照屋寛徳の発言 (憲法審査会)
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○照屋委員 社会民主党の照屋寛徳です。
憲法第一章の天皇制について、明文改憲の必要の有無等について意見を表明いたします。
結論を先に述べると、社民党は、明文改憲の上、天皇を元首と憲法に明記すべきとの主張に反対であります。
その理由は、天皇は統治権の総攬者ではなく、元首でも君主でもないからであります。明文改憲の上、天皇を元首とすることは、日本国憲法の基本理念である国民主権、民主主義、基本的人権尊重の原理に反するものであり、到底認められません。
社民党は、現行の象徴天皇制を維持すべきと考えます。そのことが国民世論にあらわれた国民の意思とも合致するものと思います。すなわち、象徴天皇制は多くの国民の間に定着しており、明文改憲の必要はありません。
一方、女性天皇については、世論の多くも支持しており、過去の日本史の中で女性の天皇が存在したこと、男女平等や男女共同参画社会の形成という現在の潮流にもかなうものであることなどから、社民党としても積極的に進めるべきと考えます。しかし、女性天皇の問題は皇室典範改正によって実現することで、明文改憲とはかかわりのない問題であり、そもそも憲法審査会で議論すべき問題ではございません。
次に、宮中祭祀を国事行為に追加すべきとか、新たな天皇の公的行為に位置づけるべきだとの意見がありますが、宗教的要素の強い、皇室行為としての宮中祭祀を公的行為として位置づけることは、政教分離の原則との関連で重大な問題が発生します。
天皇の国事行為は、内閣の助言と承認に基づく受動的かつ儀礼的なもので、天皇は国政に関する権能を有しないとする憲法第四条の規定は厳守すべきであります。天皇を政治的に利用することがあってはなりません。社民党は、明文改憲の上、これ以上に国事行為をふやし、公的行為を新たに追加することに反対です。
国旗・国歌、元号に関する規定を憲法に設けるための明文改憲にも反対であります。
最後に、多くの学者、研究者らの論考に基づき、沖縄選出の国会議員として一言申し上げます。
過去をさかのぼると、沖縄は日本ではありませんでした。十三世紀の鎌倉時代に琉球王朝が成立しています。この琉球王朝は、天皇の支配下にあるわけでもなく、鎌倉幕府、室町幕府の支配下にもございませんでした。一六〇九年に薩摩藩によって武力征服され、一八七九年の琉球処分ともいうべき廃藩置県によって琉球王朝、琉球藩は消滅します。
琉球、沖縄は、天皇制から見ますと、おくれてきた臣民であり、化外の民であり、天皇の支配に属さない、服従しない、まつろわぬ民でありました。それらを徹底的にたたき直して天皇の民にしていく皇民化政策がとられ、皇民化政策は差別と同化によって裏打ちされたものであったがゆえに、沖縄戦の悲劇と戦後のアメリカ軍占領へとつながったことをお伝えしておきます。
くしくも、薩摩侵攻四百年、琉球処分から百三十年に当たる二〇〇九年の歴史的政権交代以降、沖縄では、歴代政権による構造的差別が県民の共通認識になっていることを申し上げて、意見表明を終わります。