竹内譲の発言 (本会議)

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○竹内譲君 公明党の竹内譲でございます。
 公明党を代表いたしまして、特例公債法案について質問をいたします。(拍手)
 特例公債法案は、国家財政、経済にかかわる最重要法案であります。
 通常国会では、衆議院の財務金融委員会において、与野党が党利党略を超えて、国家の大局を見据え、お互いの信頼関係を築きつつ審議を重ねてまいりました。ところが、前国会の最終盤において、突然降って湧いたように、与党は、採決を強行、可決いたしました。
 この政府・与党の暴挙により、与野党の信頼関係が崩壊し、特例公債法案は、参議院では廃案となりました。同法案の廃案は、予算の廃案と同じであり、内閣不信任に匹敵します。極めて無責任であり、政権を担っているという自覚が余りにもなさ過ぎる行動でありました。
 にもかかわらず、政府・与党は、この臨時国会において、何の反省もなく、全く同じ法案を閣議決定し、国会に提出されました。驚くべき傲慢さであります。我々野党を見下しているのでしょうか。また、特例公債法案がいまだに成立しないのは全て野党の責任だと言うつもりでしょうか。
 そもそも、法案を成立させる責任は政府・与党にあるはずです。我々は、借金の前に、まず放漫財政を改めるべきという、当然の道理を申し上げているのです。
 なぜ、前国会で廃案となった法案を、一字一句変えることなく、そのまま国会に提出されるのか、まず、総理の答弁を求めます。
 言われるまでもなく、特例公債法案は、政局で処理すべきものではありません。あくまでも、政策の問題として考えるべきであります。
 公明党は、民主党政権の三年間の予算歳出総額の平均と、自公政権時代のそれとを比較した結果、民主党政権になってから、ばらまきのマニフェストを初め、水膨れの歳出構造になっていると分析しています。この水膨れ構造にメスを入れることなく赤字国債を垂れ流すことは、国民に対して無責任であります。
 例えば、企業経営者が放漫経営の末に巨額の約束手形を振り出したとしましょう。その手形の期日が迫っているからといって、果たして銀行が、当然のように手形を全額決済してくれるでしょうか。銀行は、必ず、経営合理化計画などを出させて、企業の抜本改革を明らかにせよと要求するはずです。また、経営責任を追及するとともに、大規模なリストラに着手、実行することが常識です。
 国家財政でも同じです。
 ばらまきの放漫財政の結果、自公政権のときよりも年間の赤字国債発行額がふえてしまった。野党として、少しでも発行額が少なくなるように、歳出の削減や財政改革を要求するのは当然の責務であります。我々は、この道理を申し上げているのであって、この法案を政治的な駆け引きの材料にしているのではないのです。むしろ、そういう悪弊にのめり込んでいたのは、野党時代の民主党だったのではないでしょうか。
 今回も、特例公債法案を人質にして解散を迫る野党が悪いなどと政府・与党が考えているとしたら、全く心得違いも甚だしく、政権を担っているという自覚がないと言わざるを得ません。まずは、政府が、水膨れの歳出構造を改め、減額補正などの手段を提示し、本法案が速やかに成立するように努力するのが正しい方策であると考えます。総理の見解を求めます。
 次に、社会保障制度改革国民会議の設置。これは早急に立ち上げる必要があり、この点については、三党間でも合意しています。そのための今国会での手順やスケジュールをどのように考えているのか、総理にお尋ねします。
 第三に、尖閣諸島をめぐる日中問題について質問いたします。
 このたびの日中関係の悪化は、政府・民主党の外交が、これまでの歴史に学ばず、思慮不足で、いかに未熟であるかを露呈したと言わざるを得ません。
 尖閣諸島は歴史的にも国際法上も日本の固有の領土でありますが、近年の中国が不法、非礼な対応をしていることも事実であります。
 しかしながら、それ以上に問題なのは、それを許してきた政府・民主党外交の驚くべき稚拙さであります。
 はるか半世紀も前の、まだ米ソ冷戦状態の時代から、アジアの平和と繁栄のために日中国交回復をなし遂げようと、どれほど多くの先人たちが努力をなされてきたことか、多くの民主党の諸君はほとんど御存じないと思います。
 自民党や公明党の大先輩たちは、日中国交正常化の井戸を黙々と掘ってこられました。その結果、中国は日本に対する巨額の戦後賠償請求権を放棄することが周恩来と公明党との間で確認され、それを受けて、当時の自民党の田中角栄総理や大平外相の御尽力により、日中国交正常化が実現したのであります。
