三ッ矢憲生の発言 (本会議)
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○三ッ矢憲生君 自由民主党の三ッ矢憲生でございます。
私は、自由民主党・無所属の会を代表して、平成二十四年度予算政府案には反対、自由民主党・無所属の会提出の編成替えを求める動議に賛成の立場で討論を行います。(拍手)
なお、我が党は、復興特別会計を含む復興関係予算には賛成であります。このため、一般会計予算、特別会計予算、政府関係機関予算の分割採決を主張しましたが、残念ながら政府に応じていただけなかったため、結果、予算全体に反対することとなった経緯を一言申し添えます。
あの三月十一日から一年がたとうとしております。討論の前に、震災によって亡くなられた方々に対して改めて哀悼の意を表しますとともに、いまだ続く被災された皆さんの御苦労に対し、心よりお見舞いを申し上げます。
さて、各種世論調査の最近のトレンドとして、支持政党なしが過半数に迫りつつあります。それは、物事が決まらない、決められない、前に進まない政治のていたらくに、国民の不満、不信、そして無関心が日を追うごとに高まっている証左にほかなりません。
普天間基地移設問題、一票の格差の問題等々、何も決まらない、決められない事例には枚挙にいとまがありません。税と社会保障の一体改革に至っては、首相の空元気ばかりが目立ち、具体的な議論が進みません。一日も早く党内をまとめ、具体的な法案の提出をお願いしたい。そうすれば、我々は堂々と議論いたします。
それでは、我が党が政権を奪還したならばどうするのか。予算の編成替えから始まる日本新生への我が党の政策ビジョンはいかなるものなのか。本論に入る前に、大きく四点ほど申し上げたいと存じます。
第一は、東日本大震災からの迅速かつ本格的な復興についてであります。
我が党は、昨年、持てる力の全てを投入し、復旧復興に協力してまいりました。しかしながら、復興のおくれは明らかです。一年がたとうという今日に至っても、被災者の生活再建、被災地の将来への展望はいまだ開けない状況が続いていることを肝に銘じなければなりません。我が党は、三月十一日を前にして、復興加速への十の方策を提案しており、今後とも全力で取り組む覚悟であります。
二つ目は、デフレ、円高からの脱却と日本経済の再生についてであります。
デフレからの早期脱却を果たすため、GNI、国民総所得ベースで、実質三%、名目四%の成長を巡航速度とし、海外の経済成長を国内雇用の維持発展に取り込む新たな国家経済モデル、すなわち、貿易立国であり投資立国でもある双発型のエンジンを持つ強い国家をつくります。
また、雇用の創出と持続的成長を実現するため、財政健全化の着実な進展を世界に発信するとともに、デフレ、円高からの脱却に向けて、欧米先進国並みの物価目標二%程度を政府、日銀の協定で定めるとともに、日銀の国債管理政策への協調などにより、大胆な金融緩和を断行します。
同時に、東日本大震災被災地復興事業や国土全体の強靱化事業などを起爆剤として、民需主導による有効需要の創出を図るとともに、大胆かつきめ細かい成長戦略を強力に、かつスピード感を持って推進することにより、日本経済を持続的な成長軌道に乗せます。
三つ目は、自助自立を基本とした、安心できる社会保障制度の構築についてであります。
我が国の社会保障費は、高齢化や医療技術の進歩などに伴い年々増加し、今後、さらに増大するとともに、社会保障の必要性が多様化することも予想されます。
我が国の社会経済の現状や将来の姿を見据え、党綱領に示すとおり、自助自立を第一とし、共助、さらには公助を適正に組み合わせるという基本的な考え方に立って、持続可能な形へ、受益と負担の両面にわたり必要な見直しを行います。
最後は、日本を強くしなやかな国へ、国土の強靱化についてであります。
東日本大震災や相次ぐ台風被害等で国土の脆弱性が露呈し、我が国は、防災面だけでなく、政治、経済、文化、社会のあらゆる面の見直しを強いられています。
このような大震災等により、多くの国民のとうとい命が奪われ、国土に破滅的な被害が生じた後に、その復旧復興に巨額な支出を余儀なくされることを甘受する事後復興の考え方を改め、事後復興よりもはるかに少ない額で計画的かつ賢明な投資を行い、大震災等の被害の額を大幅に縮減する、事前復興の考え方をとることとします。
我が党は、ハード、ソフト両面で災害に強い国、都市、町をつくり、バックアップ機能を強化した国土を形成するために、国土強靱化を予算の根本に据えます。近い将来発生することが予想される巨大地震、津波などに十分耐え、なおかつ、すぐに回復可能な、強くしなやかな国土をつくり上げます。
