野田佳彦の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(野田佳彦君) 民主党楠田大蔵議員の御質問にお答えをいたします。
まず最初に、九州北部豪雨による災害への対応についての御質問をいただきました。
まずは、九州北部豪雨によりましてお亡くなりになられました皆様の御冥福をお祈りするとともに、被災された多くの皆様に心からお見舞いを申し上げます。
七月二十日、私が被災地を訪れた際、御要望が多かった激甚災害の指定については、農地等の災害復旧事業の指定に向け、手続を速やかに進めるよう指示をいたしました。公共土木施設等についても、引き続き、被害額の把握等を進め、基準に達すれば、速やかに対応してまいります。
このほか、被災自治体への支援策として、普通交付税の繰り上げ交付等を行っています。
補正予算の編成については、経済情勢や財政状況を踏まえつつ、その時々において判断していくこととなりますが、引き続き、被災地支援には万全を期してまいる所存でございます。
次に、防衛大綱に対する認識について御質問をいただきました。
今次の防衛大綱は、政権交代という歴史的な転換を経て、民主党政権として十分な検討を行った上で策定したものであり、現下の安全保障環境を踏まえ、動的防衛力という方向を打ち出すなど、特色あるものとなっています。
防衛大綱で位置づけられた動的防衛力とは、防衛力の質、量という観点のみならず、運用のダイナミズムによって、新たな安全保障環境に対応しようというものであります。
政府としては、このような、従来にも増して即応性や機動性等を備えた動的防衛力の構築に向け、防衛力整備を着実に進め、いかなる危機にも迅速に対応する体制を整備してまいります。
次に、今後の危機管理のあり方についてのお尋ねがございました。
我が国の主権及び国民の生命、身体、財産を脅かす緊急事態に適切に対処することは、政府の最も基本的な責務であります。自然災害であれ、事件、事故であれ、どのような緊急事態に対処するに当たっても、まずは、政府全体として総合力を発揮することが重要です。
政府としては、御指摘のような近年発生した事案への対応等について、一つ一つしっかりと点検を行い、さまざまな緊急事態にも果断に対応できるよう、危機管理体制の充実強化に不断に努めてまいります。
次に、原子力発電所のテロ対策についての御質問をいただきました。
原子力発電所の安全性を確保する上で、テロなどに対する対応も重要であり、その必要性を認識しています。
具体的な対策としては、今般の事故の教訓を踏まえ、事業者に防護措置の強化を求めるとともに、国際原子力機関、IAEAの最新の勧告を踏まえた警備の強化を求めたところであります。
加えて、原子力発電所等の警戒警備体制の強化に必要な警察官の増員、警察及び自衛隊によるテロ対策共同訓練の実施など、関係機関が連携してテロ対策に取り組んでいるところであります。
次に、オスプレーの安全性の確認と配備の必要性についての御質問をいただきました。
オスプレーについて、地元の皆様には大変な御懸念、御心配をおかけしていることは十分認識をしており、重く受けとめております。現在、オスプレーの事故調査結果や安全性等に係る情報の早期提供を米側に求めているところであります。
政府としては、調査結果が日本政府に提供され、飛行運用の安全性がしっかりと再確認されるまでの間、日本において、いかなるオスプレーの飛行運用も行わないという方針であり、米国も同様の認識であります。
調査結果が得られた際には、専門家を含め政府全体でしっかりと分析、評価し、地元の皆様に丁寧に御説明をさせていただき、御理解が得られるよう全力を尽くしてまいります。
米海兵隊においては、今後、米海兵隊の航空部隊に求められる所要に対応するため、老朽化したCH46を、より基本性能の高いオスプレーに換装するプロセスを進めており、沖縄への配備についても、この一環で行われるものであります。
同機の沖縄配備により、在沖海兵隊の能力の向上、ひいてはアジア太平洋地域における日米同盟の抑止力の向上につながり、我が国の安全保障上、極めて重要であると認識をしております。
次に、我が国の自立した防衛力の整備についての御質問をいただきました。
我が国を取り巻く安全保障環境の厳しさが増す中、我が国の安全と繁栄を確保するためには、みずからの主体的な防衛力整備に努めるとともに、日米同盟の抑止力をさらに強化していく必要があると考えております。
この観点から、新しい防衛大綱では、安全保障環境の変化を踏まえ、防衛体制を再点検し、南西地域も含め、周辺海空域の安全確保や島嶼部における対処能力の充実を図ることとしたところです。
また、我が国の安全保障について、官邸が司令塔として適切に機能することが重要であるとの観点から、現在、防衛大綱を踏まえ、官房長官を長とする、国家安全保障に関する内閣機能強化のための検討チーム会合を中心に検討を進めているところであります。
なお、本年は、御指摘のような節目の年ですが、いずれにせよ、政府としては、我が国を取り巻く安全保障環境の変化に対応した防衛力整備を着実に進めてまいります。
次に、尖閣諸島をめぐる対応及び領土、領海警備についてのお尋ねがございました。
尖閣諸島が我が国の固有の領土であることは、歴史的にも国際法上も疑いがなく、現に、我が国はこれを有効に支配しております。したがって、尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題は、そもそも存在しません。
その上で、政府としては、尖閣諸島の平穏かつ安定的な維持管理を継続するとの観点から、さまざまなレベルで、さまざまな接触をして、総合的に検討しているところであります。
また、尖閣諸島付近海域においては、海上保安庁が関係省庁と連携して必要な警備を実施しています。自衛隊も、尖閣諸島を含め、我が国周辺海域の警戒監視活動をしっかりと行っており、引き続き、関係省庁が連携して、万全の態勢で警備に当たる考えです。
その上で、尖閣諸島を含め、我が国の領土、領海で周辺国による不法行為が発生した場合には、必要に応じて自衛隊を用いることも含め、政府全体で毅然として対応することになりますが、平素から危機管理体制を整え、外交努力を含め、そのような事態を未然に防止することが重要と考えます。
中国との関係については、本年の国交正常化四十周年の機も捉え、国益の視点に立って、日中両国の戦略的互恵関係の内容をさらに充実させていく考えであります。
次に、集団的自衛権等をめぐる議論についての御質問をいただきました。
政府としては、従来から、集団的自衛権の行使は憲法上許されないと解してきていると承知をしているところであり、内閣総理大臣として、現時点でこの解釈を変えるということはありません。
もとより、この問題については、さまざまな議論があってしかるべきであろうとは考えています。
このほか、御指摘のとおり、いわゆる駆けつけ警護などの論点を含む国連PKO等に対する協力のあり方、あるいは、我が国周辺の安全保障環境を踏まえた防衛力のあり方等の課題については、我が国の将来のために、議論を重ねていくことは大変重要なことであると考えております。
残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣森本敏君登壇〕