 このたび、政府は、尖閣三島の国有化をわずか二カ月ほどで決定してしまいました。
 日中の半世紀にわたる友好関係や経済関係にどのような影響を及ぼすか、考えなかったのでしょうか。相当の反発があることは容易に想像できたのではないですか。中国側への説明や、米国を初めとする国際社会への根回しは、不十分だったのではないでしょうか。野田総理と胡錦濤国家主席が立ち話で済ませるような内容でしょうか。恐らく、前東京都知事にあおられ、選挙対策的に、国民受けを狙って決めたのでしょう。政府の外交は、浅薄であると言われても仕方がありません。
 尖閣三島の国有化の狙い、中国との交渉経緯とその内容について、詳しい答弁を求めます。
 尖閣三島周辺では、中国の領海侵犯も相次いでおり、このまま放置すればいかなる事態が生じるか、わかりません。また、経済に及ぼす影響も極めて大きく、深刻な不況をもたらしかねません。
 政府としては、今後の日中関係をどのように打開していくつもりか。現在、外務省の事務方が調整しているそうでありますが、このような大事な問題を官僚主導に任せてどうするのですか。これこそ、政治家が前面に出て、政治主導で解決すべき問題であります。
 民主党の政治主導は、一体どこへ行ったのでしょうか。総理の明快な答弁を求めます。
 最後に、田中眞紀子文部科学大臣が、来春開校予定だった三大学を当初不認可とした問題についてお尋ねします。
 田中文科大臣は、その後、世論やマスコミから批判を浴びると、くるくると発言を変え、国会で厳しい追及を受けて、ようやく認可すると発言いたしましたが、これでは大臣としての適性を著しく欠くと言わざるを得ません。
 そもそも、必要な要件を満たしていれば認めることが認可の基本であります。今回の不認可は、これまで積み上げられたルールを無視するもので、明らかに違法であります。ルールに従って準備をしてきた大学関係者や応募しようとしていた学生に著しい不利益を与えるもので、政府の判断としては妥当性を欠きます。
 その後、田中文科大臣は、さすがにまずいと思われたのか、新たにつくる設置認可基準で新設可否を含めて改めて判断するなどと述べました。しかし、今から新しい基準をつくるなどというのは論外であります。これこそルール違反です。大学の募集事務や受験生のことを考えれば、そのような形で判断の誤りの体裁を取り繕うのは間違っています。
 少子化などにより大学経営が悪化している現状は理解できますが、設置認可の仕組み全体の問題と、これまで文科省の言うとおり着々と準備をしてきた個別の認可の問題とは、切り離して対応すべきであります。
 田中文科大臣は、六日の閣議後の記者会見で、驚くべきことに、不認可の方針を事前に首相や首相官邸側に伝えていたと述べています。しかも、その際に、官房長官は、そうしたことは大変結構で、私もかねがねそう思っていましたと答えたとのこと、首相からはそのまま推し進めてくださいとの答えをじかにいただいたことを明らかにしています。これは極めて深刻な問題です。今さら認可するなどと言っても、免責されるものではありません。
 私は、前代未聞の大混乱を招いた田中文科大臣の責任は極めて大きいと思います。同時に、田中文科大臣の判断を是とした野田総理や藤村官房長官の責任も重大です。野田総理は、どのように責任をとるおつもりですか。お答えください。
 いずれにしても、もはや、政府・民主党には全く政権担当能力がないことが内外に明らかになりました。野田総理は、三つの懸案事項を処理すべく、党内を早急にまとめるべきであります。
 野党の方針は明らかです。むしろ、民主党内がまとまれば、三つの課題はたちどころに解決されます。そして、約束どおり、直ちに解散・総選挙に踏み切るべきであります。
 総理は、これまで、我々野党をだましてこられました。しかし、国民を欺くことはできません。国民は見抜いています。正心誠意が総理のモットーであります。近いうちに解散するとしたみずからの発言について、国民に対して正心誠意の答弁を求めて、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇〕

発言情報

speech_id: 118105254X00420121108_017

発言者: 竹内譲

speaker_id: 32841

日付: 2012-11-08

院: 衆議院

会議名: 本会議