野田佳彦の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(野田佳彦君) 社民党の阿部議員の御質問にお答えをしてまいります。
まず最初に、補正予算と経済対策についてのお尋ねがございました。
十月二十六日に閣議決定した予備費の使用については、現下の経済情勢を踏まえ、切れ目のない政策対応を行うため、経済対策の第一弾として緊要性の高い施策を措置したものでありますが、引き続き、遅くとも今月中をめどに経済対策を決定することとしています。
補正予算の編成については、特例公債法案の審議状況や経済対策の内容を踏まえた上で、その時期や内容について検討してまいりますが、デフレからの早期脱却と経済活性化に向け、特例公債法案を含む我が国の諸課題について、与野党間で胸襟を開いて議論を進めていただきたいと考えております。
次に、低炭素社会の実現と再生可能エネルギーの普及についてのお尋ねがございました。
徹底した省エネルギー社会の実現と再生可能エネルギーの導入拡大は、グリーンエネルギー革命の柱であり、あらゆる政策資源を投入して取り組んでまいります。
この取り組みの中で、家庭や地域が、受け身でエネルギーを消費する立場から転換し、省エネルギーの担い手となり、さらに、地域の分散型発電所になっていくことが重要です。
このため、電力消費の見える化やピーク時の消費コントロールなどを通じた省エネルギーを地域で行う仕組みの確立や、家庭の太陽光発電や燃料電池の導入促進、固定価格買い取り制度の着実な運用などを実行してまいります。
これらは、低炭素社会の実現に寄与するだけでなく、新しいビジネスや雇用の創出を通じた地域活性化にも大きく寄与するものと考えており、年末までに策定するグリーン政策大綱においてこうした政策を取りまとめ、グリーンエネルギー革命を加速させてまいる所存であります。
続いて、分厚い中間層に関して、雇用についての御質問がございました。
分厚い中間層を復活させるためには、女性、高齢者、若者、障害者、全てを念頭に全員参加型社会を目指すとともに、ディーセントワークを実現しなければなりません。
さきの国会では、労働者派遣法、労働契約法等を改正し、働く人を一層元気にする仕組みができつつあります。
今後とも、女性の活躍促進による経済活性化を図るため、働く「なでしこ」大作戦を実施するとともに、労働者派遣法については、必要な検討を進めてまいります。
また、非正規雇用で働く労働者の雇用の安定や処遇の改善に向けて、望ましい働き方ビジョンを踏まえて取り組んでまいります。
次は、一体改革の意義と分厚い中間層についてのお尋ねがございました。
消費税率の引き上げは、その負担の面だけを取り出して見るべきではありません。
今回の改革では、引き上げ分が全額社会保障財源として国民に還元されること、社会保障の所得再分配により低所得者には負担を上回る受益があることをあわせて考える必要があります。
また、一体改革は、社会保障の充実、安定化を図るものであり、貧困、格差の解消を図るためのきめ細やかな施策を講ずることとしています。
あわせて、消費税率の引き上げに伴う低所得者対策の具体化も検討してまいります。
分厚い中間層に支えられた公正な社会を取り戻すため、必要な人に必要なサービス、給付が適切に行われ、社会保障制度を持続可能なものとするための一体改革を前に進めてまいる決意でございます。
次に、復興の基本理念に関する御質問をいただきました。
政府としては、多くの政党の御尽力によって成立した復興基本法に定める基本理念、そして復興構想会議による提言を踏まえ、復興の全体像を明らかにする復興の基本方針を決定し、これに従って復興施策を進めてまいりました。
御指摘の中小企業等グループ補助金については、被災地の方々からの要望に対してきめ細かく支援や協力を行ってきたところですが、今般、共同事業の熟度が高まった案件が増してきたことから、予備費による増額も決めたところであります。
ただし、個別の事業については、種々の御指摘、御批判を受けていることも事実であり、被災地の復興に最優先で使ってほしいという声に真摯に耳を傾けていかなければなりません。被災地が真に必要とする予算はしっかりと手当てしつつ、それ以外については厳しく絞り込んでまいります。
続いて、原発再稼働の判断についてのお尋ねがございました。
大飯原発三、四号機の再起動に当たっては、安全性の確認を大前提として、今回の事故のような地震、津波に襲われても炉心損傷に至らない十分な安全性が確保されていることを確認いたしました。
今般設立された原子力規制委員会は、原子力利用の推進と規制を分離し、専門的な知見に基づき、中立公正な立場から原子力安全規制に関する職務を担うものであり、大飯原発も含め、原発の安全性については、同委員会が独立した立場から評価を行い、必要な判断を行うものと考えています。
その上で、原発の再稼働や新増設を含むエネルギー政策上の判断については、革新的エネルギー・環境戦略において、安全性が確認された原発は、これを重要電源として活用することを決定しています。
政府としては、革新的エネルギー・環境戦略の決定方針について、しっかりと責任を果たしてまいりたいと思います。
次に、国際的な原子力協力についてのお尋ねがございました。
昨年の原発事故を踏まえ、事故の経験と教訓を世界と共有することが重要であり、これにより国際的な原子力安全の向上に貢献していくことは、我が国が果たすべき責務と考えます。
この観点から、諸外国が希望する場合には、相手国の事情などを見きわめながら、高い水準の安全性を有する技術を提供し、原子力協力を行っていくことには、基本的な意義があるものと考えます。
御指摘のベトナムにおける事業化調査についても、そのような原子力協力の一環として実施するものであります。
なお、我が国が原子力協力を進めるに当たっては、相手国の事情等を踏まえて、それぞれのケースに応じて判断をしており、無制限に原発輸出を進めているわけではありません。
次に、東アジアにおける我が国の外交姿勢についてのお尋ねがございました。
東アジアの安全保障環境は厳しさを増しており、領土や主権をめぐるさまざまな出来事も生じています。
我が国の主権にかかわる問題については、国際法にのっとって、不退転の決意でしっかりと対応します。
同時に、我が国は、大局観を持って、中国、韓国、ロシアを初めとする周辺諸国と安定した信頼関係を取り結んでいくべきと考えます。
また、我が国外交の基軸となるのは日米同盟であり、その一層の深化、発展に努めながら、周辺諸国との互恵関係のさらなる充実に取り組んでまいります。
特に、御指摘の中国との関係は、我が国にとって最も重要な二国間関係の一つです。尖閣をめぐる事態が、日中関係の大局、ひいてはアジア太平洋地域の安定に影響を及ぼすことは望んでおらず、そのような状況とならないよう、中国とは引き続きさまざまな形で意思疎通を維持強化しながら、冷静に対応していく考えであります。
次に、日中韓FTAやTPPへの参加についての御質問をいただきました。
FTAAPの実現は既に内外で共有された目標であり、政府としては、高いレベルの経済連携を引き続き推進し、貿易・投資に関する新たなルールづくりを主導する方針です。
このため、国益の確保を大前提として、守るべきものは守りながら、TPPと日中韓FTA、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)を同時並行的に推進します。
日中韓FTAについては、本年五月の日中韓サミットにおいて、年内に交渉を開始することで一致し、九月に実務的な協議を終えたところであります。
TPPについては、関係国との協議を通じ、情報収集に努め、十分な国民的な議論を経た上で、あくまで国益の視点に立って結論を得ていくこととしています。
我が国のTPP交渉への参加については、我が国国内における議論や関係国との協議が煮詰まっていく段階で判断をしてまいります。
残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
〔国務大臣玄葉光一郎君登壇〕