小宮山洋子の発言 (厚生労働委員会)

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○小宮山国務大臣 厚生労働委員会の開催に当たり、私の所信を申し上げます。
 厚生労働大臣に就任してから約半年が経過し、厚生労働行政が国民の皆様の生活に密着した大変幅広い分野を担当していることを改めて実感しています。
 このため、国民の皆様の安心した生活を実現できるよう、厚生労働行政の当面する諸課題の解決に向け、スピード感を持ち、全力で取り組んでいきます。
 東日本大震災からの復旧と将来を見据えた復興は、喫緊の課題です。
 このため、被災者への支援として、仮設住宅等の居住環境の改善や、健康の確保、心のケアに取り組みます。被災した子供については、児童福祉の専門家などによる相談や援助を長期間にわたって行っていきます。
 被災した方々の雇用問題に対応するため、「日本はひとつ」しごとプロジェクトを推進してきました。その結果、被災三県で、これまでに、およそ十二万人が就職しました。
 今後の復興段階では、被災した方々が働くことで収入を得られるよう、復興事業などの求人をハローワークで開拓、確保します。また、担当者制による個別対応や職業訓練への誘導など、きめ細かな就職支援を実施します。さらに、被災地での産業振興と雇用支援を一体的に行う取り組みや、女性や高齢者の活用などの雇用モデルの創造のための事業を実施し、雇用創出を図ります。こうした雇用対策が被災者一人一人に確実に届くよう全力を尽くしていきます。
 被災地の医療提供体制については、当面の医療機能を確保する復旧から、中長期的な医療提供体制の再構築を進める復興段階へと重点が移ってきています。これからの医療提供体制のモデルとなる復興を進めていきます。また、介護分野についても、被災地のニーズを踏まえたサポート拠点の設置などを進めます。
 東京電力福島第一原子力発電所事故への対応を着実に進めることも重要な課題です。
 このため、食品中の放射性物質への対応として、特に子供に配慮しつつ、より一層の食品の安全、安心を確保するため、新たな基準値を今年四月から施行し、地方自治体での効果的、効率的な検査の実施を支援していきます。
 被曝線量管理や離職後を含めた長期的な健康管理により、東京電力福島第一原子力発電所で作業に従事する方々の健康確保に万全を期します。あわせて、除染作業に従事する方々の健康確保や、復旧復興工事に従事する方々の安全確保に万全を期していきます。
 少子高齢化による人口構成の大きな変化、非正規労働者の増加などによる雇用基盤の変化、家族形態、地域基盤の変化など、日本の社会保障制度を支える社会経済情勢には大きな変化が生じています。また、社会保障に要する費用の多くを将来世代の負担にツケ回ししている状況です。
 こうした状況に対応し、安心で希望と誇りが持てる社会を実現するためには、社会保障の充実と持続可能性の確保を同時に実施しなければなりません。
 このため、先日閣議決定した社会保障・税一体改革大綱では、給付は高齢世代中心、負担は現役世代中心という今の社会保障制度から、給付、負担両面で世代間、世代内の公平を確保した全世代対応型の社会保障制度の構築を目指し、子育て、医療・介護、年金などの社会保障の充実を図ります。また、社会保障の負担をあらゆる世代で分かち合い、将来世代に負担を先送りしないため、平成二十七年十月までに段階的に消費税率を一〇%まで引き上げることになっています。
 この改革案を実現するため、私自身が先頭に立ち、わかりやすく丁寧に情報発信し、国民の皆様の御理解をいただくとともに、順次法案を提出していきます。
 平成二十四年度以降の子どものための手当制度については、中学校修了前の子供を養育している方に対し、三歳未満の子供と、三歳から小学校までの子供のうち第三子以降の子供については月額一万五千円、三歳から小学校までの子供のうち第一子、第二子と、中学生については月額一万円を支給し、年少扶養控除の廃止に伴う手取り額の減少に対応するため、所得制限以上の方に対しては月額五千円を支給することなどを内容とする児童手当法改正法案をこの国会に提出しました。与野党間で協議をしていただき、必要であれば修正もして、早期に成立させていただくようお願いします。
 保育所待機児童の解消に向けては、子ども・子育てビジョンに基づく取り組みを全力で進めるとともに、先進的に取り組む自治体を支援していきます。
 また、幼保一体化を含めた子ども・子育て支援のための子ども・子育て新システムについても、税制抜本改革とともに、内閣府等と共同で、この国会に関連法案を提出します。
 さらに、仕事と生活の調和の実現のため、働き方の見直しに引き続き取り組みます。
 このほか、今年四月の親権に関する制度改正の円滑な施行など、児童虐待防止対策を強化するとともに、家庭的養護の推進など、社会的養護の質、量の拡充に努めます。
 年金制度を将来にわたって持続可能なものとするため、年金交付国債の発行、交付により、平成二十四年度の基礎年金国庫負担割合を二分の一とするとともに、老齢基礎年金等の年金額の特例水準を解消することなどを内容とする法案を提出しています。
 また、新しい年金制度について議論を進めるほか、年金の最低保障機能の強化や高所得者の年金額の調整、産休期間中の保険料負担免除、短時間労働者への社会保険の適用拡大、被用者年金の一元化などの現行の年金制度の改善を図るとともに、年金交付国債の償還などに必要な法案をこの国会に提出します。
