野田佳彦の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(野田佳彦君) 公明党竹内議員の御質問にお答えをしてまいります。
まず、総選挙時の消費税に関する訴えについての御質問をいただきました。
前回の総選挙はいわゆるリーマン・ショック後に行われており、その時点で経済状況が厳しいことは十分に認識をしていましたが、それでも、九兆円もの急激な税収減が生じることまでは想定できませんでした。この点も含めまして、マニフェストの財源確保について、実現可能性の見通しが甘かったこと、検討が不十分だったことは事実であり、この点については、昨年の中間検証でも率直に認め、おわびをしておりますが、改めておわびを申し上げたいと思います。
〇九年の総選挙時点で、任期中に消費税率引き上げは行わない、税率引き上げ実施の際には国民に信を問うと申し上げておりました。さきの総選挙における私たちの発言に舌足らずや行き過ぎた点があったこと、そして、マニフェストを含めて、野党時代の私たちに甘さや検討の不十分さがあったことについては、真摯に反省し、おわびをいたします。
これまでの説明不足を踏まえ、今回の改革の意義と必要性を丁寧に国民に説明し、御理解いただくことに全力を挙げるとともに、公明党の御批判と御提案を真摯に伺い、一致点を見出して、何としても改革を実現したいと考えております。
次に、総選挙時の消費税に関する私の発言についてお尋ねがございました。
御指摘のとおり、〇九年総選挙マニフェストでは、消費税には触れておりません。一方で、インデックスには、「消費税改革の推進」という項目の中で、税率について、「引き上げ幅や使途を明らかにして国民の審判を受け、具体化します」と書いてあります。
総選挙時の私の発言については、先ほど申し上げたとおり、舌足らずや行き過ぎた部分があり、この点は、率直に反省をしておりますし、おわびを申し上げたいと思います。御批判は真摯に承ります。
同時に、改革に待ったなしの今日、国会審議の中で、御党の建設的な御提案も誠実に受けとめさせていただきます。社会保障の改革と安定財源の確保という共通目的のために、御協力を切にお願いいたします。
解散についてのお尋ねがございました。
消費税率の引き上げについては、マニフェストには記載をしておりませんが、政権交代後に税収の大幅な落ち込みが明らかになり、東日本大震災などが重なって、その早急な回復が見込めないこと、社会保障費の自然増や基礎年金国庫負担問題、欧州の金融危機が波及しかねないことなどから、消費税の問題をもはや先送りする時間はないと判断をいたしました。
民主党が前回総選挙時に国民に約束したことは、衆議院の任期中には消費税の引き上げは行わない、税率引き上げを実施する際には国民に信を問いますということであります。したがって、提出法案に明記してあるとおり、現在の政権任期中において消費税率の引き上げは行いません。当然、引き上げの前には総選挙で民意を問うことになります。
反省するべきは真摯に反省し、そして、内閣の使命、やるべきことをなし遂げた後には、しかるべき適切な時期に、民主党の政策判断の是非について民意を問います。
次に、目指すべき社会保障改革と年金抜本改革と高齢者医療制度の見直しについてのお尋ねがございました。
一体改革大綱では、子ども・子育て、医療、介護、年金など社会保障制度全般にわたり、改革の項目や実施時期、手法など、改革の全体像を既にお示ししております。さらに、社会保障の費用と負担について、一定の前提を置いた上で、公費と保険料の負担の内訳を含めた将来の見通しも示しております。
また、年金抜本改革と高齢者医療制度の見直しは直ちに撤回すべきとの御指摘をいただきました。
しかし、年金制度については、最低保障機能の強化など現行制度の改善が必要であるとの問題意識は、与野党で共有されていると承知をしています。また、高齢者医療についても、支える国民健康保険など現行制度も大変厳しい状況にあることについては認識を一致できるのではないかと考えております。
ぜひ、各制度の向かうべき方向について、それぞれの認識、提案を持って、胸襟を開き、国民の立場に立って御協議に応じていただくよう、重ねてお願いをいたします。
社会保障改革についての御質問がございました。
今般提案をしている社会保障改革のうち、子ども・子育て新システムなどにつきましては自公政権時代の取り組みを尊重しつつ議論を進ませたところもありますが、その他の部分では、自民、公明両党のお考えに共通する部分も多々あるものと考えております。
その意味で、おっしゃるとおり、民主党が政権を担う中で、改めて、具体的な改革の手法、内容において取り入れさせていただいた点も多く、御検討の御労苦に感謝も申し上げたいと考えております。同時に、それゆえに、民主党としても反省すべきは反省した上で、一体改革の議論については、お互いに胸襟を開き、率直な議論を行う中で、一致点は必ず見出せるものと考えております。
なお、今回の提案において、過去において民主党が問題点を指摘した内容と部分的に同じ点や類似の点、違う点、その理由などについては、今後の審議、質疑の中で具体的にお答えをしていきたいと考えております。
経済状況と消費税率引き上げの関係についてのお尋ねがございました。
デフレ脱却や経済活性化に向けた取り組みは重要であり、これらと一体改革は同時に進めていかなければなりません。
