笠井亮の発言 (憲法審査会)

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○笠井委員 日本共産党の笠井亮です。
 きょうから日本国憲法の各章ごとの検証を行うとなっていますが、そもそも検証とは何かということが問われなければなりません。それは、現行憲法の諸原則に照らして現実がどうなっているかを徹底的に点検することだと我が党は考えております。
 例えば、憲法の視点から東日本大震災と東京電力福島原発事故を総点検して、憲法十三条、二十五条に照らして、被災者支援、復興、原発事故対応はどうか、求められる法的措置は何かを明らかにすることこそ必要ではないでしょうか。憲法を検証するといいながら、みずからの党の改正草案の説明をしたり、改憲を前提にして一定の方向を導こうとする進め方は、とるべきではありません。
 配付された論点表も、明文改憲をベースにまとめているだけでなくて、例えば次回取り上げる戦争放棄にしても、憲法との関係で最大の論点となっており、憲法調査会の報告書でさえ柱立てしている日米安保条約や在日米軍基地の問題には一切触れていないなど、恣意的な論点設定になっていることを指摘しておきたいと思います。
 その上で、第一章天皇について、我が党として三点述べます。
 まず、第一条で主権在民の原則を明確に定めています。これが極めて重要な意味を持っていると考えています。
 これは、憲法前文の「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、」との規定と一体に、憲法の根幹とも言える国民主権原理を明らかにしたものにほかなりません。
 この主権在民の原則は、明治憲法に基づく天皇のもとで国民の自由と権利が抑圧され、国民を侵略戦争へと駆り立てていった歴史の反省から生まれたもので、基本的人権の尊重、恒久平和主義、議会制民主主義、地方自治などの憲法の諸原則の基礎をなすものです。したがって、現憲法下の天皇の象徴としての地位は、「主権の存する日本国民の総意に基く。」と第一条で定められているわけであります。
 次に、天皇の行為について言えば、国民主権の原則に立って制限規定を設けています。
 第三条で、「天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要」とすると定め、第四条で、「天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。」と規定している。これらの制限規定の厳格な実施こそ重視されるべきです。
 憲法上、天皇の行為は、第四条二項、第六条、第七条に定める十三の国事行為のみを行うこととされ、しかも、内閣の助言と承認を必要とする形式的、儀礼的なものとされているのに、それ以外に公的行為として広げることは国民主権の原則とは相入れないものです。天皇の政治利用を初め、憲法の条項と精神からの逸脱を是正することこそ必要だと考えます。
 最後に、日本の国の制度、政治の制度の問題としては、一人の個人が世襲で日本国民統合の象徴になるという仕組みは、民主主義、人間の平等の原則に合わないもので、国民主権の原則の首尾一貫した展開のためには、将来の日本の方向として民主共和制を目指すべきだというのが我が党の見解です。
 同時に、天皇の制度は憲法上の制度であり、その存廃は、将来、主権者である国民の多数意見がその方向で熟したときに、国民の総意によって解決されるべき問題だと考えております。もちろん、それは当面の問題ではありません。
 我が党は、日本国憲法の前文を初め、天皇条項を含む全条項を守り、特に平和的、民主的諸条項の完全実施を目指す立場であることを表明し、発言を終わります。

発言情報

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発言者: 笠井亮

speaker_id: 27017

日付: 2012-05-24

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会