渡辺喜美の発言 (本会議)

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○渡辺喜美君 みんなの党渡辺喜美であります。(拍手)
 国家の本来業務は、国民の生命、自由、財産を守ること。この任務をおろそかにして、官僚統制、中央集権を続けていると、日本の衰退はとまりません。経済危機が迫っているとき、マクロ経済政策を財務官僚、日銀官僚に丸投げをしてきたツケが顕著になってきています。日本経済の先行きについて、昨日の答弁を聞くと、総理の認識は大甘です。
 政府、日銀が「デフレ脱却に向けた取組について」という共同文書を発表しましたが、これは、政府、日銀の政策協定として義務づけたものなのでしょうか。それとも、単なる現状の理解、決意を示したものなんでしょうか。
 日銀の展望レポートでは、一四年度の物価上昇率見通しが〇・八%で、一%のめどを達成するどころか、逆に遠ざかっております。共同文書は、これまでの日銀の政策に間違いはなく、現状路線を続けるというメッセージです。
 総理は、デフレの原因をどうお考えになっているんでしょう。
 政府、日銀が一体的な行動にならず、デフレ状態が続くのは、日銀法に問題があるからです。
 日銀法を改正して、雇用の安定や物価目標を加え、日銀の責任も明確にすべきではありませんか。
 政府は、日銀の親会社的存在であるにもかかわらず、日銀に期待、要請するばかりで、ガバナンスがきいていないんです。政府が目標を日銀に示し、その目標達成に関する義務違反があれば、日銀総裁を解任できるようにすべきであります。
 曖昧な共同文書を出すことで、かえって、政府側から日銀法改正をしないという宣言になっていませんか。
 景気後退が顕著になってきている今、予備費で経済対策というのは本末転倒ですよ。本気でデフレ脱却に取り組むなら、しっかりと補正予算を編成し、大胆なマクロ政策、財政金融一体政策を打ち出すべきであります。
 なぜ補正予算の編成を先送りしたんですか。財務省が拒んだんですか。
 総理の言うグリーンエネルギー革命、再生医療の推進、農林漁業の六次産業化は、いずれも自公政権の時代から、成長戦略の重点分野として示し続けてきたテーマであります。
 潜在的に成長の可能性が高いのに、いまだ成長のエンジンになり切れていないのはなぜか。この分野の制度や規制に問題があり、がんじがらめの既得権構造があるからではありませんか。
 電力、医療、農林漁業などの分野について、既得権構造にまで踏み込んだ制度、規制の抜本改革に取り組む覚悟はありますか。覚悟なくして、成長エンジンとすることなど、夢のまた夢であります。
 みんなの党は、特例公債法案にやみくもに反対しているわけではありません。まず減額補正をやるべきです。
 例えば、国債費の定率繰り入れ分十兆円を減額すれば、赤字国債三十八兆円を二十八兆円まで減額できます。なぜしないんですか。
 また、本年度予算総則で規定されているように、一時的な資金繰りは、二十兆円を限度に短期国債も発行できるというのが国会の議決であります。
 それにもかかわらず、政府は、閣議決定で、国会が認めたつなぎ国債二十兆円を出せないようにしてしまいました。なぜ、経済危機が迫っているときに、みずからの手足を縛るんですか。
 総理、そもそも、国会が決めたルールを行政府が都合よく解釈し、覆すことを、変だと思いませんか。
 しきりに、特例公債法が成立しないと十一月末には財源が枯渇する、国民生活や地域に影響を及ぼし大混乱が起きるなどとあおっている。もはや自己実現的予言というもので、ハルマゲドンが来るぞと言って自作自演をするのと同じですよ。
 不毛な党派対立とは、財務省の敷いたレールの上で、民自公のチキンレースが展開をされていることです。
 政府として、財務省の解釈を改め、資金繰り債二十兆円を発行して、当面、しのげばいいじゃありませんか。そうした政治決断こそが、政治主導というものじゃないんですか。
 原発事故との戦いは続いています。福島第一原発の事故の収束は、日本の国際的な信頼性をかけた重要な安全保障問題でもあります。
 国家の本来業務は、国民の生命、自由、財産を守ること。
 総理は、昨年暮れ、冷温停止を宣言しました。しかし、それ以降もたびたび使用済み核燃料プールや圧力容器の温度は上昇し、原子力緊急事態宣言もいまだ発令中であります。
