中野寛成の発言 (本会議)
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○中野寛成君 私は、民主党・無所属クラブ・国民新党を代表し、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律案について質問を行います。(拍手)
まず、その前に一つ総理にお尋ねをいたします。
昨日、米国大統領に民主党のバラク・オバマ氏が再選されました。その鍵は雇用と社会保障であったと考えます。また、解散も総辞職もない、しかし、上下両院のねじれの中で経済と財政の再建に挑むオバマ大統領の二期目のスタートに対し、野田総理の格別の思いもまたあろうかと思います。所感を伺いたいと思います。
さて、与野党関係各位の御尽力によって、本日ここに特例公債法案の審議が始められたこと、御同慶の至りであります。同時に、本日、私は、この特例公債法案について代表質問を行うに当たって、若干の感慨を覚えております。
顧みれば、私が初めてこの本会議場で代表質問に立ったのは昭和五十二年三月四日、十一月四日ではありません、三月四日、議題はまさに昭和五十二年度の公債の発行の特例に関する法律案でありました。
当時は、石油危機を背景として経済が停滞し、景気回復のために各種の追加財政需要がある一方で財源不足に陥ったことから、異例の事態へ対処するためとして、昭和五十年度に初めて特例公債法が成立をいたしました。
しかし、一向に事態は改善されず、昭和五十二年度に三度目の公債発行となったため、国民には大きな不安、不信が広がっておりました。私は、そうした状況の中で質問に立ったのでありました。
あれから三十五年、残念ながら日本の財政状況はますます悪化し、特例公債の発行なしには成り立たない状況に至っております。公債依存から脱却し財政再建を図るべしとの長期的な目標は当然ではありますが、まずは国民の生活を守るために、特例公債法案の成立は不可欠となりました。
それゆえ、予算と表裏一体である特例公債法案は、予算の成立に合わせて成立させることが望ましいことは言うまでもありません。たとえどの党が政権を担おうとも、特例公債法抜きで予算の執行はできません。予算の円滑な執行が困難となれば、経済活動に大きな影響を与え、国民生活の安定が確保できなくなります。
これから私は総理を初め関係閣僚に質問をしてまいります。
予算成立から既に七カ月が過ぎようとする今日までこの特例公債法案を成立させられなかったことは、我が政府・与党の責任のみならず、国会、政治の怠慢とのそしりを免れません。一刻も早くこの法案の成立を図ることこそが、政治の責任であり、国家国民のために与野党を超えた責務であると考えます。
さて、野田総理におかれては、アジア欧州会合への出席、お疲れさまでした。また、先月はIMF・世界銀行年次総会が四十八年ぶりに日本で開催され、さらに九月には国連総会への出席など、重要な国際会議への出席が続く中で、日本としては、震災からの復興と社会保障と税の一体改革の断行を実現し、引き続き国際社会の中で重要な役割を担っていくのだというメッセージを発信してこられました。
総理は、世界が昨今の日本の状況をどう見ているのか、また、日本に求められている役割とは何か、改めて痛感するところがあるはずであります。総理の御見解、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
さて、特例公債法案が未成立な状態のもとで、九月から予算の執行抑制が行われております。このため、今月二日に予定されていた地方交付税の交付が先送りされ、多くの自治体においては、短期借り入れを行わざるを得ない状況に陥っております。
そこで、財務大臣、現在行われている執行抑制によって、国民生活にはどのような影響が生じているのでしょうか。具体的にお聞かせ願います。
また、あわせて樽床総務大臣、地方六団体は、先月三十日に執行抑制に対する共同声明を出して強い危機感を表明しておりましたが、これが現実のものとなった今、ぜひ、地方の現状について、その一端をお聞かせいただきたいと思います。
また、万が一今月中に特例公債法案が成立しなかった場合には、十二月にも国債発行が停止すると言われております。こうした事態は、金融市場の混乱を引き起こし、日本の国際的な信用の低下を招くものであり、金融関係者を中心に強い危機感が表明されております。つまり、特例公債法案は、財源確保の観点から必要であるだけでなく、金融市場の安定、日本への信用といった観点からも極めて重要な法案であります。
こうした問題はこれまで余り指摘されてきませんでしたが、前原経済財政担当大臣、特例公債法案が成立しなかった場合の金融面を中心とした我が国経済への影響について、わかりやすく御説明願います。
そもそも、我が国の国債は発行額と残高のいずれもが莫大であり、それ自体が懸念材料であったにもかかわらず、近年では、特例公債法案の成立をめぐる与野党の駆け引きが政治的リスクとして受けとめられつつあります。
G20の声明では、欧州の債務危機への対応がおくれる可能性、米国の潜在的かつ急激な財政の引き締めに続いて、日本の本年度予算の財源確保の可否が世界経済への下方リスクとして指摘されました。また、IMFのラガルド専務理事も、日本と米国については政策をめぐる不確実性の打開が重要課題であるとの見解を示したと報じられております。
特例公債法案が政治的リスクとして受けとめられることで世界経済にどのような影響をもたらすのか、先週のG20における国際社会の議論を踏まえて、財務大臣の見解をお伺いします。
繰り返しになりますが、我が国の財政運営は、赤字国債抜きではもはや不可能であります。そして、予算執行がとまれば、我が国経済や国民生活のみならず、世界経済へも大きな影響を及ぼすことになります。ねじれ国会のもと、毎年特例公債法をめぐって与野党が対立することは、このような多大なる影響を及ぼします。
このような状況を回避するため、先般、野田総理は、予算と特例公債法案を一体的に処理するためのルールづくりを提案されました。これを受けて、現在、民主党から野党に対して、特例公債法の扱いの協議を提案しているところでもあります。
具体的には、特例公債法案を多年度化し、例えば、財政健全化に向けた一里塚となっている二〇一五年度まで特例公債の発行権能を付与する法案などが検討対象になると思います。これは、民主党として、将来ともに特例公債法案を政局に巻き込むことはないという意思表示でもあります。
野党の皆様にも積極的に協議に応じていただきたいと存じますが、この際、改めて財務大臣の御見解を伺っておきたいと存じます。
私は、国際社会と日本の現状を見るとき、政争に明け暮れしている場合ではないと思います。
まして、あえて私見を申し上げれば、内閣不信任決議を経ずして行われるいわゆる憲法七条解散は、私は今なお憲法違反だと考えております。
衆議院議員は、国民によって与えられた四年間の任期を使命感を持って全うし、その責任を果たすべきだと信じます。そうでなければ、日本政治は、衆参のねじれの中で、世界に恥ずべき総理の一年交代がこれからも続くことになりかねません。
さて、この法案の重要性については、今さら私が申し上げるまでもありません。万が一本法案が成立しなければ、社会保障の給付などがストップしかねません。日本版財政の崖が、先行き不透明となっている世界経済を暗闇にしかねません。議会が十分な議論を行うことは当然でありますが、その上で速やかに結論を出すことが、より一層重要であります。
私は、今改めて、日本の国会、そして与野党の良心を信じたいと思います。
最後に、政府・与党の度量と野党の良識が相まって日本の議会制民主政治が正しく成熟していくことを祈ってやみません。
特例公債法案の速やかな成立を切に願いつつ、私の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇〕