鈴木克昌の発言 (本会議)

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○鈴木克昌君 国民の生活が第一の鈴木克昌であります。
 私は、国民の生活が第一・きづなを代表して、野田内閣不信任決議案に賛成の立場から討論をいたします。(拍手)
 昨夜、またしても、民主党、自民党、公明党の三党による国民不在の談合政治が行われました。三党は、消費税関連法案は早期に成立を期す、成立した暁には、近いうちに国民に信を問うとの玉虫色の合意をいたしました。
 しかし、民主党政権は、政権交代に際し、消費税については四年間は引き上げないと国民に約束したはずです。その国民との約束をほごにして国民に増税を求めることは、国民を裏切るものであります。国民との約束は重いものであります。
 ところで、総理、総理は、民主党両院議員総会で、解散は総理の専権事項であり、どんな事情があっても明示しないと言われたと伺いました。近いうちにとは、野党の総裁に対し明示しているにほかなりません。総理、あなたは、相手によって言うことを変えているのであります。
 内閣不信任決議案の採決は、いわゆる五十人ルールができて以来、提出の当日か翌日に処理されてきました。しかし、今回は、提出の二日後のきょう、採決されようとしております。これは、密室の談合が行われた証左であります。まさに、党利党略、国民不在、密室談合の政治であります。
 今、国内外の経済情勢は、増税を許す状況ではありません。
 東日本大震災と福島の原発事故は、デフレ不況に追い打ちをかけました。さらに、ギリシャの財政破綻を口火にして、今や、G8の一角をなすイタリアでも財政不安が広がり、EUの金融危機は世界大不況にも発展しかねない状況であります。こうした中での消費税の増税は、家計を苦しめ、消費を冷え込ませてしまいます。これは、国民への背信行為であります。
 今我々がなすべきことは、革命的とも言えるような行財政の改革に取り組み、中央から地方へと権限を移譲するなど、日本の経済、社会の体質を改善することであります。
 財源は、特別会計を大胆に取り崩すなどからも生み出せます。必要なのは、政府、政治家の決断であります。政治の信頼が失われては、今の国難や世界の激動を乗り切ることはできません。今なすべきことは、政権交代の原点に立ち戻って、行財政改革を徹底して実行することであります。
 しかし、野田内閣は、国民との約束をほごにし、消費税増税をごり押ししようとしております。
 我々が、なぜ消費税増税に反対し、野田内閣を不信任とするのか、以下、その理由を申し述べます。
 まず第一に、消費税増税は、明白な公約違反であるという点です。
 野田総理は、税に群がるシロアリ、つまり、わたりなどの官僚利権を退治せずに消費税増税を行っても、その税収が再びシロアリの餌になってしまうと訴えていました。
 二〇〇九年八月十五日の街頭演説で、野田総理は、消費税五%分の皆さんの税金に天下り法人がぶら下がっている、シロアリがたかっているんです、それなのに、シロアリを退治しないで、今度は消費税を引き上げるんですか、消費税の税収が二十兆円になるなら、またシロアリがたかるかもしれません、鳩山さんが四年間消費税を引き上げないと言ったのはそこなんです、シロアリを退治して、天下り法人をなくして、天下りをなくす、そこから始めなければ消費税を引き上げる話はおかしいんですと述べていました。
 国民は、増税をしないという公約を踏まえて、民主党に政権を委ねたのであります。その民主党が、増税を提示して選挙で負けた自民党、公明党と結託して、消費税増税法案を成立させようとしています。
 野田総理は、国難に直面してやるべきことを先送りするのは責任ある政治ではないと強弁されますが、国民との約束をほごにすることは、議会制民主主義を冒涜するものであります。
 第二に、消費税増税は大不況を招くことであります。
 年間十三・五兆円もの負担増は、壊滅的な景気押し下げ効果をもたらします。日本経済は、確実に大不況に突入してしまいます。現下のデフレ不況下での消費税増税は、消費の冷え込みを引き起こし、中小企業、農林漁業など、弱い立場の人々の暮らしを直撃するでしょう。
 住宅建設業界では、二〇一四年度以降の冷え込みを心配しております。消費税増税で二十万戸の着工減があったとして、一戸二千五百万円としても、単純計算で五兆円の住宅投資減になります。これに伴う影響は、家電製品など耐久消費財購入がマイナス十兆円、就業誘発数はマイナス八十万人になるとの試算をしております。自動車販売業界では、二〇一四年度から一五年度に一五%から二〇%程度の需要減を想定しています。
 また、売上高三千万円以下の事業者の六割以上が、現状の五%でも消費税を価格に転嫁できておりません。二〇一〇年度には三千三百九十八億円もの消費税滞納が起きているのであります。
