小宮山洋子の発言 (本会議)

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○国務大臣(小宮山洋子君) ただいま議題となりました公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案と被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を説明いたします。
 まず、公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案について説明いたします。
 国民年金制度の創設から五十年が経過し、少子高齢化の進展、産業構造の変化、近年の非正規労働者の増加等、公的年金制度を取り巻く社会や経済の状況が大きく異なってきています。
 このような変化に対応し、公的年金制度を、信頼され、将来にわたって持続可能なものとしていくためには、年金の最低保障機能の強化を図るとともに、働く意欲を抑制しない、働き方に中立的な制度としていく必要があり、こうした観点に立って現在の公的年金制度の見直しを行うことが必要です。
 特に、公的年金制度を将来にわたって持続可能なものとしていくためには、基礎年金の国庫負担割合二分の一の維持と恒久化が不可欠であり、税制の抜本的な改革により、安定した財源を確保して基礎年金の国庫負担割合を二分の一とする必要があります。
 このような状況を踏まえ、現在の公的年金制度の機能強化等を図るため、この法律案を提出いたしました。
 以下、この法律案の主な内容について説明いたします。
 第一に、公的年金制度の最低保障機能の強化を図るため、老齢基礎年金、老齢厚生年金等の受給資格期間を二十五年から十年に短縮するとともに、所得に関する一定の基準に該当する受給権者は、老齢基礎年金、障害基礎年金等の額の加算を請求できるようにすることにしています。この措置の導入と併せて、所得が一定の基準を上回る受給権者の老齢基礎年金について、その額の二分の一を上限に支給を停止する措置を設けることにしています。また、遺族基礎年金について、父子家庭にも支給することにしています。
 第二に、公的年金制度を将来にわたって持続可能なものとしていくため、安定した財源を確保して基礎年金の国庫負担割合を二分の一とする年度を平成二十六年度と定めるとともに、平成二十四年度の基礎年金の国庫負担割合を二分の一とするための差額分等として発行される国債の償還期間や手続等を定めることにしています。
 第三に、厚生年金保険と健康保険の被保険者の範囲を拡大することにし、一週間の所定労働時間が二十時間以上であり、かつ、報酬の月額が七万八千円以上である等の一定の要件に該当する短時間労働者についても、従業員が常時五百人以下の事業主に使用される者を除き、その被保険者とすることにしています。
 第四に、産前産後休業を取得する被保険者については、申出により、厚生年金保険と健康保険の保険料を免除する等の措置を講ずることにしています。
 第五に、こうした見直しについて、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、私立学校教職員共済法等についても同様の改正をすることにしています。
 最後に、この法律の施行期日は、一部を除き、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律による消費税の第二段階目の引上げの日に当たる平成二十七年十月一日としています。
 政府としましては、以上を内容とする法律案を提出しましたが、衆議院で次の六つの事項を主な内容とする修正が行われています。
 第一に、低所得である高齢者等への年金額の加算に関する規定、高額所得による老齢基礎年金の支給停止に関する規定、交付国債の償還等に関する規定を削除すること。
 第二に、短時間労働者への厚生年金保険と健康保険の適用拡大について、拡大の対象となる者の月額賃金の要件と厚生年金保険の標準報酬月額の下限を七万八千円から八万八千円に改めるとともに、この改正の施行期日を平成二十八年四月一日から平成二十八年十月一日に繰り下げること。
 第三に、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日から、低所得である高齢者等に対する福祉的措置としての給付に係る制度を実施するため、同法の公布の日から六月以内に必要な法制上の措置が講じられるものとする旨の規定を追加すること。
 第四に、高額所得による老齢基礎年金の支給停止について、引き続き検討する旨の規定を追加すること。
 第五に、短時間労働者に対する厚生年金保険と健康保険の適用範囲を更に拡大する旨の規定について、平成三十一年九月三十日までに検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を講ずるものとすること。
 第六に、国民年金の第一号被保険者に対する出産前六週間と出産後八週間の国民年金保険料の免除措置について検討が行われるものとする旨の規定を追加すること。
 以上が、この法律案の趣旨です。
 次に、被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案について、説明いたします。
 被用者年金制度の一元化について、多様な生き方や働き方に公平な社会保障制度を目指す平成二十四年二月十七日の閣議決定、社会保障・税一体改革大綱に基づき、公的年金制度の一元化を展望しつつ、年金財政の範囲を拡大して制度の安定性を高めるとともに、民間被用者、公務員を通じ、将来に向けて、同一の報酬であれば同一の保険料を負担し、同一の公的年金給付を受けるという公平性を確保するため、厚生年金と三つの共済年金に分かれていた被用者年金各制度を厚生年金制度に統一することを柱とし、所要の措置を講ずるため、この法律案を提出しました。
 以下、この法律案の主な内容について説明いたします。
