重野安正の発言 (本会議)

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○重野安正君 私は、社会民主党・市民連合を代表して、野党五会派で共同提出した野田内閣不信任決議案に賛成の討論を行います。(拍手)
 私たち野党五会派は、この間の民主、自民、公明の三党による国会運営の壟断を許さず、国民の多くが反対する消費税増税法案の採決を阻止するため、消費税増税法案の阻止の一点に絞って不信任決議案を提出いたしました。
 消費税増税は、民主党の政権公約に違反するもので、国民の多くが反対しており、こうした声に背く野田内閣は、信任に値しないのは当然であります。直近の世論調査では、野田内閣の支持率は危険水域をはるかに下回り、国民の支持を失っていることは明々白々であり、到底信任することはできません。
 まず、民主党政権が消費税率引き上げを言うのは、公約違反以外の何物でもありません。
 シロアリがたかっているんです、それなのに、シロアリ退治しないで、今度は消費税を引き上げるんですか、シロアリを退治して、天下り法人をなくして、天下りをなくす、そこから始めなければ消費税を引き上げる話はおかしいんですと訴えておられたのは、総理、あなた自身であります。
 しかも、民主党のマニフェストには、消費税引き上げは一言も触れられておりません。マニフェストに書いてあることをやらないで書いていないことをやる麻生政権を非難されていたのも、総理、あなた自身でありました。
 また、二〇〇九年九月の鳩山政権樹立の際の三党政策合意は、「連立政権は、家計に対する支援を最重点と位置づけ、国民の可処分所得を増やし、消費の拡大につなげる」、「現行の消費税五%は据え置くこととし、今回の選挙において負託された政権担当期間中において、歳出の見直し等の努力を最大限行い、税率引き上げは行わない」としていました。可処分所得を増加させ、国民生活を立て直すのが先なのに、消費税増税で負担増を押しつけるのは、全く真逆であります。
 厚労省の調査によれば、一世帯当たりの平均所得は、ピークの九四年から百万円以上も落ち、生活について苦しいと答えたのは、全世帯の六割を超え、過去最高となっています。
 今回消費税を引き上げれば、傷んだ家計に致命的ダメージを与えることになります。しかも、復旧復興に懸命に取り組んでおられます被災地、被災者にさらなる負担増の追い打ちをかけることになりませんか。
 消費税の欠陥である逆進性対策についても、軽減税率の適用を主張する公明党と、給付つき税額控除を主張する政府・民主党の話し合いがつかず、先送りされています。
 法人税は四・五%引き下げとなり、株式配当や譲渡所得は、何億円の所得があっても税率一〇%の優遇が適用されたままではありませんか。所得税の最高税率引き上げや、相続税など資産課税の強化も、三党協議で先送りされてしまいました。不公平税制には手つかずのまま、逆進性のある消費税だけが増税されるのであります。
 しかも、消費税を価格に転嫁できず、事業者が自腹を切って納税を余儀なくされる損税についても、手の打ちようがない状況ではありませんか。このままでは、中小企業事業者の倒産や廃業がふえることが目に見えております。
 三党合意を経て法案に追加された附則第十八条の二は、赤字国債で賄ってきた社会保障関係費を消費税で賄うもので、その分、建設国債発行の余力ができるとして、消費税増収分で公共投資を拡大しようというものであります。社会保障目的自体が、増税のためのレトリックにすぎなかったことが明白ではありませんか。
 この半年余り繰り広げられてきた民主、自民、公明の密室談合政治は、この一週間で頂点を迎えました。
 消費税増税法案の採決時期、さらには、解散時期の確約をめぐる民主党と自民党の駆け引きは、国民不在の、党利党略を最優先とした茶番劇であり、過去の政局と比べても、そのありさまは醜悪だ、このように思います。
 三党合意を潰してでも解散に追い込めという自民党と、三党合意を壊してでも解散を避けろという民主党の間の、国民不在の化かし合い。結局、野田総理が命をかけるとした一体改革というのはそんなものだったのか、このように我々は思います。
 何よりも、社会保障の空洞化の大きな要因となっているのは、雇用の空洞化や、格差、貧困の拡大です。国民一人一人が豊かになってこそ、財源がふえ、税収もふえるのであります。そのための雇用政策、社会保障政策の充実こそ、先にやるべきではありませんか。
 加えて、以下の点においても、もはや野田政権の正統性が失われていると断ぜざるを得ないことから、本決議案に我々は賛成の立場を重ねて表明するところであります。
 第一に、二〇三〇年までに原発ゼロを求める意見が約七割を占め、東電福島原発事故を受けた脱原発の世論の広がりが鮮明になっているにもかかわらず、教訓を顧みず、大飯原発を初めとする原発の再稼働に固執するとともに、原子力規制委員会人事において、これまでの原子力推進政策に関与していた立場にある、明らかに原子力村の人間を起用しようとしていることであります。
 第二に、沖縄県民の総意である普天間基地の県外、海外移設を踏みにじり、あろうことか、危険なオスプレーの配備を米軍とともに強行せんとしていることであります。
 第三に、財界とアメリカの利益のために、農業者、農林水産業に打撃を与えるだけでなく、暮らしや生活に大きなリスクをもたらす懸念があるTPPを推し進めようとしていることであります。
 第四に、長きにわたり既得権益構造の上に座り、官僚支配を許してきた自民党政治を根底から転換し、政策を根本から改めることを託されたのに、子ども手当、最低保障年金制度、後期高齢者医療制度、コンクリートから人へなど、民主党が二〇〇九年の総選挙で掲げた「国民の生活が第一。」のマニフェストを放棄し、自民党政権ですらやりたくてもできなかった政策を進め、政権交代への期待を無にしてしまったことであります。
 第五に、障害者自立支援法の根本的見直しを求めてきた障害者の皆さんの声、黒い雨地域の拡大を求めてきた被害者の声、差別を恐れ、申請をためらってきた水俣病の潜在的な患者の声、労働者派遣法の抜本改正を求めてきた派遣労働者の期待に耳を傾けず、官邸前に結集している大きな国民の怒りの声を音としか認識できない。その問題は、極めて大きい問題があります。
 終わりに、過半数の国民は、今でも消費増税に反対し、さらに、多くの国民が、今国会で増税法案を成立させる必要はないと答えています。それでも政治家として消費税増税が必要だと考えるなら、総理、今からでも遅くはない、近いうちとは言わず、法案の採決の前に衆議院を解散し、消費税増税に対する国民の信を問うべきであります。
 本決議案は、消費税増税に反対する国民の怒りの結晶であり、その賛否に政治家としての矜持と良識が問われると確信しています。合意した途端に同床異夢が明らかになっているのに、消費税増税を可決、成立させて、良心の呵責はないのですか。ここにおられる全ての皆さんが、いま一度、国権の最高機関に身を置いていることの重責を考えていただきたいと思います。
 議場にいらっしゃる皆さんの良心を信じ、賛成討論とします。(拍手)

発言情報

speech_id: 118005254X03320120809_020

発言者: 重野安正

speaker_id: 24379

日付: 2012-08-09

院: 衆議院

会議名: 本会議