野田佳彦の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(野田佳彦君) 自由民主党の安倍総裁から御質問をいただきました。順次お答えをしてまいりたいと思います。
まず最初に、解散についての御質問をいただきました。
十月十九日の三党党首会談のときに、近いうちに国民の信を問うと申し上げた意味は大きい、自分も責任を重く受けとめているし、それを踏まえて、環境整備をした上で判断をしたい、そこは自分を信じてほしいというお話をさせていただきました。これは、特定の時期を明示しない中でのぎりぎりの言及だというふうに思います。
そして、環境整備の中でも、とりわけ急がなければいけないテーマとして、特例公債法案、一票の格差、定数削減の問題、社会保障国民会議のことを挙げさせていただいております。
条件が整えば、きちっと自分の判断をしていきたいと考えております。
また、参議院において問責決議が可決されたことは、深く肝に銘じ、重く受けとめております。そのことも念頭に置きつつ、さきに党首会談におきまして、るる、ぎりぎりの線でのお話をさせていただいたと考えております。環境整備をした上で判断したいと申し上げた含意を、もう一度かみしめていただきたいと存じます。
また、前原大臣の発言については、政治家個人としての感想を言われたものと理解をしております。
続いて、復興庁が発足してからの総理のリーダーシップについてというお尋ねがございました。
本年二月の復興庁発足後、私を長とする復興庁を司令塔として、被災者の生活支援やインフラの復旧等に取り組んでまいりました。
復興庁職員、さらには被災地に設置された復興局等の職員は、現地に足しげく通い、地域の実情を把握するとともに、被災自治体等との連絡を密にして、現場主義で復興施策の推進に取り組んでおります。また、私自身も、被災地を幾度も訪問して、被災者の声に耳を傾けてまいりました。
この結果、高台移転の事業に着工する地域が順次出ているなど、復旧から本格的な復興の段階に移りつつありますが、政府の取り組みには、まだまだ不十分な点、至らぬ点があることも事実であります。
政府としては、こうした点を真摯に受けとめ、被災地の復興をさらに加速していくため、被災自治体の職員確保や、国の職員から成る復興連携チームによる復興事業の促進支援など、さまざまな施策に取り組んできており、先日も、復興庁を中心に各大臣がしっかり対応していくよう、私から指示をしたところであります。
今後とも、被災自治体の要望には丁寧に対応するなど、被災地に寄り添いながら、継続的な人的支援、復興特区、復興交付金等により、被災地の努力を政府一丸となって支えてまいります。
次に、集団的自衛権及び日米関係についての御質問をいただきました。
従来から、政府としては、集団的自衛権の行使は憲法上許されないと解してきていると承知をしているところであり、野田内閣として、現時点で、その解釈を変えるということはありません。
その上で申し上げれば、御指摘の公海における米艦防護については、平成二十年に発表された安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会の報告書においても、集団的自衛権の行使を認めるべきだとの提言がなされたものと承知していますが、もとより、この問題については、さまざまな議論があってしかるべきであろうと考えております。
いずれにせよ、日米同盟については、引き続き、安全保障分野のみならず、経済、文化・人的交流における協力を含む包括的な日米同盟の深化、発展を一層推進していきたいと考えております。
この点については、オバマ米大統領とも一致しており、四月の私の訪米時には、日米共同声明を発表し、日米同盟の今日的意義や今後長期にわたる日米関係のあり方を確認したところでございます。
続いて、TPPへの参加表明についての御質問をいただきました。
FTAAPの実現は既に内外で共有された目標であり、政府としては、高いレベルの経済連携を引き続き推進し、貿易・投資に関する新たなルールづくりを主導する方針です。
このため、国益の確保を大前提として、守るべきものは守りながら、TPPと日中韓FTA、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)を同時並行的に推進いたします。
我が国のTPP交渉への参加については、我が国国内における議論や関係国との協議が煮詰まっていく段階で判断をしてまいります。
政府としては、特定の時期にTPP交渉参加を正式決定する方針を固めたという事実はありません。
次に、閣僚、党役員人事に関するお尋ねがございました。
