野田佳彦の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(野田佳彦君) 公明党の井上議員の御質問にお答えをしてまいります。
 まず最初に、閣僚の任命に関するお尋ねがございました。
 今回の内閣改造における閣僚任命とその任命に至るプロセスについては、人事でありますので、さまざまな総合的な検討と判断の結果であると申し上げます。
 これまでの閣僚交代人事において、任命した閣僚が職務を全うできない例があったことは遺憾であり、また、拉致事件が解決に至っていないことは、政府として真摯におわびを申し上げます。
 任命権者としての責任を自覚しつつ、後任の閣僚を含め、内閣全体としてその職務を果たすことにより、政権としての責任を果たしてまいりたいと考えております。
 続いて、三党党首会談での環境整備についての御質問をいただきました。
 十月十九日の三党党首会談において、近いうちに国民の信を問うと申し上げた意味は大きい、自分も責任を重く受けとめておりますし、それを踏まえて環境整備をした上で判断をしたい、そこは自分を信じてほしいというお話をさせていただきました。これは、特定の時期を明示しない中でのぎりぎりの言及だと思っております。
 そして、環境整備の中でもとりわけ急がなければいけないテーマとして、特例公債法案、一票の格差、定数削減の問題、社会保障国民会議のことを挙げさせていただいております。条件が整えば、きちっと自分で判断をしていきたいと考えております。
 続いて、政治資金規正法改正についてのお尋ねがございました。
 政治改革、政治資金規制の問題については、井上議員が御指摘のとおり、民主、公明のみならず、各政党の主張が必ずしも一致しておらず、結果として何も議論が進まずという膠着状態が続いていることは残念であります。
 この、議論ができず決められずという状況を打開するためには、まず、さきの国会で決めることができず、今回の臨時国会喫緊の課題となっております一票の格差是正、議員定数削減を実現させ、政治改革の議論が進むきっかけをつくることが大事だと考えます。お互いに、まず、一つのことを解決する努力を行うことを提案いたします。
 次に、復興に向けた課題の変化に対する対応及びその一つでもある住宅再建についての御質問をいただきました。
 被災地の復興を加速するためには、広範で多岐にわたる被災地のニーズを的確に把握し、きめ細やかに対応していくことが極めて重要であると考えております。そのため、復興庁や復興局の職員は現場主義で復興施策の推進に取り組んでおり、私自身も、被災地を幾度も訪問して、被災者の声に耳を傾けてまいりました。
 こうした中、被災地においては、復旧から本格的な復興の段階に移りつつあり、本格的な生活再建に向け、御指摘の住宅の再建が重要な課題となってきております。
 このため、災害公営住宅の供給を進めるとともに、二重ローン問題への対応について、私的整理による債務免除が可能となるようガイドラインを策定し、その運営を支援してまいります。
 今後とも、被災自治体の要望には丁寧に対応するなど、被災地に寄り添いながら、政府一丸となって取り組んでまいります。
 次に、復興予算の流用という問題についてのお尋ねがございました。
 平成二十三年度第三次補正予算や平成二十四年度予算に計上された復興関連予算は、復興基本法に定められた復興の基本理念に沿った施策に対して予算措置を講じたものであり、現在、各事業の所管大臣が責任を持って執行に当たっておりますが、個別の事業につきましては、種々の御指摘、御批判を受けていることも事実でございます。
 今後、この国会での議論や行政刷新会議の新仕分けにおける議論などを踏まえつつ、それらの執行は国民に誤解を招くことのないよう慎重に対応すべきものと考えておりますし、また、平成二十五年度予算の編成に当たっては、被災地が真に必要とする予算はしっかりと手当てしつつ、それ以外については厳しく絞り込んでまいります。
 次に、災害廃棄物処理の中間目標達成方策に関するお尋ねがございました。