 冷温停止宣言は今でも正しかったと、自信を持って言えますか。
 原発の事故収束プログラムを管理するためにも、政府は、国内外のさまざまな専門家を集め、政府から独立した調査チームを早急に立ち上げるべきですが、いかがでしょう。
 規制当局と東京電力との力の逆転関係をつくらないためにも、独立の調査チームからセカンドオピニオンをとっておくべきであります。
 二年から三年の間に福島沖近辺で震度七程度の地震が起きる可能性も指摘されています。そのとき、四号機のプールが破損する心配があるんです。再び、より大きな放射性物質の放出が生じて、東京を含む広大なエリアが汚染される可能性も指摘されています。
 東京電力の言うように、本当に二年以内に四号機から千五百本もの核燃料の取り出しができるんですか。その根拠についても明らかにしていただきたい。
 また、大規模災害に直面したとき、どのような対策を講ずるかについて、用意ができているんでしょうか。
 チェルノブイリ原発事故の収束では、軍人が多数駆り出されました。旧ソ連では、事故収束は軍隊以外が行うのは不可能だったからであります。
 日本では、東京電力を破綻処理もせず、このまま東京電力に任せていたのでは、再び重大な問題につながりかねません。国家の存亡にかかわることだけに、国として前面に立ち、自衛隊を投入することも含め、国の責任で確実に収束を実現すべきではないでしょうか。
 みんなの党は、昨年、子どもと妊婦を放射能被害から守る法案を取りまとめ、各党に呼びかけ、参議院に全会派一致で提出、今年六月に子ども・被災者支援法が成立をいたしました。同法には、はっきりと、原子力災害から国民の生命、身体及び財産を保護すべき国の責任が明記されています。
 しかし、現状は、広域にわたって放射能による健康被害の可能性があるのに、被害者の健康調査は福島県のみに任せっ切り。原発事故の初期に放出された大量の沃素により、今後三年、五年、十五年の間に小児甲状腺がんの問題が生じる可能性も指摘されているのです。
 なぜ国が責任を持って国民の健康管理をしないのですか。日本の原子力災害の被害対策を根本的に見直す観点から、子ども・被災者支援法の基本方針をつくろうではありませんか。
 原発事故から一年半を過ぎた今、政府の務めは、汚染によって自分の家や土地から引き離された無辜の市民に対して、最優先でその資産価値を保障することではありませんか。
 みんなの党は、汚染地域の資産を借り上げ、買い上げて、自然エネルギーの生産拠点や除染の実験施設等に活用する法案を国会に提出しています。
 帰れない地域の方々に、みんなの党は選択わざを提案いたします。除染を待って帰るか、移転して新生活を始めるか、選択できる経済的条件を保障する仕組みを直ちにつくる考えは総理にありますか。
 高濃度の放射性セシウムを含む指定廃棄物最終処理場の建設に当たり、国が突然かつ一方的に候補地を決めたことに、栃木県矢板市と茨城県高萩市が猛反発をしています。一連の候補地選定作業は、決断する政治を履き違えた、上意下達、住民不在そのものです。このままでは、処分場建設が進まない上、他県での候補地提示も一層困難になることは間違いありません。
 既に行った候補地提示を白紙撤回し、地方自治体や住民の意向を十分に踏まえた選定手順に改めるべきと考えますが、いかがですか。
 みんなの党は、電力再生アジェンダを提案します。
 徹底した電力自由化、発送電分離により、消費者が電源、電力会社を選べる抜本改革を行えば、新たな成長産業が生まれます。高くて危険な電源である原発を選ぶ人はいなくなります。
 地域独占電力会社の原発は、官僚統制、中央集権システムのゆがみの象徴です。一九四〇年につくられた国家統制の電力供給体制を転換すれば、原発を自然淘汰し、ゼロにすることが可能になります。
 総理は、原発をゼロにするのかしないのか、どっちですか。
 みんなの党は、原発ゼロで成り立つ経済に確かな回答を持っています。原発でやられた日本を、電力自由化で元気にしていきましょう。
 以上、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇〕

発言情報

speech_id: 118105254X00320121101_015

発言者: 渡辺喜美

speaker_id: 22070

日付: 2012-11-01

院: 衆議院

会議名: 本会議