野田佳彦の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(野田佳彦君) 民主党を代表しての古本伸一郎議員の御質問にお答えをしてまいります。
まず、社会保障の安定財源確保と財政健全化についての御質問をいただきました。
国の税収が歳出の半分すら賄えていない状況に照らせば、社会保障関係費は、その相当部分を将来世代の負担にツケ回ししているのが現状であり、さらに、毎年一兆円規模の自然増が不可避となっております。また、社会保障費の増加に伴う歳出の増加に対して、これまで十分な税収を確保してこなかった結果、公債残高は著しく増加し、その元利払いのための国債費に税収の半分以上が充てられている状況であります。
議員御指摘のとおり、この自転車操業のような状況をこれ以上続けるべきではありません。これからの日本の社会保障、そして、日本の財政が持続可能となるかどうかという、まさに正念場だと思います。
社会保障の安定財源確保と財政健全化の同時達成への第一歩を踏み出す社会保障と税の一体改革は、まさに逃げることのできない課題であり、国家国民のため、与野党が建設的な議論を行い、改革を実行していくことが必要であると考えます。
次に、消費税増税と政権交代に関するお尋ねがございました。
今般の法案は、自公政権時代に成立した平成二十一年度税制改正法附則百四条の規定に従って提出したものであり、自公政権時代の問題提起も踏まえながら、政権交代によって政策運営に責任を負う与党となった民主党として、一昨年十月以来、党内の政治家同士による熟議に熟議を重ねてまとめたものであります。
一体改革は、先送りすることのできない、与野党共通の課題であります。この改革は国民に御負担をお願いするものであり、自民党、公明党も、与党時代の経験から、その難しさをよく御認識されているものと思います。政治が、この困難な課題から逃げることなく、与野党が互いに胸襟を開いて大いに議論し、決められない政治からの脱却を目指したいと考えます。
次に、年金国庫負担二分の一の財源をめぐる経緯と、消費税増税の必要性についてのお尋ねがございました。
自公政権下の平成十六年の年金改正において、税制抜本改革で安定財源を確保した上で基礎年金国庫負担を二分の一に引き上げることを決めましたが、税制抜本改革を実現できないまま平成二十一年度から国庫負担二分の一への引き上げを実施したことから、毎年度の予算編成において、三六・五%との差額を賄うための財源確保に苦心してきている状況であります。
年金法本来の考え方に立ち戻り、消費税率引き上げにより基礎年金国庫負担の引き上げ財源を確保する必要性については、例えば野党第一党の自民党とも認識を共有しているところであり、党派を超えて、力を合わせて取り組むことをお願いしたいと考えております。
また、議員御指摘のとおり、二〇一四年には団塊世代の全員が年金受給者となり、年金、医療などの社会保障費の一層の増加が見込まれることからも、社会保障の負担を先送りせず、消費税引き上げを決断しなければならない、極めて切迫した時期であると考えております。
次に、社会保障と税の一体改革が目指す社会についてのお尋ねがございました。
私は、きょうよりもあしたがより豊かで幸せになるという希望を誰もが持つことができる社会をつくることが、国づくりの基本であると考えております。少子高齢化という避けられない社会環境の変化や、現代という新しい時代の文脈に即した形で、誰もが希望を持てる社会をつくり上げ、それを将来の世代に引き継いでいくことこそが政治の使命であると考えております。
我が国では、家族や社会のあり方が過去の時代と大きく変わっていると思います。高齢者の介護や子育てなど、かつては家族で担ってきた役割を社会全体で担うことが求められているのだと思います。
このため、今回の一体改革においては、給付面で、子ども・子育て支援などを中心に未来への投資という性格を強め、社会保障制度を全世代対応型に転換するとともに、負担面でも、従来は所得税や保険料の形で現役世代が中心となって負担してきた費用を、国民全体が皆で分かち合うという考え方のもと、世代を通じて幅広い国民が負担する消費税率の引き上げに取り組んでいくこととしております。
次に、軽減税率の導入についてのお尋ねがございました。
食料品等に軽減税率を導入することについては、合理的な線引きが困難であり、商品、サービス間で不公平感が生じ得ること、適用税率ごとの区分経理やインボイス制度の導入が必要となり、事業者の事務負担が増加することなどを踏まえ、今回の改革においては単一税率を維持することとしたところであります。
所得の低い方々への対応については、二〇一五年度以降の番号制度の本格稼働、定着後の実施を念頭に、給付つき税額控除等の施策を導入するほか、その実現までの間の暫定的、臨時的措置として簡素な給付措置を実施することとし、現在検討を進めております。
次に、消費税の全額社会保障財源化についてのお尋ねがございました。
今回の一体改革は、さきにも申し上げたとおり、給付面で社会保障制度を全世代対応型に転換するとともに、負担面でも、現役世代中心の負担から、世代を通じて幅広い国民が負担することにするものであります。
こうした基本的な考え方に立って、社会保障の充実、安定化を図るために、消費税率の引き上げにより得られた安定財源は、全額社会保障財源化し、国民に還元をいたします。官の肥大化には一切使いません。
このような一体改革の意義や内容について、これまでも、私や関係閣僚が全国で対話集会を行うなど、積極的に発信をしてまいりましたが、政府として、引き続き、国民の御理解が得られるよう工夫、努力をしてまいります。
次に、一体改革に関する基本認識についてのお尋ねがございました。
社会保障の立て直し、そのための安定財源の確保、この国民的、国家的な課題を何とかしたいという思いは、前の政権でも同じであったと私は思っております。
我々民主党が政権を担っている今日、いろいろな条件も重なり、いよいよ待ったなしの状況になった。与党である以上、人のせいにはできない、責任を持って現実の課題に対する回答を示し、相互理解のもとで、お互いの違いを乗り越えていかなければならないと決意をしている次第であります。
最後に、一体改革の実現に向けた決意についてのお尋ねがございました。
未来を担う子供たちが、そして今を生きる現役世代が、将来、この国に生まれてよかったと思える国にするためにも、持続可能な社会保障制度をしっかりと構築していかなければなりません。私は、子育て世帯を中心とする現役世代への支援を広げ、働く世代や子供の貧困への対応などによって、ぬくもりのある社会を取り戻したいと思います。
団塊世代が支える側から支えられる側に移ることにより加速する社会保障費の自然増、さらには、欧州の経済状況などを踏まえれば、改革は待ったなしであります。また、将来世代のポケットに手を突っ込んで制度を維持する今の姿は、我々世代の責任をもって改めなければなりません。
改革の必要性は、与野党ともに一致し、共有をしています。政府・与党として、建設的かつ実りある審議を進めて一致点を見出し、国民と日本の将来を切り開くためにお互いに努力をしたい、不退転の決意を持って臨みたいと思います。(拍手)
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