 第一に、厚生年金の被保険者範囲を拡大して公務員と私学教職員を適用対象とし、各共済組合法で共済年金に関する規定の削除等の所要の規定の整備を行うことにしています。また、共済年金にあった遺族年金の転給制度を廃止する等の官民格差の解消を行い、加えて、加給年金等について、民間企業の期間と公務員等の期間を通算して加算することにしています。
 第二に、保険料率について、平成二十七年から公務員と私学教職員の保険料率の段階的引上げを法律に位置付けた上で、公務員については平成三十年、私学教職員については平成三十九年に厚生年金の保険料率の上限である一八・三%に統一することにしています。また、民間被用者や公務員等を含む厚生年金制度全体の負担と給付の状況を、年金特別会計厚生年金勘定に取りまとめて計上することにしています。
 第三に、事務処理を効率的に行うため、共済組合等や私学事業団も厚生年金事務の実施機関として活用することにしています。また、共通財源である積立金に関する管理運用の基本的な指針の策定や、運用状況の公表、評価等は、厚生労働大臣が案を作成し、各大臣と協力して行うことにしています。
 第四に、共済年金にある公的年金としての職域部分は、この法律案により廃止することにしています。一方、附則で、廃止後の新たな年金については、平成二十四年中に検討を行い、その結果に基づいて、別に法律で定めるところにより、職域部分の廃止と同時に設けることにしています。
 第五に、国民負担を抑制する観点から税負担による追加費用を減額するため、恩給期間に係る給付について二七%引き下げることにしています。ただし、財産権への配慮から、給付額に対する引下げ割合の上限を一割とし、二百三十万円を下回る減額はしないといった措置を講ずることにしています。
 以上のほか、関係する法律の改正について所要の措置を行うことにしています。
 最後に、この法律の施行期日は、平成二十七年十月一日としています。また、追加費用等の減額については、公布の日から起算して一年を超えない範囲で政令で定める日としています。
 政府としましては、以上を内容とする法律案を提出しましたが、衆議院で、公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案、子ども・子育て支援法等に対する修正に伴い、必要な技術的な修正が加えられています。
 以上が、二つの法案の趣旨です。
 次に、子ども・子育て支援法案、子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について、その趣旨を説明いたします。
 子供は社会の希望、未来をつくる力であり、安心して子供を産み、育てることのできる社会の実現は社会全体で取り組まなければならない最重要課題の一つです。
 現在、子供や子育てをめぐる環境の現実は厳しく、核家族化や地域のつながりの希薄化によって子育てに不安や孤立感を感じる家庭は少なくありません。また、多くの待機児童が生じている地域もあることや本格的な人口減少社会が到来したことからも、国や地域を挙げて子ども・子育てへの支援を強化していかなければなりません。
 全ての子供に良質な生育環境を保障し、子ども・子育て家庭を社会全体で支援するため、幼保一体化を含め、子ども・子育て支援関連の制度、財源を一元化して新しい仕組みを構築し、質の高い学校教育、保育の一体的な提供、保育の量的拡大、家庭での養育支援の充実を図ることが求められています。
 子ども・子育て支援法案は、こうした状況に基づいて、現在の子ども・子育て支援対策を再編成し、市町村が制度を実施し、国と都道府県が重層的に支える一元的な制度を構築するために提出しました。
 この法律案の主な内容は、次のとおりです。
 第一に、市町村は、子ども・子育て支援給付と地域子ども・子育て支援事業を総合的かつ計画的に行うことにし、国と都道府県は、給付と事業が適正かつ円滑に行われるよう必要な各般の措置を講じなければならないことにしています。
 第二に、子ども・子育て支援給付は、子供のための現金給付と子供のための教育・保育給付とします。子供のための現金給付は児童手当の支給とし、子供のための教育・保育給付は、こども園給付費、地域型保育給付費等の支給とします。給付を受けようとする保護者は、市町村に対し、支給認定を申請し、その認定を受けることにしています。
 第三に、内閣総理大臣は、子ども・子育て支援のための施策を総合的に推進するための基本指針を定めることにし、市町村と都道府県は、国の定める基本指針に即して教育、保育の提供体制の確保等に関する計画を定めることにしています。
 第四に、子供のための教育・保育給付と地域子ども・子育て支援事業に必要な費用は市町村が支弁することを基本とし、国と都道府県は交付金の交付等の措置を講ずることにしています。
 第五に、内閣府に、この法律の施行に関する重要事項を調査審議するため、子ども・子育て会議を置くことにしています。また、市町村と都道府県は、子ども・子育て支援に関する施策の実施状況を調査審議する等のため、審議会その他の合議制の機関を置くことができるとしています。
 以上が、子ども・子育て支援法案の趣旨です。
 次に、子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について、その趣旨を説明いたします。
 この法律案は、子ども・子育て支援法と総合こども園法の施行に伴い、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律を廃止するほか、児童福祉法など五十六の関係法律について規定の整備等を行うとともに、所要の経過措置を定めるために提出しました。
 政府としては、以上を内容とする法律案を提出しましたが、子ども・子育て支援法案について、衆議院で次の十二の事項を主な内容とする修正が行われています。
 第一に、教育・保育施設の定義を置き、認定こども園、幼稚園及び保育所をいうものとすること。
 第二に、市町村が資産又は収入の状況につき、官公署に対し必要な文書の閲覧を求めること等ができる者を、小学校就学前の子供、子供の保護者又は扶養義務者に限定すること。
