笠井亮の発言 (本会議)
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○笠井亮君 私は、日本共産党を代表して、二〇一二年度総予算三案に反対の討論を行います。(拍手)
第一は、消費税増税を前提とした予算だからです。
野田内閣は、社会保障・税一体改革と称して消費税一〇%への大増税を進めようとしていますが、これは、国民生活に深刻な打撃を与え、経済も財政も破壊するものです。本予算は、基礎年金国庫負担二分の一に必要な財源に交付国債を充てることとし、その償還財源を消費税増税で賄うとしているのであります。このようなやり方は、到底許されません。
社会保障の財源は、証券優遇税制の廃止、新たな法人税減税の中止など、富裕層や大企業を優遇する不公平税制の是正を行うこと、八ツ場ダムや東京外環道などの大型開発や、軍事費など、歳出の無駄にメスを入れることによって確保すべきであります。
第二に、社会保障切り捨ての予算となっていることです。
野田内閣は、消費税増税は社会保障のためと言いますが、一体改革は切り捨てのメニューがメジロ押しです。
年金支給額は、特例水準の解消、物価スライドを口実に、過去最大の削減となります。この四月から、後期高齢者医療制度、介護保険制度の保険料がともに大幅に値上げされます。これらは、高齢者の生活を直撃するものです。
民主党の看板政策だった子ども手当を廃止し、手当を大幅削減しています。その一方で、年少扶養控除廃止による住民税の増税が実施され、児童扶養手当も削減されるなど、子育て世代に厳しい予算となっているのであります。
国民に消費税増税を押しつけ、社会保障は削減する、まさに一体改悪と言わなければなりません。今求められていることは、医療、年金、介護、障害者福祉、失業対策、生活保護など、あらゆる分野で大きく崩された社会保障の再生に踏み出すことです。
第三に、国民の生活を支え、長期にわたり低迷、後退に陥った日本経済を立て直す予算とはなっていません。
外需依存の成長戦略、大企業の利益最優先の経済政策は、既に破綻しています。今必要なことは、国民の所得をふやし、内需主導の経済政策に転換することです。人間らしい労働のルールの確立、本格的な中小企業振興策の実施、食料自給率の向上と農林漁業の再生など、抜本的な対策を進めるべきです。
日本の農業に壊滅的打撃を与え、地域の雇用と経済を破壊するTPPへの参加はやめるべきです。
アメリカは、交渉を通じて、郵政完全民営化、金融、保険、医療、食品安全基準、公共事業など、あらゆる分野での規制緩和、市場開放を求めています。これは、国民の生活と安全を脅かすものであり、断じて認められません。
また、労働者派遣法が、昨日の厚生労働委員会で、民主、自民、公明の三党修正によって全くの骨抜きにされ、この本会議で採決されようとしています。
政府案は、製造業派遣、登録型派遣の原則禁止を言いながら、常用雇用や専門二十六業種を除外するなど、大きな抜け穴がありました。その極めて不十分な政府案ですら、アンチビジネスなどと言って反対する財界の言いなりになり、国民への公約を投げ捨てた民主党政権の責任は、極めて重大です。
第四に、沖縄の米軍普天間基地問題で、辺野古への新基地建設を沖縄県民の総意を踏みにじって押しつけようとしていることは、断じて認められません。しかも、政府が強行した環境影響評価書は、その内容が極めてずさんなだけでなく、その事業そのものにも重大な疑惑があります。グアムへの米軍基地建設経費の負担は中止すべきであります。
武器輸出を全面禁止した国会決議を、一片の内閣官房長官談話で覆し、武器の国際共同開発・生産に道を開くことは、憲法の平和の理念を踏みにじるものであり、断じて許されません。
第五に、東京電力福島第一原発事故から一年たった今も、東電と国は被災者への全面賠償に背を向け、除染も遅々として進んでいません。根拠もなく収束宣言をした政府に対し、多くの国民、被災者から不信と憤りの声が上がっているのは当然であります。
原発事故の収束、損害の全面賠償、電力の安定供給と再生可能エネルギーの急速な普及のためには、東電とメガバンクなど利害関係者に責任と負担を求めるべきであります。地域独占体制と、ブラックボックスの総括原価方式に全面的なメスを入れ、電気代の大幅値上げはやるべきではありません。原発を再稼働するなど、断じて認められません。原発からの撤退こそ、今、政治決断すべきなのであります。
間もなく三月十一日を迎えます。東日本大震災の被災地では、懸命な努力が続けられています。復興への展望を本格的に切り開くためには、そのかなめである働く場の確保、農林水産業の再建など、被災者の生活となりわいの再建に、国がその責任を果たし切らなければなりません。
以上を強調し、討論を終わります。(拍手)