の御審議に先立ちまして、経済産業行政や原子力事故を取り巻く諸課題及び取組につきまして、経済産業大臣、内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構)、原子力経済被害担当大臣として申し述べさせていただきます。
 本年三月十一日に発生した東日本大震災と、これに伴う東京電力福島第一原子力発電所事故は、国民の暮らしや我が国経済に甚大な影響を与えました。
 第一の政策の柱として、原子力事故の早期収束と被災者支援、震災からの復興に取り組みます。
 まず、いわゆるステップ2の目標である放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられている状態を年内に実現すべく、細野原発事故の収束及び再発防止担当大臣と連携して取り組みます。廃炉、事後処理を安全かつ安定的に行うための研究開発も進めてまいります。
 また、原子力被災者の方々の御苦労と御心痛、そして事故前の暮らしへの切実な思いを忘れることなく、関係省庁と連携して、生活や事業の再建、健康管理、モニタリング、除染等を着実に実施してまいります。あわせて、原子力損害賠償支援機構も活用し、東京電力による損害賠償の支払が迅速かつ円滑に行われるよう取り組んでまいります。
 さらに、東日本大震災からの復興の基本方針に基づき、被災事業者の再建・再生支援に取り組みます。緊急保証や特別貸付けの拡充、民間の資金、ノウハウの活用を促す資本性資金の供給、二重ローン対策などに万全を期すとともに、中小企業等のグループ施設の復旧や仮設工場・店舗等の整備を支援してまいります。また、福島県を始めとする東北地方を中心に、将来の成長や雇用の種となる医療分野や再生可能エネルギー分野の研究開発拠点等を整備し、新たな成長を実現してまいります。
 第二の政策の柱として、これまでのエネルギー政策を検証し、国民や企業の信頼を取り戻すべく、聖域なく見直します。
 細野大臣とともに、IAEAなどの国際的な知見も活用しながら、原子力安全規制を抜本的に見直します。また、原子力安全を担う新たな機関の設立に全面的に協力します。
 電力供給不足については、この夏は国民や産業界の皆様の多大な御協力により克服することができました。今冬や来夏に向けても計画停電や義務的な節電の回避に努めます。このため、エネルギー管理システム、住宅用太陽光発電、定置用蓄電池等の導入を支援し、省エネルギー・節電対策を強化します。また、再生可能エネルギーについて、固定価格買取り制度や規制の見直しなどを組み合わせ、抜本的な導入拡大を図ります。地域レベルで最適なエネルギー管理を行うスマートコミュニティーの構築にも取り組みます。なお、点検済みの原子力発電所については、地元住民などの御理解を前提として、その再稼働について判断することとしております。
 国際的な資源需要の高まりや震災を踏まえ、資源・エネルギーの安定供給確保に万全を期すことも必要です。災害に強い石油製品等の供給網の整備、資源確保戦略の抜本的強化、レアアース・レアメタル対策を早急に進めます。
 我が国のエネルギー政策全体を抜本的に見直すべく、様々な立場の方々に御参画いただき、総合資源エネルギー調査会での議論を開始いたしました。エネルギーの新たなベストミックスについて、エネルギー・環境会議と連携しながら、透明性を持って国民的な議論を行います。来年の夏ごろまでには新たなエネルギー基本計画を策定し、政府の革新的エネルギー・環境戦略に反映させていきます。電力システム改革や地球温暖化対策についても、こうした見直しと併せて取り組んでまいります。
 第三の政策の柱として、急激な円高や空洞化に立ち向かい、日本経済の課題の解決に取り組みます。
 まず、経済や雇用を支える重要技術・産業の生産・研究開発拠点について、国内立地を後押しするとともに、地域経済を支える全国の中小企業の資金繰り対策に万全を期します。また、円高メリットを生かした我が国企業による海外企業の買収や資源確保を支援していきます。
 また、電力の安定供給に万全を期すとともに、長年の課題である法人実効税率の引下げや、大市場国との高いレベルの経済連携を着実に実現することで、企業が我が国内に立地し、雇用を維持しながら、欧米や新興国等の企業と対等に競争できる環境整備を進めます。加えて、世界のグローバル企業のアジア本社や研究開発拠点の国内誘致を支援してまいります。このためにも、特定多国籍企業による研究開発事業等の促進に関する特別措置法案の早期成立に御協力をお願いをいたします。
 第四の政策の柱として、内需活性化、グローバル化、イノベーションによる新たな成長の実現に取り組みます。
 少子高齢化が進む中で、持続的な成長を実現していくため、消費者の新たな需要を活性化し、雇用を生み出す新ビジネス、新産業を創出していきます。ITを活用した融合産業や新たなエネルギー産業の創出、ヘルスケア産業の市場拡大、クール・ジャパン、農業の産業化などの取組を進めます。また、産業構造審議会において集中的に議論を行い、成長分野の規制改革やリスクマネー供給などの必要な施策を取りまとめ、政府として年末に策定する予定の日本再生戦略に反映させていきます。
 イノベーションは重要な成長の種です。十年後、二十年後の成長に向けて、既存技術の延長線上にない、未来開拓型の研究開発に取り組みます。研究開発の成果をビジネスに結び付けるため、国際標準の迅速な獲得や国際的な知財インフラの整備などを進めます。
 さらに、新興国等の成長を取り込むことや、海外の富を国内に循環させることも重要です。インフラ・システム輸出の支援、我が国の優れた環境技術・製品の海外展開の促進、資金の還流を妨げる制度の改善、撤廃など、我が国企業のグローバル展開を支援してまいります。
 こうした施策の実施に際しては、中小企業の方々に御活躍いただくことが重要です。中小企業の潜在力を引き出し、戦略的経営力を強化すべく、資金繰り支援に万全を期すとともに、金融支援と経営支援の一体的な推進、海外展開を行う中小企業への支援、技術力強化、人材育成・確保、さらには地域コミュニティーの担い手である商店街の活性化などに取り組みます。
 以上、四つの柱に沿って政策を実行していく際には、委員各位はもとより、国民各層の御意見に真摯に耳を傾けていくことが重要です。原子力事故やエネルギー政策への批判を含め、幅広い御意見をしっかりとお伺いし、経済産業政策に反映させ、日本経済の再生、さらには国民の皆様一人一人の暮らしの向上につながるよう、全力で取り組んでまいります。
 委員長を始め、委員各位の御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。

発言情報

speech_id: 117914080X00120111025_005

発言者: 枝野幸男

speaker_id: 10425

日付: 2011-10-25

院: 参議院

会議名: 経済産業委員会