鳩山元総理と菅前総理に党最高顧問をお願いしていることは事実でございます。いずれも総理経験者であり、その経験を踏まえて大所高所から党の活動について御意見をいただくべく、お願いをしたものでございます。他党においても、総理経験者は、同様、類似の扱いをされているものと承知をしています。
田中前大臣の任命と、その任命に至るプロセスについては、人事でありますので、さまざまな総合的な検討と判断の結果であると申し上げます。
任命した閣僚が職務を全うできなかったという意味で、責任は自覚をしています。新たに滝大臣を任命し、内閣全体で職務に邁進することによって、その責任を果たしてまいりたいと考えます。
次に、拉致問題の基本方針についてのお尋ねがございました。
拉致問題は、我が国の主権及び国民の生命と安全にかかわる重大な問題であり、私の内閣にとっても、その解決は最優先の課題です。
政府としては、生存者の即時帰国に向けた施策及び安否不明の拉致被害者に関する真相究明を最重要項目として確認するとともに、それを踏まえた八項目にわたる拉致問題対策本部長指示において拉致実行犯に係る国際捜査を含む捜査等の継続を掲げており、拉致実行犯の引き渡しを求めていく方針に変わりはありません。
今後とも、全ての拉致被害者の一刻も早い帰国を実現するため、全力を尽くしてまいります。
次に、予備費を活用した経済対策と、解散に関するお尋ねがございました。
我が国の経済は、欧州、新興国などの減速などを背景に状況が変化しつつありますが、政府としても三カ月連続で景気認識を下方修正したことは、御承知のとおりであります。
このような事態に際して、財政の活用も含めて適時適切に切れ目のない経済対策を講じることが必要と判断し、今般、予備費を活用した経済対策を、先週二十六日に決定をいたしました。さらに、遅くとも来月中をめどに、日本再生戦略の実現や復旧復興に資する第二弾の経済対策をまとめるよう指示を出しているところであり、民需回復につなげるよう、間断なく対策を講じていきたいと考えます。
近いうちに国民の信を問うことについては、このような経済状況への対応も含め、やるべきことをやり抜き、また、環境整備を行った上で判断をしていきたいと考えております。
次に、社会保障政策の基本的な考え方についてのお尋ねがございました。
社会保障制度については、自助、共助、公助が最も適切に組み合わされることが必要であります。
その上で、昨今においては、核家族の増加などの家族形態の変化、非正規労働者の増加など、自助を支える社会的基盤が弱体化していることに着目し、共助や公助によるセーフティーネット機能を強化する必要があると考え、社会保障・税一体改革では、自助、共助、公助の好循環を目指しているところであります。
また、さきの国会で、自民党も含めた三党の合意のもとで成立した社会保障制度改革推進法の基本的な考え方は、社会保障の機能の充実と給付の重点化、効率化を同時に行い、負担の増大を抑制しつつ、持続可能な制度を実現するということであります。
年金、医療、介護、生活保護、それぞれについて御指摘をいただきましたが、まずは、さきの国会から継続審議となっている年金二法案を早期に成立させることで将来の給付と負担のバランスや年金財政の安定を確保した上で、生活保護の見直しを進めるとともに、医療、介護を含めた社会保障制度の残された課題について、三党合意や改革推進法に示された考え方に沿って、議論を深め、取り組んでいく必要があります。
与野党を問わず、政治の責任として、社会保障に対する揺るぎない安心感を示すためにも、国民会議を早急に立ち上げることが必要であり、重ねて御協力をお願いいたします。
最後に、教育再生についての御質問をいただきました。
私は、将来の希望にあふれ、国民一人一人が誇りを持って、この国に生まれてよかったと実感できる社会を築いていく上で、教育が果たすべき役割は極めて大きいと考えており、教育や人材育成の重要性については、議員と認識を同じくするものであります。
政府としては、意思ある全ての子供たちに教育を受ける機会が与えられ、知徳体の調和のとれた成長が図られるよう、政権交代以降、人への投資を重視するという考え方のもと、高校授業料実質無償化、小学校一、二年生の三十五人以下学級の実現、新学習指導要領の着実な実施を初め、教育費の負担の軽減や教育の質の向上などに積極的に取り組んできたところであります。
今後とも、日本再生戦略を踏まえ、社会の期待に応える教育を目指し、改革の推進に全力で取り組んでまいります。(拍手)
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