 消費税が一〇%になれば、中小企業の消費税倒産多発の可能性があります。さらに、GDPの減少により、五年目に失業率は一・六五%増加し、倒産件数は三千三百件、生活保護も九十九万人増加し、一・七兆円の生活保護増加が予測されております。
 このように、消費税増税は、我が国経済に壊滅的な打撃を与えることになります。
 第三に、社会保障改革が置き去りにされていることであります。
 増税は社会保障との一体改革がうたい文句であったはずです。ところが、社会保障部分は置き去りにされたままであります。月額七万円の最低保障年金創設、年金一元化などは、検討中になったままであり、まことに無責任な態度であると言わざるを得ません。
 社会保障の原理原則は、政府による所得再配分であり、社会保障制度の財源も、所得再配分にふさわしい税目である、所得税と法人税によって賄われるべきであります。高所得者に、より重い負担を求める累進構造を備えた所得税や、利益を出した法人に課す法人税を財源に、弱者への安全網を整えるべきと考えます。
 第四に、消費税増税は、生活が苦しい世帯を直撃することであります。
 消費税には逆進性があり、低所得者ほど重い負担が課せられます。消費税は、食料など、切り詰めることのできない生活必需品にもかかるので、所得の少ない人ほど負担が重くなります。例えば、年収二百五十万円未満の四人家族では、年間十二万円の負担増になります。年収八百万円から九百万円の世帯では、年間十九万円の負担増になります。
 まさに、消費税は、生活が苦しい世帯を直撃するのであります。低所得者への簡素な給付措置を行うようでありますが、いまだ検討中で、中身がはっきりしておりません。
 第五に、消費税増税は、逆に、税収を減らすことになります。
 九七年四月一日に消費税の税率を三%から五%に引き上げましたが、引き上げた九七年度の一般会計税収は五十三・九兆円で、前年度より増加しているものの、翌年九八年度には四十九・四兆円に減少し、その後も、九七年度の水準に達した年度はありません。
 消費税収は、大多数の中低所得者の生活消費からの割合が大きく、したがって、消費税増税は、人々の生活を困難にし、消費不況をさらに深刻にします。消費税増税は、焼け石に水どころか、逆効果なのであります。
 第六に、今回の消費税増税は、世界経済の情勢を勘案していないという問題があります。
 欧州情勢を見ると、金融危機は今後も残存し、経済弱小国のユーロ離脱にまで事態が進行する可能性が高いとも言われております。ユーロの下落傾向が持続し、日本経済は、円高傾向の下での景気低迷が持続するリスクがあります。中国では、権力がシフトしつつある中で、経済成長重視から分配の格差是正重視へと、経済政策の方針の変化が見込まれております。この影響で、中国経済の減速傾向が長期化する可能性が高まっております。米国経済を見ると、緊縮財政政策の呪縛のもとで減速傾向を強めております。
 こういった世界情勢の中で、有効な景気支持策のない巨大増税に突き進むことは、無謀と言うべきでありましょう。
 第七に、消費税を地方の基幹財源にするという視点がないことであります。
 消費はどこでも生じるので地方と都会の隔たりが少ないこと、行政サービスの対価として課税するので納得感も得られやすいこと、受益と負担の関係が明確になり、結果として地域の自立意識も高まること、そして、中央集権体制が国民の声に応えられなくなっている今、地域経済を活性化し、デフレ脱却を促進すべきことが挙げられます。
 今回の消費税増税は、国の都合で地方と国民生活を切り捨てる、時代に逆行したものであると言わざるを得ません。
 我々は、自立と共生の理念と、国民の生活が第一の原則に基づいて、日本をつくり直し、安全で公正な社会を実現します。国民の生活を直撃する消費税増税は、断固として阻止いたします。
 デフレ不況下での消費税増税は、消費の冷え込み、特に中小企業、農林漁業など、弱い立場の人たちの暮らしを直撃します。まずは、無駄遣いの多い特別会計、政府関係法人の統廃合と、官僚の天下りの全面禁止を断行すべきであります。
 増税に頼らずに、予算のつくり方を根本から見直し、国民の生活が第一の財源を確保すべきであります。国民との約束をほごにする消費税増税をごり押ししようとする野田内閣は、到底信任できるものではありません。
 ここに、我々は、国民の生活が第一の原則を貫くことを国民に改めてお約束をし、野田内閣不信任決議案に対する賛成の討論とさせていただきます。(拍手)

発言情報

speech_id: 118005254X03320120809_012

発言者: 鈴木克昌

speaker_id: 177

日付: 2012-08-09

院: 衆議院

会議名: 本会議