 災害廃棄物の処理は着実に進んでおりますが、平成二十四年度末の中間目標を達成するためには、さらに処理の取り組みをスピードアップする必要があります。
 このため、被災地において、仮設焼却炉と破砕・選別施設の処理能力のさらなる増強、広域処理の受け入れの確定や、国の直轄工事における再生資材の活用に取り組んでまいります。
 今後とも、災害廃棄物の一日も早い処理に向け、政府一丸となって全力で取り組んでまいります。
 続いて、福島の除染における中間貯蔵施設等についての御質問をいただきました。
 中間貯蔵施設は、福島県内の除染により発生する土壌等を安全に保管するために、必要不可欠な施設であります。中間貯蔵施設について、現地の実情を踏まえて議論を深めるため、八月十九日に開催された協議会で、事前の調査の実施についてお願いをし、双葉地方町村に個別に御説明を進めてきたところでございます。
 今後とも、福島県を初めとする関係自治体とよく相談しつつ、地元の関係者の皆様に丁寧な説明を行って御理解をいただきながら、まずはできるだけ早く事前の調査に入らせていただきたいと考えております。
 なお、最終処分場については、政府としては、中間貯蔵開始後三十年以内に福島県外で最終処分する方針であり、そのために必要な減容化技術や安全な運搬方法のあり方などについて、丁寧に検討を行っていく所存でございます。
 続いて、復興事業の施工確保、実勢価格の予定価格への反映についての御質問がございました。
 被災地では復興事業における入札不調が発生をしており、被災地の一日も早い復旧復興に向けて、復興事業の円滑な推進は重要な課題と認識をしています。
 このため、国土交通省を中心に、関係省庁、自治体、業界団体による連絡協議会での情報共有や、需給が逼迫している建設資材について、地域ごとに、関係者による安定的な供給策の協議を進めております。
 また、復興庁において、引き続き、関係省庁と連携しながら、公共インフラに係る地方自治体ごとの事業計画などを公表することで、計画的に復興に取り組んでまいります。
 他方、工事価格については、労賃や資材の実勢価格の機動的な改定を行い、予定価格に反映させるとともに、契約後も必要に応じて契約変更を行うなど、市場の実勢が適切に反映されるよう努めてまいります。
 続いて、中小企業支援及び金融円滑化法についての御質問をいただきました。
 円高等の影響を受ける中小企業の資金繰りについては、全都道府県において相談窓口を設置してきめ細かく相談に応じるなど、対応に万全を期しております。引き続き、中小企業の資金繰りの安定化に向け、しっかりとした対応を行ってまいります。
 また、金融機関における貸し付け条件の変更等の取り組みが定着している現状等に鑑み、中小企業金融円滑化法は予定どおり来年三月末に終了しますが、引き続き、貸し付け条件の変更等に努めるよう促してまいります。
 さらに、中小企業金融円滑化法の終了を見据えた対応として、中小企業の経営改善、事業再生支援に向けた取り組みを徹底支援することが重要と認識しております。
 現在、内閣府、金融庁、中小企業庁において、本年四月に策定した政策パッケージを実施に移し、中小企業再生支援協議会の機能強化等に取り組んでいるところであります。
 さらに、先般私が行った経済対策の指示において、金融円滑化法の期限到来後を見据えた中小企業再生支援の強化という対応策を講じることとしており、今後とも、中小企業の経営改善、事業再生支援をより一層後押ししてまいります。
 続いて、経済対策と補正予算の編成についてのお尋ねがございました。
 井上議員御指摘のとおり、我が国経済の再生に向けて切れ目のない政策対応を行うことは喫緊の課題であります。
 このため、十月二十六日に、経済対策の第一弾として、緊要性の高い施策について、経済危機対応・地域活性化予備費などの使用を閣議決定したところであり、引き続き、遅くとも今月中をめどに経済対策を決定することとしております。
