馬淵澄夫の発言 (社会保障と税の一体改革に関する特別委員会)

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○馬淵委員 内閣府、すなわち政府としては、九七年、このときの景気後退と消費税の関係というのに関しましては、これは、「「主因」であると考えるのは困難である。」このように結論づけられています。
 そして、この主因であるとは困難だと考える理由として、まずは、いわゆる所得の低下が消費にどういう影響を与えたかということについて、これは宇南山神戸大学大学院准教授の論文をもとに、所得の低下が消費に与えた影響というものは実は少ないんだ、こういうことから、今内閣府の説明にあった結論を導いています。
 当時は、九七年四月の税率引き上げによって、マイナスの所得効果は〇・三兆円、対GDP比で〇・〇六%だと研究の中で明らかにされています。すなわち、所得の低下が消費にはほとんど影響はなかった、こういうことを政府としては内閣府のレポートの中で一つの結論として導いているわけでありますが、一方で、実は宇南山論文には二つの検証がありました。もう一つの検証が入っています。
 それは何かというと、消費増税前後のいわゆる消費の変動であります。これは駆け込み需要と反動減ということであります。これに関しては、当時、宇南山先生の論文の中でも明らかになっているのは、駆け込み需要並びに反動減で一〇%以上の変動があったとされています。消費税率の引き上げが二ポイント、三%から五%の二ポイントの引き上げ、さらには徹底した周知期間がとられていました。にもかかわらず、増税前後での変動の幅一〇%以上というのは、これは看過できない、無視できない水準であるとしています。景気への大きな影響を与えないためにも、消費税引き上げの際の十分な移行措置の必要性ということを宇南山先生はこの論文の中でも指摘をしている。
 内閣府の研究報告では、実はこの二つの検証のうちの一方の、ある意味都合のいいところだけをとって、消費増税が景気の影響の大きな主因ではないとされていますが、一つ明らかに言えることは、私は、こうした消費増税のインパクトというものが変動となって起きるという事実については、しっかりと受けとめなければならないということだと思います。
 そしてその上で、政府、国家というものは、まさに経済は生き物です、経済をしっかりと安定させるということが最大の使命でもある。そのことを考えれば、こうした景気の変動、移行措置ということについては十分に施策を打っていかなければならないのではないか、私はそのように考えるわけであります。
 このように、日本経済状況は、まだまだ全治三年の中で完治し得ていない状況、また世界の経済状況も、欧州債務危機が迫りくる中、さらには消費増税のインパクトというものがどういう形で起きてくるかという過去の教訓を踏まえた上で考えると、実は私は、ここで経済状況の好転を確認する附則の十八条、政府はこれはあくまでも目標値だとおっしゃっておりますが、党内議論の中でもありましたように、弾力条項として強く認識すべきではないのかということを、今私が申し上げたような議論の中で、論旨の中で、私は総理のお考えを改めてお尋ねさせていただきたいというふうに思います。

発言情報

speech_id: 118004401X00620120523_020

発言者: 馬淵澄夫

speaker_id: 27633

日付: 2012-05-23

院: 衆議院

会議名: 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会