古屋圭司の発言 (憲法審査会)

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○古屋(圭)委員 自由民主党の古屋圭司でございます。
 冒頭に、先ほど柿澤委員からも御指摘がありましたように、私も、憲法九十六条の改正というものが国民の憲法論議を喚起するには極めて適切な中身だ、内容だというふうに思っております。
 確かに、この委員会で全章をやるという大変チャレンジングなことに挑戦をされる、私は心から敬意を表したいというふうに思いますが、一方では、現実的な憲法改正という視点、あるいは憲法改正しないのかという視点に立ったときに、この九十六条というものは重要な役割を果たしていくのではないかなということを私は冒頭指摘させていただきます。
 さて、我々は、自民党は、四月二十八日に憲法草案を出しました。主権回復したのが昭和二十七年の四月二十八日でありまして、ちょうど六十年ということで出しましたけれども、七年間、日本が占領政策をされている間に大きく変わったのが、このいわば天皇に関する取り扱いだというふうに思います。
 三つの視点があると思います。一つは、まず、法的、政治的な側面。二つ目が経済的な側面。三つ目が精神的な側面ということだというふうに思います。
 特に、最初の政治的側面については、今元首のことがいろいろ言われておりますけれども、どの国にも、明文規定のあるなしにかかわらず、明確に元首が定められていて、また存在をしています。日本では、天皇が元首であるとか、衆議院議長が元首だとか、内閣総理大臣が元首だとか、あるいは集合体としての内閣が元首とか、いろいろな議論がありますが、明確な定義はありません。
 私は、そういう意味で、元首というものを憲法に記述するという重要性は、極めて大切だというふうに思っています。
 元首でないゆえに、ちょっと具体的に、こんな例を指摘させていただきたいと思います。
 天皇陛下が外国を訪問された場合、陛下は外国の元首に案内をされて軍隊の儀仗を受けますね。一方、外国の元首が日本を訪問した場合は自衛隊の儀仗を受けるわけですけれども、そのときの案内役は自衛隊の先導将校になりまして、陛下は横の方にぽつんとお座りになって見ておられる。これは元首かどうかということが曖昧なためであるというふうに思われまして、これが非常に、ちょっと奇異な現象であるというふうに思います。
 それからもう一つ、天皇陛下の国事行為は、国事行為が十項目、それ以外は私的行為ということでありますから、例えば国民体育大会とか戦没者の追悼式あるいは園遊会、これは私的行為ですけれども、政府の方は象徴としての公的行為ということで解釈でしのいで対応しております。
 例えば、外交官の接受というのは、憲法でも規定されていますから、これは国事行為なんですけれども、外国元首のおもてなしは、これはいわば、今政府が言っている象徴としての公的行為の範囲に入りますので。すなわち、外交官の方は憲法に明文規定があるけれども、一方では、元首の方は解釈でしのいでいる。象徴としての公的行為は、国事行為よりも格が下がるわけでありまして、そういう意味でも整合性の問題というのはあるのかなという気がいたします。
 それから、二点目の経済的側面ということから指摘をさせていただきたいというふうに思います。
 それは、八条によって、皇室に財産を譲り渡したりするには国会の議決に基づかなければならないということで、財産の譲り渡しだとかあるいは与えたりするというのは、こうやってここまで規定されているというのは、かつての禁治産者と同じような状況でございましょうし、余りにも煩わしいということで、皇室経済法によって、上限が六百万円、それから下付できる金額が千八百万円ということで決まっておりますけれども、これは、ないよりはましですけれども、全然桁が違うのではないか。
 あるいは、昭和天皇が崩御されたときに十八億六千万円が相続税の課税対象になったそうでありますが、正式な公表はないですけれども、恐らく大体四億三千万円ぐらいが納税をされたのではないか、こういうふうに言われております。これは余りにも、納税義務だけが一般国民と同じというのはちょっとおかしいのではないかということです。
 そこで、我々は、今度の我々の憲法改正草案にもありますように、こういった問題を解消するために、六条の五項において、「国又は地方自治体その他の公共団体が主催する式典への出席その他の公的な行為を行う。」こういう規定をさせていただいたり、あるいは第八条で、「法律で定める場合を除き、国会の承認を経なければならない。」こういう規定をさせていただいたということで、この整合性をとれるように我々は提案をさせていただいているということを指摘させていただきます。
 以上です。

発言情報

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発言者: 古屋圭司

speaker_id: 7136

日付: 2012-05-24

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会