野田佳彦の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(野田佳彦君) 自由民主党甘利議員の御質問にお答えをしてまいりたいと思います。
まず、政治主導に関する御質問をいただきました。
政治主導とは、政策決定について政治家が責任を持つことと理解をしています。
民主党政権においては、政治主導のもとで、政務三役と官僚がそれぞれの役割分担と責任を明確にし、相互に緊密な情報共有と意思疎通を図りつつ、政府全体が一体となって政策運営に取り組んでまいりました。
政策の立案、遂行に当たっては、さまざまな想定を検討しておくことは民主党政権においても当然でありますが、例えば、福島における原発事故などを見ても、かつての自民党政権下での想定を超える事態が起こり得ることは、御承知のとおりであります。
外交に関しても、さまざまな事態において政務三役と官僚が一体となって国益のために努力しているということを、ぜひ御理解いただきたいと存じます。
続いて、二〇三〇年代に原発ゼロを目指す方針と大間原発の建設再開、国際社会との関係等についてのお尋ねがございました。
御指摘の大間原発については、既に原子炉の設置許可及び工事計画認可が行われており、それを前提に事業者が建設再開を判断したものであります。今後は、原子力規制委員会が独立の立場から安全性を確認していくことになります。
これに対し、革新的エネルギー・環境戦略における、二〇三〇年代に原発稼働ゼロを可能とするとは、グリーンエネルギー拡大等の政策資源投入についての目標であります。まずは、これを実現するために全力を挙げるということであります。
その上で、そうした目標の実現が可能になったときに、あるいは、可能になりそうだということがかなり確実性を持って見通されたときに、そこから先のことについて具体的な議論ができるものと理解をしております。
また、プルトニウム利用を含めた核燃料サイクルについては、革新的エネルギー・環境戦略においても、従来の方針に従うこととしています。
我が国は、これまでと同様、厳格な保障措置制度のもとで原子力の平和的利用を進めるとともに、我が国の原子力利用が平和目的に限られることを国際社会に対し説明し、理解を求めてまいります。
続いて、山中伸弥教授の研究支援についてのお尋ねがございました。
政府の実施する事業については、研究の支援を含め不断に見直しを行う一方で、真に必要な研究については、これまでも重点的に支援をしてきたところであります。
政府としては、再生医療の早期実現に向けた研究が必要であると考えており、今回の山中教授のノーベル賞受賞も踏まえ、再生医療のいち早い実現に向けて、関係省庁が一丸となって、iPS細胞研究を重点的かつ着実に支援してまいります。
また、今週の金曜日には、山中教授を総合科学技術会議にお招きし、同教授の御意見をお聞きしつつ、研究環境の改善に向けた政府の取り組みを示す所存であります。
続いて、経済政策についてのお尋ねがございました。
日本経済の再生に道筋をつけ、雇用と暮らしに安心感をもたらすことは、私の内閣が取り組むべき現下の最大の課題であります。
このため、フロンティアの開拓により力強い成長を導く日本再生戦略を、国家戦略会議において議論を重ねた上で、この七月に閣議決定いたしました。戦略に描いた道筋を着実にたどっていけるよう、日本再生を担う人材の育成やイノベーションの創出に力を入れるとともに、グリーン、ライフ、農林漁業の重点三分野と中小企業の活用に政策資源を重点投入してまいります。
その先駆けとなる新たな経済対策の策定を指示し、先般、その第一弾として、緊要性の高い施策について、予備費の使用を決定いたしました。
引き続き、遅くとも来月中をめどとして経済対策の決定に向けた作業を進め、デフレからの早期脱却と日本経済の活性化に向けた取り組みを加速させてまいります。
また、昨日、政府と日本銀行で、デフレ脱却に向けた取り組みについて、共通理解という形で取りまとめ、共同して表明、発表いたしました。デフレからの早期脱却に向けた、さらに大きな一歩となるものであります。
このように、エネルギー・環境政策の再構築や経済外交の展開とあわせ、経済再生を推し進めているところであり、場当たり的等の御指摘は当たらないものと考えます。
続いて、科学技術の司令塔としての総合科学技術会議の再構築についてのお尋ねがございました。
現在、政府においては、内閣府の総合科学技術会議を改組し、科学技術・イノベーション政策を一体的に推進するための法案の提出に向けた準備を進めているところであります。
現在検討している法案は、予算等の資源配分だけでなく、規制改革や需要創出といった、研究開発の成果を発展、活用するための方策を推進するため、内閣府の総合調整機能等を強化するものであります。これにより、関係府省が連携し、イノベーション推進に向けて政府の施策を総動員できる体制を実現したいと考えております。