 御指摘の補正予算については、特例公債法案の審議状況や経済対策の内容を踏まえた上で、その時期や内容などについて検討してまいりますが、その実現のため、ぜひとも御党にもお知恵をおかりしたいと考えております。
 デフレからの早期脱却と経済活性化に向け、特例公債法案を含む我が国の諸課題について、与野党間で胸襟を開いて議論を進めていただきたいと考えております。
 経済対策、予算編成と解散についての御質問をいただきました。
 我が国の経済は、欧州、新興国の減速などを背景に、状況が変化しつつあります。政府としても三カ月連続で景気認識を下方修正したことは、御承知のとおりであります。
 このような事態に際して、先ほど申し上げたとおり、財政の活用を含めて適時適切に切れ目のない経済対策を講じることが必要と判断し、今般、予備費の活用を決定したところであり、引き続き、遅くとも今月中を目途に経済対策を策定することとしております。
 予算編成については、内閣の責任として、年間のそれぞれの時期に必要な手順と準備を進めることが必要であり、これは、過去のどの政権、内閣においても同じことであります。
 政治不況を起こさぬためにも、特例公債法の一日も早い成立、間断のない経済対策の実施、着実な予算編成準備が必要と考えます。
 民意を問うということについては、これまで申し上げてきたとおりであります。
 次に、臍帯血をiPS細胞の研究に利用することについての御質問をいただきました。
 臍帯血はiPS細胞の作成に有用ですが、研究のために利用する際には、臍帯血の品質と提供者の同意を得ることが重要です。
 このため、京都大学iPS細胞研究所や臍帯血バンクなど、現在、関係機関と進めている調整を加速させ、御指摘のように、少しでも早期に適切な臍帯血の提供が行われるように、政府としても努力をいたします。
 なお、明日、山中教授を総合科学技術会議にお招きし、教授の御意見をお聞きしつつ、研究環境の改善に向けた政府の取り組みを示す所存でございます。
 続いて、尖閣諸島をめぐる警備、広報や日中関係についての御質問をいただきました。
 尖閣諸島が我が国固有の領土であることは、歴史的にも国際法上も疑いのないところであり、現に我が国はこれを有効に支配しています。
 このような尖閣諸島に関する我が国の一貫した立場については、国内外で正しい理解を得るべく、情報発信を強化しています。
 また、尖閣諸島付近海域においては、従来から厳正かつ適切な警戒監視及び警備を実施してきています。
 今般も、平成二十四年度予備費により、海上保安庁の巡視船艇七隻を緊急に整備するなどの対応をとったところですが、今後とも、さまざまな情勢を踏まえながら、海上保安体制の充実強化を図り、領海警備に万全を期してまいります。
 同時に、日中関係は我が国にとって最も重要な二国間関係の一つであり、日中両国は、アジア太平洋地域及び世界の平和と発展に大きな責任を負っています。我が国としては、日中関係の大局を見失うことなく、冷静に対応していく考えであり、中国との間で、さまざまな形で意思疎通を維持強化してまいります。
 竹島問題への取り組みについてのお尋ねがございました。
 竹島は、歴史的にも国際法上も我が国固有の領土です。
 政府は、竹島問題について、法にのっとり、冷静かつ平和的に紛争を解決する考えであり、国際司法裁判所への合意付託及び日韓紛争解決交換公文に基づく調停についての提案並びに国際的な広報の強化などの措置を講じてきているところであります。
 今後とも、情勢を総合的に判断して、御指摘の単独提訴も含め、適切な措置を検討してまいります。
 続いて、普天間移設問題、オスプレイの配備、沖縄県議会の抗議決議などについて御質問をいただきました。
 普天間飛行場の固定化は絶対にあってはならず、日米両政府は、辺野古への移設が、引き続き、唯一有効な解決策であると考えています。
 同時に、国土面積の〇・六%しかない沖縄県内に、全国の約七四%の在日米軍専用施設・区域が集中していることを踏まえ、沖縄の基地負担を少しでも軽減することが最優先の課題であると認識をしています。