 第三に、市町村は、支給認定に係る小学校就学前の子供が、市町村長が確認する教育・保育施設から当該確認に係る教育、保育を受けたときは、保護者に対し、施設型給付費を支給するものとすること。
 第四に、市町村は、支給認定に係る小学校就学前の子供が、市町村長が確認する地域型保育事業者から当該確認に係る地域型保育を受けたときは、保護者に対し、地域型保育給付費を支給するものとすること。
 第五に、教育・保育施設の確認は、設置者の申請により、教育・保育施設の区分に応じ、小学校就学前の子供の区分ごとの利用定員を定めて、市町村長が行うこと。また、地域型保育事業者についても、教育・保育施設に準じて確認に関する規定を整備すること。
 第六に、地域子ども・子育て支援事業に、子供及びその保護者の身近な場所において、地域の子ども・子育て支援に関する各般の問題につき、子供又は子供の保護者から相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行うとともに、関係機関との連絡調整その他の内閣府令で定める便宜の提供を総合的に行う事業を追加すること。
 第七に、政府は、平成二十七年度以降の次世代育成支援対策推進法の延長について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすること。
 第八に、政府は、幼稚園教諭、保育士及び放課後児童健全育成事業に従事する者等の処遇の改善に資するための施策の在り方並びに保育士資格を有する者であって現に保育に関する業務に従事していない者の就業の促進その他の子ども・子育て支援に係る人材確保のための方策について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすること。
 第九に、政府は、公布後二年をめどとして、総合的な子ども・子育て支援を実施するための行政組織の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすること。
 第十に、政府は、教育、保育その他の子ども・子育て支援の量的拡充及び質の向上を図るための安定した財源の確保に努めるものとすること。
 第十一に、市町村は、児童福祉法第二十四条第一項の規定により保育所における保育を行うため、当分の間、支給認定に係る小学校就学前の子供が、確認を受けた民間立の保育所から保育を受けた場合は、保育費用を当該保育所に委託費として支払うものとするとともに、当該市町村の長は、保護者等から、当該保育費用をこれらの者から徴収した場合における家計に与える影響等を考慮して定める額を徴収するものとすること。
 第十二に、施行日に確認があったものとみなされる対象に、この法律の施行の際、現に存する認定こども園を追加すること。
 また、子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案についても、衆議院でその全部を修正し、子ども・子育て支援法及び就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案とする修正が行われています。
 その内容は、子ども・子育て支援法及び就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴い、児童福祉法など五十五の関係法律について規定の整備を行うとともに、所要の経過措置を定めようとするものです。
 そのうち、児童福祉法の主な修正点について説明いたします。
 第一に、子ども・子育て支援法案に対する修正に伴う修正として、一、事業所内保育事業を、児童福祉法に規定するよう改正規定の整備を行うこと、二、国、都道府県又は市町村以外の者が家庭的保育事業等を行う際、市町村による認可制とすること、三、保育所及び家庭的保育事業等の認可について、社会福祉法人、学校法人以外の多様な主体が参入する際の基準を規定すること、欠格事由を設けること等の所要の整備を行うこと、四、保育所及び家庭的保育事業等の認可について、都道府県等が条例で定める基準を満たした施設について、その設置者が欠格事由に該当する場合及び供給過剰による需給調整が必要な場合を除き、認可するものとすること、五、その際、保育所の認可に当たっては、都道府県は、児童福祉審議会の意見を聞くとともに市町村に協議しなければならないものとするほか、家庭的保育事業等の認可に当たっては、市町村は児童福祉審議会その他児童福祉に係る当事者の意見を聞かなければならないこととすること。
 第二に、市町村が担う保育に対する責任に関する規定の修正として、一、児童福祉法第二十四条第一項に基づき、市町村は、児童福祉法及び子ども・子育て支援法の定めるところにより、保護者の労働等の事由により、児童が保育を必要とする場合において、次に定めるところによるほか、当該児童を保育所において保育しなければならないとすること、二、また、市町村は、認定こども園又は家庭的保育事業等により必要な保育を確保するための措置を講じなければならないとすること、三、市町村が行う保育の措置について、対象範囲を拡大し、あっせん、要請による円滑な利用ができない場合にも対応することで、保育の実施に関する市町村の権限と義務を強化すること、四、市町村が、待機児童が発生している場合に実施することとされている利用の調整、要請の事務を、当分の間、待機児童の有無にかかわらず実施することとすること。
 第三に、保育所の定義に関する規定を修正し、保育所を、現行どおり、小学校就学前の子供に保育を行うことを目的とする施設にすることなど、所要の規定の整備、修正を行うこと。
 以上、二つの法律案の趣旨について説明いたしました。
 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。(拍手)
    ─────────────

発言情報

speech_id: 118015254X01920120711_002

発言者: 小宮山洋子

speaker_id: 492

日付: 2012-07-11

院: 参議院

会議名: 本会議