以上が、我が党が提示する主な政策ビジョンであります。これらの考え方のもと、我が党の提出する予算組み替えを御説明いたします。
平成二十四年度政府提出予算には、先ほど塩谷総務会長が指摘したように、見せかけだけの粉飾予算であること、マニフェスト破綻予算であること、さらに、三党合意違反予算といった根本的な問題があります。加えて、デフレ・円高対策の無策ぶりや地方への配慮の欠如など、問題点満載であります。
我が党は、政権交代を果たし、予算をつくり直していくとの立場から、平成二十四年度予算の編成替えを求める動議を提出いたしました。
そのポイントを申し上げれば、一、復興予算はもちろん、国土強靱化元年にふさわしい、真に必要な社会資本整備を進めるための公共事業関係費を確保する、二、地域から日本経済再生の支援を行う地域経済対策特別交付金と地域雇用創出緊急交付金を創設する、三、農業の戸別所得補償制度を改め、頑張る農家に報いる農政、地域のきずなを強める農政の実現を目指す農業予算にかえる、四、高校授業料無償化を改め、給付型奨学金の創設や公私間格差の是正を図る、五、国を守る観点から、防衛予算の縮減に歯どめをかけ、予算の増額を図るとともに、サイバーセキュリティー対策を強化するなど、真に必要な分野については重点的に予算を配分する考えであります。
その一方で、民主党のマニフェスト関連経費の見直しや、国と地方公務員の人件費削減によって国費ベースで一兆五千億円のスリム化を行い、不断の無駄撲滅で五千億円程度、また、生活保護費の抑制により、国費ベースで八千億円等を削減いたします。
また、我が党は、将来への投資に大胆に取り組むとともに、持続可能な財政の確立にも責任を持って対応します。
二〇一〇年の参議院選挙公約では社会保障を支えるための消費税率一〇%を約束しましたが、正直に真実を語ることが、政治を行う上での大前提であると考えています。その意味でも、基礎年金国庫負担割合二分の一への引き上げの財源については、交付国債によるのではなく、特例公債を発行して財源を確保すべきと考えます。
以上、我が党が考える組み替えによる予算の総額は、基礎年金国庫負担引き上げ分を含め、総額九十一・八兆円であります。国庫負担引き上げ分を差し引けば、八十九・二兆円であり、予算の追加重点配分を行っても、政府の予算総額の九十・三兆円よりも一・一兆円減額した予算となります。
なお、我が党の提案する経済成長戦略の実施や大胆な金融緩和政策の断行により、デフレから早期に脱却し、その結果、景気回復と税収増を図り、赤字国債の発行額をさらに削減することが可能であることも申し添えたいと思います。
我々の提案する、一人一人を強く豊かにするための正直に真実を語る予算、これは絶対に必要な編成替えであります。本当に国民生活を第一に考えるのであれば、政府・与党の皆さんには、我々の動議の内容を真摯に受けとめ、賛成の意思をぜひとも示していただきたいと思います。
ローマは一日にして成らずと言われますが、ローマは一日にして崩壊してしまったと言っても過言ではありません。どうしてそうなってしまったのか。
ローマは、勢力の盛んなときにどんどん版図を拡大し、植民地をふやしていった。その植民地から安い穀物がローマに流れ込み、貧富の差が拡大するとともに、本来のローマ市民の中核である自作農は、自活能力を失い、都市に流れ込んでくるようになりました。それらの都市流民に対し政府が行ったのは、パンとサーカスの提供だったわけです。
結果、何が起こったのか。
あのローマ帝国を支えた強靱な市民性は惰弱なものとなり、兵役の義務さえ怠るようになり、国防は傭兵任せとなってしまい、蛮族の侵入により、ローマはあっけなく崩壊してしまいました。どこかの国の今の状況に酷似しているではありませんか。
聞くところによると、今、若い世代の間でデフォルト待望論が蔓延しつつあるそうです。一旦リセットしてほしい、そう考えているのです。資産や年金を初めとする社会保障など世代間の不公平、そして、仕事や所得の面での世代内の不公平、こうした不満や不安が大きく渦巻いているのです。これは、民主主義の根底を揺るがしかねない、ゆゆしき事態です。
福沢諭吉は、一身独立して一国独立すると言っております。今、我々がなすべきことは、正直に真実を語り、真の社会正義を実現し、国民一人一人に自立を促すことではないでしょうか。政府はそのための手助けをすべきなのであります。
今や、政治に対する信頼も地に落ちています。最大の原因は、政治家が、言うこととやることが違うからなんです。政治は、その責任として、早急に信のある政権をつくり直さなければなりません。
全ての政党がもう一度国民の審判を受けて、政治を、前に、次のステージに動かそうではありませんか。そのことを強く申し上げ、私の討論といたします。ありがとうございました。(拍手)