 また、オスプレイの配備は我が国の安全保障にとって大きな意味がありますが、その運用に際しては、安全性はもとより、地元の皆様の生活への最大限の配慮をすることが大前提であります。
 今後とも、地元の方々の不安を払拭できるよう、丁寧に御説明をしていく考えです。
 一方、先般沖縄で発生した許しがたい事件については、決してあってはならない極めて遺憾なものであり、米側も既に夜間外出禁止等の措置を講じています。
 政府としては、引き続き、この種の事件の根絶をすべく、綱紀粛正と再発防止について、米側に強く申し入れてまいります。
 政府としては、沖縄県議会の抗議決議を重く受けとめながら、今後とも、事件、不祥事の再発防止はもちろん、普天間飛行場の移設を初めとする沖縄の基地負担の軽減に向け、全力で取り組んでまいります。
 続いて、経済政策についてのお尋ねがございました。
 日本経済の再生に道筋をつけ、雇用と暮らしに安心感をもたらすことは、私の内閣が取り組むべき現下の最大の課題であります。
 このため、フロンティアの開拓により力強い成長を導く日本再生戦略を、国家戦略会議において議論を重ねた上で、この七月に閣議決定をいたしました。戦略に描いた道筋を着実にたどっていけるよう、日本再生を担う人材の育成やイノベーションの創出に力を入れるとともに、グリーン、ライフ、農林漁業の重点三分野と中小企業の活用に政策資源を重点投入してまいります。
 その先駆けとなる新たな経済対策の策定を指示し、先般、その第一弾として、緊要性の高い施策について、予備費の使用を決定いたしました。引き続き、遅くとも今月中をめどとして経済対策の決定に向けた作業を進め、デフレからの早期脱却と日本経済の活性化に向けた取り組みを加速させてまいります。
 また、先日、政府と日本銀行で、デフレ脱却に向けた取り組みについて、共通理解という形で取りまとめ、共同して表明、発表いたしました。デフレからの早期脱却に向けた、さらに大きな一歩となるものであります。井上議員からも一定の評価をいただいたことは、感謝を申し上げます。
 このように、経済再生への取り組みを進め、経済状況の好転に全力を挙げてまいります。
 次に、国民会議の設置を含めた今後の社会保障改革についてのお尋ねがございました。
 まず、御党がこれまで訴えてこられた幾つかの事項を挙げて、さらなる医療・介護制度の充実について御指摘をいただきました。
 それら事項を含め、政府の社会保障・税一体改革大綱においても、医療・介護分野については、医療サービスの供給体制の機能強化、地域包括ケアシステムの構築、難病対策の検討など、改革の方向性を示しています。
 いずれにせよ、御指摘のあった医療、介護、年金などを含めた社会保障制度の残された課題については、公明党も含めた三党の合意や、そのもとで成立した社会保障制度改革推進法に示された考え方に沿って議論を深め、取り組んでいく必要があります。
 国民会議は来年八月二十一日までの期限となっており、既にカウントダウンは始まっています。与野党を問わず、政治の責任として、社会保障に対する揺るぎない安心感を示すためにも、国民会議を早急に立ち上げることが必要であり、委員の人選を含めて、重ねて御協力をお願いいたします。
 最後に、消費税の低所得者対策についての御質問をいただきました。
 消費税率の引き上げに当たっての所得の低い方々への配慮については、さまざまな角度から総合的に検討することが三党間で合意されており、税制抜本改革法に示された諸課題を含め、幅広い観点から、早急に三党間で議論を行ってまいりたいと考えております。
 公党間で建設的な議論が行えるよう、政府・与党として最大限の努力をしてまいりますので、御党にも御協力を改めてよろしくお願いを申し上げます。(拍手)
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発言情報

speech_id: 118105254X00320121101_004

発言者: 野田佳彦

speaker_id: 5804

日付: 2012-11-01

院: 衆議院

会議名: 本会議