野田佳彦の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(野田佳彦君) 自民党、石井議員とは同郷であり、同い年であり、そして二十代のころからの四半世紀を超えるお付き合いでございますが、こうして御質問をいただいたこと、大変感慨深いものがございます。しっかりとお答えをしてまいりたいと思います。
 まず最初に、一体改革に政治生命を懸けるという発言と政治家としての理想に関する御質問をいただきました。
 政権交代後、税収の大幅な落ち込み、東日本大震災、欧州の金融危機などに直面し、将来世代への負担の押し付けは限界に来ております。
 社会保障・税の一体改革を先送りする時間はもう残されておりません。そのような認識の下、私は昨年の民主党代表選挙において一体改革の実現を訴え、代表に選出をされ、内閣総理大臣に就きました。以来、その実現に政治生命を懸けて今日に至っています。
 また、私が政治家になったときの理想についての御質問もいただきました。
 私は大学在学中、ペンの力で政治を正していきたいという志を抱いておりましたけれども、卒業前に松下政経塾の第一期生募集の広告を見て入塾し、そして、松下幸之助さんの抱かれていたこの国の政治の在り方や財政に関する危機意識の深さに触れ、大きな影響を受けました。大震災からの復旧・復興、原発事故との戦い、経済金融危機への対応のみならず、社会保障、財政の持続可能性に対する危機を克服することや決められる政治をつくり上げることは、私が政治家を志したときの志、理想に向かう方針と大きく重なっていると申し上げておきたいと思います。確かに、厳しい政治情勢の中で理想を押し通すということはなかなか難しい局面があります。
 私は、尊敬する政治家の一人にジョン・F・ケネディの弟のロバート・ケネディがおります。そのロバート・ケネディの言葉の中で、理想だけ追いかけていたんでは政策遂行できない、現実だけを追いかけていたんでは政治に涙がない、ロマンがない、必要なことはアイデアリズム・ウイズアウト・イリュージョン、幻想なき理想主義、この言葉が今大変胸にしみているところでございます。
 次に、第二問は、民主党の社会保障の考え方についてのお尋ねがございました。
 今回の社会保障改革については、自助、共助、公助の最適バランスに留意し、個人の尊厳の保持、自立自助を国民相互の共助・連帯の仕組みを通じて支援していくことを基本にするというのが政府・与党の考え方であります。これに対して、野方図に税金を投入する政策を主張しているとの御指摘は当たらないと考えております。
 また、御指摘の子ども手当や最低保障年金など、民主党のこれまでの主張や提案についても、必要なセーフティーネットの機能強化を目的とするものであり、野方図に税金を投入するものではございません。
 今回、三党で合意された一連の法案修正案や改革推進法案、確認書の内容は、三党のそれぞれの主張や政策の下で、待ったなしの社会保障の充実、安定化のために国民の立場に立ってぎりぎり意見の一致を図る努力を行っていただいた成果であると認識をしております。したがって、三党合意や改革推進法案によって、いずれの政党の固有政策が否定されたとか、されないといった問題であるとは考えておりません。今回合意された枠組みの中で、信頼され、安心できる社会保障制度の構築を目指して、いずれの主張も排除することなく真摯な協議が行われることが重要であると考えております。
 次に、一体改革大綱の撤回、修正、幼保一体化、低所得者への年金加算、交付国債等に係る対応についてのお尋ねがございました。
 今後の公的年金制度、今後の高齢者医療制度に係る改革については、三党合意において、あらかじめその内容等について三党間で合意に向けて協議することとされており、政府としては、協議に先立って大綱を撤回したり修正したりするのではなく、協議の結果を踏まえて対応したいと考えております。
 また、三党合意に基づき衆議院で法案が修正された子ども・子育て支援や年金制度の改革については、政府としては、国会での御審議の結果に従って対応していくこととしており、改めて大綱の撤回又は修正の手続を取ることは考えておりません。
 なお、低所得者への年金加算については、三党合意により、新たな低所得高齢者、障害者等への福祉的給付措置を講ずることとされ、必要な法制上の措置を講ずることとなっております。
 また、交付国債については、三党合意を踏まえ、これに代わる基礎年金国庫負担の財源に関する所要の法的措置について検討を進めているところでございます。
 次に、マニフェストに関するお尋ねがございました。
 一体改革関連法案に係る三党の確認、合意によって民主党のマニフェストが破綻し、撤回の必要があるとの御主張でございますが、それには同意できません。
 三党合意には、各党の固有の政策を撤回するという文言は入っていないことは御承知のとおりでございます。公的年金制度や高齢者医療制度については三党間であらかじめ協議することになっております。また、推進法が成立した段階では、政府に国民会議が設置され、この場で幅広い観点に立って議論が行われることになっております。これらの議論の過程において、民主党は民主党としての考えを御説明をし、関係各位の御理解を得たいと考えております。
 マニフェストについては、少しでも多く実現できるよう努力し、国民の審判をいただく際には、できなかったことについてその理由を丁寧に御説明したいと考えております。
 次に、党内の処分と参議院採決について御質問をいただいております。
 一体改革関連法案のさきの衆議院採決における民主党内の反対、欠席、棄権者に対する処分が甘いのではないか、また、いわゆる造反者が出たことに対する私の責任、さらには、参議院における採決について御質問をいただいております。
 一体改革関連法案の衆議院採決に際しては、民主党から多くの反対者、欠席、棄権者が出たこと、また、多くの議員が離党を表明し、除籍処分としたことは、極めて残念かつ遺憾であります。党代表として、責任を重く受け止め、国民の皆様に深くおわびを申し上げます。また、国会日程等への影響も含めまして御迷惑をお掛けしたことにつきまして、自民党を始め各党会派の皆様にもおわびを申し上げたいと思います。
 御批判については真摯に受け止め、政府・与党として意思統一を固め、一致結束して、三党合意を踏まえつつ、参議院での一体改革関連法案の成立を期すことで私の責任を果たしていく決意であります。
 衆院採決においては、党内から反対者等が出ましたが、民主党は、公党間の確認、合意を誠実に守ったこと、また、党議決定違反者に対しては政党内のルールに基づき厳正に処分したことを御理解をいただきたいと思います。
 また、参議院においては、一体改革の意義と三党合意の意味するところについて、両院議員総会の開催、全国幹事長会議の開催等を含めまして意思統一を強め、参議院執行部とともに全議員一致結束して全力を挙げることを表明をいたします。
 次に、一体改革関連法案後の解散に関する御質問をいただきました。
 社会保障と税の一体改革を断行することが私の責務だと考えております。三党合意を踏まえ、関連法案の成立に向け、全力で取り組んでまいる所存であり、参議院における御審議と可決、成立に向け、是非とも御協力をお願いをいたします。
 社会保障制度改革国民会議につきましては、共同提案した三党の御協力もいただきながら、法案成立後、速やかかつ円滑なる設置を図ってまいりたいと考えております。
 なお、解散については、従来から申し上げているとおり、やるべきことをやり抜いた後で適切な時期に国民の信を問いたいと考えております。
 以上です。(拍手)
   〔衆議院議員鴨下一郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 118015254X01920120711_013

発言者: 野田佳彦

speaker_id: 5804

日付: 2012-07-11

院: 参議院

会議名: 本会議