このため、法案では、平成二十三年度から三十二年度までの十年間の平均において、名目三%程度、実質二%程度の経済成長を目指すという政策努力の目標を示し、こうした望ましい経済成長のあり方に早期に近づけるため、デフレ脱却や経済活性化に向けて必要な施策を講じていく責務を課していますが、これは、消費税率引き上げの前提条件として規定しているものではございません。
また、経済財政状況の激変にも柔軟に対応する観点から、税率の引き上げに当たっては、経済状況の好転について種々の経済指標を確認し、デフレ脱却や経済活性化に向けた総合的な施策等を踏まえつつ、経済状況等を総合的に勘案した上で、必要と認められる場合に、引き上げの停止を含め、所要の措置を講ずることとしております。
財源確保の状況についての御質問がございました。
〇九マニフェストでうたった財源確保については、政権交代後、全力で取り組んでまいりました。この結果、二十四年度予算までに確保した恒久財源については、歳出削減について、事業仕分けの結果なども活用し、対二十一年度比で二・九兆円程度、税制改正について一・一兆円程度となっております。また、このほか、税外収入について、二十二年度予算で十・六兆円程度、二十三年度予算で七・二兆円程度、二十四年度で三・七兆円程度を確保しております。
ただ、〇九マニフェストどおりの数字となっていない点については、昨年夏に取りまとめたマニフェストの中間検証において、リーマン・ショック後の大幅な税収の落ち込みなどとともに、マニフェスト作成時に検討、検証が不十分な部分があったことも率直に認め、真摯に反省しなければならないとしているところであります。
天下り法人への補助金や天下りの根絶についての御質問をいただきました。
国家公務員の再就職者が在籍している公的法人向けの財政支出について、例えば独立行政法人向け財政支出は、対二十一年度比で約三千億円の削減を行っております。
補助金の見直しに伴う事務費、人件費の削減については、その効果を定量的にお示しすることは困難ですが、公的法人向け支出の削減と合わせ、二十四年度予算までに確保した歳出削減による恒久財源二・九兆円の財源の一部に寄与しているものと考えております。
また、これら公的法人の見直しについては、独立行政法人の大胆な統廃合等により、法人数を四割弱削減するといった改革を行うこととしております。
天下りの根絶については、政権交代直後、府省庁による天下りあっせんを全面禁止するとともに、独立行政法人の役員公募の実施などに取り組んできたところであります。
さらに、今国会に提出している公務員制度改革関連法案においては、先般立ち上がった再就職等監視委員会の監視機能を強化することにしております。
特別会計改革による財政効果に関するお尋ねがございました。
特別会計については、政権交代後、約十五兆円の剰余金、積立金を一般会計の財源及び復興財源に組み入れるなど、最大限に活用してまいりました。
今回の特別会計改革による予算の削減効果を定量的に示すことは難しいものの、会計数を十七から十一に減らし、全体の勘定の数をおおむね半減させることにより、一般会計による財政のチェック機能が高まり、さらなる無駄の排除や対象事業の柔軟な見直し等を徹底することにより、財政資金の効率的な活用が達成されるものと考えております。
予算の全面的組み替え、行政改革、無駄の削減に取り組むべきとの御質問をいただきました。
行政改革や無駄排除については、政権交代以降、行政刷新会議を中心に大いに取り組み、事業仕分けや提言型政策仕分け、さらには行政事業レビューを実施し、予算に反映させるとともに、独立行政法人改革や特別会計改革等の制度改革につなげるなど、成果を上げてまいりました。
また、予算の組み替えについても、このような成果も踏まえつつ、公共事業について政権交代以降三年連続で減額する一方、特別枠を活用して必要性や効果の高い政策に予算を重点配分するなど、大胆な組み替えを行ってまいりました。
なお、改革から抜け落ちていると御指摘のあった独立行政法人については、不要資産の国庫納付や国からの財政支出の削減を行ってきたほか、本日、制度面の抜本的な改革を行うための法律案について閣議決定したところであります。また、先ほど申し上げたとおり、法人数を四割弱削減するといった改革を行ってまいります。
同様に御指摘のあった天下りの根絶についても、先ほど申し上げたとおり、これまでさまざまな取り組みを行ってきたところであります。
引き続き、全閣僚をメンバーとする行政改革実行本部を中心に、また、先日初会合を開催した、民間有識者を集めた行政改革に関する懇談会の議論の成果も反映させて、行政の無駄や非効率を排除し、総人件費改革を初めとする行政改革を推進してまいります。
最後に、低所得者対策についてのお尋ねがございました。
所得の低い方々への対応については、給付つき税額控除等の施策を導入、その実現までの間の簡素な給付措置の実施という方針を決定しております。
その具体的な内容は、今回の改革に盛り込まれた他の社会保障施策などを踏まえ検討していく必要があることから、今後、与野党の協議を踏まえ決定していくこととしております。
これらの措置に要する財源については、施策の内容の具体化を行う過程で、財政運営戦略等を踏まえ検討してまいります。
以上です。(拍手)
〔議長退席、副議長着席〕
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