 年金記録問題については、紙台帳とコンピューター記録の突き合わせを進めるとともに、ねんきんネットの充実などにより、いつでも手軽に年金記録を確認できる取り組みなどを進めていきます。
 日本の再生のためには、経済成長とともに、社会が安定し、将来に対する希望を持てる環境をつくることが重要です。現在の雇用情勢は、震災の影響もあり、一部に持ち直しの動きが見られるものの、依然として厳しい状況です。
 このため、円高等の雇用への影響も注視しながら、厳しい雇用情勢の改善に全力で取り組むとともに、日本再生の基本戦略に基づき、分厚い中間層の復活を目指し、雇用の創出や質の向上に取り組みます。
 具体的には、新卒者を初めとする就職環境が大変厳しい若者について、ジョブサポーターと学校が連携した就職支援を一層強化するなど、新卒者支援をさらに充実させます。また、日本再生の基本戦略に盛り込まれた若者の雇用に関する戦略を今年半ばまでに策定し、将来を担う若者が安定した雇用につけるよう全力を尽くします。
 雇用保険制度については、平成二十三年度末までの暫定措置とされている給付日数の拡充措置を二年間延長することなどを内容とする法案を提出しています。
 高齢者雇用については、雇用と年金を確実に接続させ、無年金、無収入となる高齢者が生じないよう、希望者全員の六十五歳までの雇用確保措置を内容とする法案をこの国会に提出します。
 また、有期契約労働者の雇用の安定と公正な待遇を確保するため、有期契約が五年を超えて反復継続する場合に、労働者の申し出により無期契約に転換させる仕組みの導入等を内容とする労働契約法改正案をこの国会に提出します。
 さらに、パートタイム労働対策について、労働政策審議会で議論を進めるとともに、成長分野での人材育成や雇用のセーフティーネットとして、職業訓練を初めとする職業能力開発施策を積極的に推進していきます。
 このほか、全ての人の自立した生活の実現に向け、生活困窮者対策と生活保護制度の見直しに総合的に取り組むための生活支援戦略を、ことしの秋をめどに策定します。
 介護・福祉政策については、将来にわたって持続可能な介護保険制度を構築し、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けることができるよう、今回の介護報酬改定等により、地域包括ケアシステムの構築を進めるとともに、介護人材の安定的な確保に向け、介護職員の処遇改善に取り組んでいきます。
 また、障害者が地域社会で安心して暮らせるよう、障害者基本法の改正を踏まえた理念の創設、障害者の範囲やサービス体系の見直しなど、障害者施策のさらなる充実を図るための法案をこの国会に提出します。
 医療・健康対策については、地域の医師不足問題に着実に対応するとともに、来年度を在宅医療・介護あんしん二〇一二と位置づけ、適切な医療・介護サービスの提供により、地域で安心して暮らすことができる体制の構築に取り組んでいきます。
 また、今回の診療報酬改定では、安心、安全で、質の高い医療を提供するための財源を確保しました。医療従事者の負担軽減や、医療と介護の連携、在宅医療の充実を初めとする地域医療の再生などに取り組んでいきます。
 さらに、国民皆保険の基礎として重要な役割を果たしている国民健康保険の安定的運営を確保するため、財政基盤強化策の恒久化、財政運営の都道府県単位化の推進、都道府県による財政調整機能の強化などを内容とする法案を提出しています。高齢者医療制度の見直しについても、関係者の理解を得た上で法案が提出できるよう、検討、調整を行っていきます。
 予防接種制度全体の見直しに向けた検討や、難病、肝炎、がん、生活習慣病といったさまざまな疾病を抱える方々への支援策も引き続き進めていきます。
 このほか、日本発の革新的な医薬品、医療機器等の創出により、健康長寿社会を実現するとともに、国際競争力強化による経済成長に貢献することを目指す医療イノベーションの推進に取り組んでいきます。
 国民の生命や健康を守るため、新型インフルエンザ対策を初めとする健康危機管理対策に万全を尽くします。
 医薬品等による健康被害の再発防止やドラッグラグ、デバイスラグの解消を図るための取り組みを進めていきます。
 援護行政については、戦没者の遺骨帰還事業や慰霊事業、戦傷病者、戦没者遺族、中国残留邦人等に対する支援策をきめ細かく実施します。
 このほか、派遣労働者の雇用の安定や派遣事業の適正化のための労働者派遣法改正案、メンタルヘルス対策等を内容とする労働安全衛生法改正案、年金の第三号被保険者の不整合記録問題に対応するための主婦年金追納法案は、継続審議となっていますので、早期の成立をお願いします。
 以上、厚生労働行政の当面する主な課題について説明させていただきましたが、ほかにも、厚生労働行政には多くの課題が山積しています。
 池田委員長を初め委員の皆様には、一層の御理解と御協力をいただきますよう、よろしくお願いをいたします。(拍手)

発言情報

speech_id: 118004260X00120120302_006

発言者: 小宮山洋子

speaker_id: 492

日付: 2012-03-02

院: 衆議院

会議名: 厚生労働委員会