野田佳彦の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(野田佳彦君) 牧議員の御質問にお答えをしてまいります。
 まず最初に、今国会の状況に関するお尋ねがございました。
 今国会が始まるに当たり、私が所信で申し上げたことは、党派対立が繰り返され、大局よりも政局ばかりを優先してしまう政治をやめ、あすへの責任を果たすための建設的な議論の場にしようということでございました。ぜひとも、与野党が一致協力して国民の期待に応えていただきたいと考えております。
 なお、委員会の開催など国会の運営につきましては、各党各会派で御議論の上、お決めいただきたいと考えます。
 閣僚人事については、任命した閣僚が職務を全うできない例があったことは遺憾であり、内閣全体としてその職務を果たすことにより、政権としての責任を果たしてまいりたいと考えます。
 特例公債法案の一日も早い成立、一票の格差是正と定数削減の実現など、ぜひとも、実りある国会としていただきたいと考えております。
 次に、年金特例公債についての御質問をいただきました。
 年金財政の安定のため、基礎年金の国庫負担割合を二分の一に引き上げる必要がありますが、その財源を赤字国債に依存し、将来世代に負担を先送りすることは適当でなく、消費税率引き上げにより安定財源を確保した上で対応することとしております。
 また、消費税率引き上げまでの平成二十四年度及び平成二十五年度においても、基礎年金の国庫負担割合を二分の一とする必要があります。
 このため、今回の特例公債法案では、さきの通常国会における野党の御提案も踏まえ、消費税率引き上げ分を償還財源とする年金特例公債を発行することとしているものであり、これは必要な規定であると考えております。
 政府としては、社会保障のための安定財源である消費税率の引き上げを行うためにも、経済の再生に全力を尽くしてまいります。
 ただし、仮に消費税率引き上げを停止することとなる場合は、年金特例公債の償還を含めた社会保障の充実、安定化の財源をどのように確保するかについて、その時点において厳しい検討、判断が必要になると考えております。
 財務省証券の発行についてのお尋ねがございました。
 特例公債法案の成立が見込めない場合に、特例公債金を償還財源とする財務省証券を発行することは、財政法上、許容されないものと考えております。それにもかかわらず、政府独自の判断により特例公債法案の成立を前提として財務省証券を発行することは、むしろ、立法府を軽視するものであり、行政府ののりを越えるものと考えております。
 いかなる政権であっても、特例公債なしで今の財政を運営することはできず、既に地方予算などで執行抑制が余儀なくされております。特例公債法案を一刻も早く成立させることが政治の責任であると考えており、引き続き全力で取り組んでまいります。
 次に、地方交付税の執行抑制についての御質問をいただきました。
 九月七日に予算執行抑制の方針を決定した際に、十一月末には支出累計額が歳出上限に近づき、一般会計の歳出に充てられる財源がほぼ枯渇するとの見込みを公表しましたが、現時点でも、同様に見込んでおります。
 なお、その際、地方交付税の九月交付分のうち、道府県分について九月から十一月の月払いとしましたが、十一月交付分の扱いは決めておりませんでした。
 政府は、特例公債法案の早期成立に向けて全力で取り組んでおりますが、十一月に入っても法案が成立していない現状では、予算執行を慎重に行っていかざるを得ません。
 この一環として、法律において十一月中に交付するとされている地方交付税についても、日付までは決まっていないことから、当面は、十一月という月内において暫定的に交付を見合わせているところであり、執行抑制については、特例公債法案の帰趨を踏まえつつ対応することとしております。
 次に、執行抑制の影響についてのお尋ねがございました。
 道府県分の九月交付分については月割り交付としたところですが、各地方団体においては、基本的に、行政サービスに支障が生じないよう、一時借り入れなどの資金繰り対策を講じることにより、適切に対応いただいているものと承知をしています。
 十一月分については、当面交付を見合わせていますが、地方団体からは、交付の遅滞が国民生活に影響を及ぼしかねないことを懸念する意見も寄せられており、政府としては、特例公債法案を一日でも早く成立していただくよう最大限努力をしてまいります。
 次に、執行抑制に伴う地方団体の借り入れ等についてお尋ねがございました。
 地方交付税については、道府県の九月交付分を九月から十一月にかけて月割りの交付としましたが、これに伴い、その間に道府県が行った一時借り入れによる金利負担は、現時点で把握している限りでは、約五千七百万円と承知をしています。
 また、月割り交付としたことに伴う一時借り入れ等に係る金利負担については、道府県の財政運営に支障が生じないよう、国において必要な配慮を行うこととしております。
 十一月交付分については、当面交付を見合わせているところですが、引き続き、各地方団体の資金繰りの状況に留意をしてまいります。
 次に、一体改革の目的等についてのお尋ねがございました。
 今回の一体改革は、子ども・子育て支援の充実や、現行の年金制度の改善といった社会保障改革を行うとともに、社会保障の安定財源確保と財政健全化の同時達成のための第一歩を踏み出すものであり、一体改革の名に値するものと考えております。
 社会保障に対する揺るぎない安心感を示すためにも、早急に国民会議を立ち上げるなど、三党合意を基礎に、残された課題について、さらに議論を進め、一つ一つ道筋をつけてまいります。
 次に、消費税率の引き上げと財政収支の改善に関するお尋ねがございました。
 今回引き上げられる五%分の消費税収十三・五兆円は、国、地方における社会保障の充実や、消費税率引き上げに伴う社会保障支出の増などにも向けられるため、国の財政収支が十三・五兆円分改善するわけではありません。
 先日の代表質問において申し上げたとおり、今回の一体改革では、引き上げ分の消費税収十三・五兆円については、その全額を社会保障財源化し、全て国民に還元することとしております。
 次に、我が国の財政状況についてのお尋ねがございました。
 我が国の財政は、債務残高対GDP比が、総債務ベースで見ても、金融資産を控除した純債務ベースで見ても、主要先進国中最悪であるなど、国際的に見ても厳しい状況になっております。
 また、平成二十二年度の国の財務書類によれば、国には六百二十五兆円の資産がありますが、それでも四百十八兆円もの負債超過となっており、しかも、この資産には、直ちに売却して債務の償還や利払いに充てることができないものも多いことに留意する必要があります。
 これらを踏まえれば、我が国財政は決して楽観視できる状況になく、国債市場の環境が安定している今のうちに、財政健全化に一刻も早く取り組むことが必要と考えております。
 以上です。(拍手)
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発言情報

speech_id: 118105254X00420121108_015

発言者: 野田佳彦

speaker_id: 5804

日付: 2012-11-08

院: 衆議院

会議名: 本会議