中谷元の発言 (憲法審査会)
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○中谷委員 自由民主党の中谷元でございます。
自由民主党は、去る四月二十七日に、東日本大震災の発生やその後の状況を踏まえ、平成十七年に発表した新憲法草案を前文から補則に至るまで全ての条項を見直し、新たにブラッシュアップした日本国憲法改正草案を発表しました。
本日は、現行憲法をもとに、それぞれの条文を比較検証し、この中の第一章天皇につきまして、お手元に資料を配付しておりますが、自由民主党日本国憲法改正草案対照表をもとに現行憲法との比較をさせていただきます。
まず、第一条の天皇の地位、天皇の元首性につきましては、天皇は、日本国の元首であり、日本国及び日本国民統合の象徴であると定め、天皇は我が国の元首であることを明記しました。
これは、天皇は元首であると憲法上明記するかについて党内でもさまざまな議論がありました。反対論としては、元首と明記することによって、元首以上の存在である天皇をかえって軽んずることになるのではという意見もありましたが、天皇は、外交関係において、現行憲法下でも国を代表する面を持っており、対外的にもこのことを明確にした方がよいと考えます。
また、国家元首は英語でヘッド・オブ・ステートと呼びますが、具体的な役職名ではなく、国を代表する資格を持つ国家機関や人を指す用語であり、国家を代表する人として、天皇は元首であると明記すべきという意見が大多数でありました。
よって、論点の分類では、Aの明文改憲が必要としております。
次に、第二条の皇位継承のあり方に係る論点については、長年の歴史と文化のある問題であり、このような場で議論するのはまことに恐れ多いわけでありますが、憲法論としては、法律である皇室典範で規定するという現行憲法のままでよいと考えております。我が党の改正草案でも、現行憲法のままで、改憲も立法もいずれも必要ないとする論点表のCとしております。
第三に、第三条の天皇の国事行為に係る論点ですが、そのうち、論点表上段の天皇の国事行為に関しては、我が党の改正草案では第六条とし、わかりやすさの観点から一部の文言の整理をいたしました。宮中祭祀を国事行為に加えるなどの国事行為の種類をふやすことはしておりません。論点表にいえばCでございます。
また、第三条では、天皇の国事行為には内閣の助言と承認が必要としておりますが、承認とは、例えば衆議院の解散を行う場合、内閣が天皇に助言したことを内閣が承認するということはおかしな話であり、いささか礼を失する面もあり、我が党の改正案では内閣の進言という言葉に統一をいたしました。
一方、論点表下段の公的行為に関しては、我が党の改正草案では、第六条の天皇の国事行為等として、例えば国または地方公共団体が主催する式典の出席などは、天皇は公的行為を行うものとして明記をいたしております。現に、国会の開会式でのお言葉、植樹祭や国体、追悼式など、国や地方公共団体が主催する式典に出席することなどにおいて、天皇の行為には公的な性格を持つものがあります。このような公的行為については現行憲法では規定がありませんが、これを憲法上明確に位置づけるべきだと考え、この部分はAであります。
最後に、国旗・国歌、元号について。
我が党の改正草案では、新しく第三条として、国旗は日章旗、国歌は君が代とする、これはいずれも明記をしております。
国旗・国歌については、現在、国旗・国歌に関する法律によって規定されておりますが、国旗・国歌は一般的に国家を象徴するいわばシンボルのようなものであり、きちんと憲法上明文で規定することとしたものです。そして、我が党の改正案では、国民は、国旗及び国歌を尊重しなければならないという規定を置きました。これは、いずれの国の国旗・国歌も尊重しなければならないという国際社会での常識に基づくものであります。
また、第四条として、元号についても明文規定を設けました。この規定は元号法の規定をほぼそのまま採用したものであり、一世一元の制を明定したものであります。この部分は、新設追加の部分であります。
以上、我が党の憲法草案の第一章天皇について、これまで曖昧にしてきたことについて、全党的な議論の結果、教育現場等での混乱を招かないためにも、国家としてこの際はっきり記述した方がいいという結論を得たものでございまして、明文改憲が必要なものとするものでございます。
以上、自由民主党としての第一章についての意見表明といたします。