次に、政務三役の任命に関するお尋ねがございました。
閣僚を含む政務三役の任命は、その任命に至るプロセスについては、人事でありますので、さまざまな総合的な検討と判断の結果であると申し上げます。
また、甘利議員の政務三役の出身に関する御指摘は、御意見としては承りますが、議員は国民に選ばれた選良であります。また、さまざまな職業に従事した経験は政治家にとりましてそれぞれに貴重なものであり、医師が厚生行政に、弁護士が法務行政にかかわる等々と同様に、教師が教育行政にかかわること自体において、あらかじめの不都合はないと考えております。
続いて、自民党の教育再生に関する見解についてのお尋ねがございました。
御党におかれては、教育委員会制度やいじめ問題など、教育に関する広範な課題について真摯に御議論されていると承知をしており、教育や人材育成の重要性については、御党とも認識を共有するものと考えております。
政府としては、意思ある全ての子供たちに教育を受ける機会が与えられ、知徳体の調和のとれた成長が図られるよう、政権交代以降、人への投資を重視するという考え方のもと、高校授業料実質無償化、小学校一、二年生の三十五人以下学級の実現、新学習指導要領の着実な実施を初め、教育費の負担の軽減や教育の質の向上などに積極的に取り組んできたところであります。
今後とも、日本再生戦略を踏まえ、社会の期待に応える教育を目指し、改革の推進に全力で取り組んでまいります。
次に、エネルギー政策についてのお尋ねがございました。
原発に依存しない社会を一日でも早く実現してほしいという多くの国民の声を踏まえ、二〇三〇年代に原発稼働ゼロを可能とするようあらゆる政策資源を投入するということは、政府として決めた、ぶれない基本的な方針です。
九月十九日には、今後の政策の具体化のプロセスを含め、こうした方針を政府として閣議決定いたしました。
エネルギー基本計画については、十月十九日のエネルギー・環境会議で決定された革新的エネルギー・環境戦略の進め方を踏まえ、総合資源エネルギー調査会において、今後の進め方も含め、議論をしてまいります。
次に、原発再稼働の判断及びエネルギー安定供給等についての御質問をいただきました。
御指摘のとおり、原子力規制委員会は、東電福島第一原発事故を踏まえ、原子力利用の推進と規制を分離し、原子力安全に関する規制を一元化した上で、専門的な知見に基づき、中立公正な立場から原子力安全規制に関する職務を担うために設立をされた機関であります。
また、原発の再稼働については、安全性の確認が大前提であります。これについては、原子力規制委員会に、独立した立場から安全性を確認していただきます。
その上で、エネルギー政策上の判断については、政府として、革新的エネルギー・環境戦略において、二〇三〇年代に原発稼働ゼロを可能とするようあらゆる政策資源を投入する、その過程において安全性が確認された原発は、これを重要電源として活用することを決定しています。
このように、原発の再稼働についての考え方は政府が示しているところであり、原子力規制委員会は、あくまでも独立した立場から安全性の確認を行うというのがその役割であります。
さらに、エネルギーは国民生活と経済の根幹を支えるものであり、その低廉で安定的な供給は極めて重要であります。革新的エネルギー・環境戦略においても、その三本柱の一つの柱としてエネルギーの安定供給を掲げており、引き続き、その安定的かつ安価なエネルギーの確保に努めてまいります。
最後に、被災地のニーズに応える体制についてのお尋ねがございました。
復興庁は、本年二月に、私自身を長として、それまでの復興本部事務局を大幅に上回る体制で発足したものであり、各府省に対する総合調整機能や各府省の復興事業予算の一括計上などの権限、予算により、復興に向けた取り組みを強力に進めてまいりました。
また、被災地の三復興局、六支所、二事務所を活用しつつ、被災者や被災自治体に寄り添いながら、被災地のニーズにワンストップで対応しているところであります。
加えて、復興庁発足以前より、地域が主体となった復興を強力に支援するため、地方自治体の使い勝手がよい復興交付金や、規制緩和に係る被災地の提案を実現するための復興特区制度を設けており、現在は復興庁において積極的に活用を進めております。
今後とも、復興庁を中心に、原発事故と戦う福島の再生を具体化していくなど、復興に向けて政府一丸となって取り組んでまいります。
以上、答弁を終わります。(拍手)
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