玉城デニーの発言 (本会議)
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○玉城デニー君 私は、国民の生活が第一・きづなを代表して、ただいま議題となりました財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律案に対し、反対の立場から討論をいたします。(拍手)
討論に入る前に、まず、野田政権の沖縄に関する政策や対応について、強く抗議を申し上げなければなりません。野田総理を初め閣内閣僚は、野田政権の発足以来、これまで、国家の主権者たる沖縄県民の声にほとんど耳を傾けようとせず、それどころか、県民の人権をも大きく毀損するようなことを繰り返してきているからであります。
米海兵隊MV22オスプレイの普天間基地強行配備に対し十万余の県民が反対の声を上げた九・九県民大会の決議も、県議会並びに県内四十一全ての市町村が決議した反対の意思も、総理は一顧だにしていないではありませんか。
米海軍兵士による女性暴行事件、空軍兵士による住居侵入、中学生殴打、器物破損事件などが連続して発生する異常な状態は、国民がひどく傷つけられているというように、総理御自身が国民を守らねばという強い危機感を持って、米軍のみならず米国政府に対しても、国家の領袖としての厳格な申し入れができるはずであります。しかし、残念ながら、総理から、その思いは全く伝わっておりません。
県民がこれまでも強く求めている我が国の民を守るための地位協定の抜本改正についても、総理自身が責任をとる決意は見えてこないのです。片方の舌で基地の負担軽減を言いつつ、もう片方の舌で日本がどうこう言えることではありませんと言ってしまうことが、その真意とは別に、県民に大きな政治不信の波を広げてしまっているのです。
総理、ことしの五月二十五、二十六日に沖縄で開催されました第六回太平洋・島サミットのことを覚えておいででしょうか。太平洋にある十三の島嶼国家の元首をお迎えして開催される一大外交イベントのスタートを飾る、総理が主催した晩さん会のことです。一通り挨拶や乾杯が進み、会場も笑顔と和やかなムードのうちにフィナーレとなり、各国首脳の皆さんと、総理も、総理の奥様も御一緒になって思い思いに踊った沖縄伝統のカチャーシーのことを。
そのときの様子は、プレス民主六月八日増刊号の表紙の写真に見られるように、国の区別もなく打ち解け合い、国の違いを超えて晴れやかに、これから始まる島嶼サミットの成功を誰にも思わせる、すばらしい外交の一場面ではなかったでしょうか。
総理は、後日、御自身のブログで、太平洋をつなぐ島国精神、互いに酒を酌み交わし、ともに踊り合うことで、確かに心が通じ合えた気がします、島国を生きる者同士が共通に持っている何かに響くものがあったからかもしれません、その関係を支えるのは、太平洋を分かち合う友人としての信頼関係にほかなりませんとつづっておられます。
信頼得ずして為政なし。総理には、いま一度、この言葉の持っている深甚な思いを、飢餓や災害や戦争の歴史をも乗り越えんと努力してきたあまたの沖縄県民の声なき声として、心にとどめていただきたいと思います。
さて、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律案、いわゆる特例公債法案は、本来は、既に成立している本年度予算と一体として速やかに審議、可決されるべき一体関連法案です。
本年度予算案は、私も、採決当時は与党の議員として予算案に賛成いたしました。しかし、さきの国会で廃案となり、今回の国会に提案されているこの特例公債法案は、民主、自民、公明の三党合意により修正提出され、年金特例公債に係る規定が新たに追加されました。
しかし、この新たに追加された年金特例公債については、平成二十四年度及び二十五年度分をつなぎ国債として発行し、さらに、二十六年度以降については消費税の増税をもってその償還分の財源とするもので、消費税増税に反対する我が党としては、到底賛成できるものではありません。
そして、さらに、昨日十四日財務金融委員会へ提出された三党合意による修正案に至っては、憲法と財政法に定められた財政の原則を逸脱し、財政規律の歯どめを外すことにつながる重大な問題を持つものであります。
特に、平成二十四年度から平成二十七年度まで立法措置なしに赤字国債を発行できるとすることは、予算の単年度ごとに国会がチェックする機能をも奪うものであり、到底容認できるものではありません。
その問題だらけのでたらめな修正案もわずか二時間余りの審議で採決に持ち込むという愚かな事態に至っては、我が国の民主主義と国会の審議を冒涜するに値する蛮行だと言わざるを得ません。
そもそも、今後の我が国における経済情勢をしっかり監視しなければ消費税を増税できるのかどうかも極めて不確実なのであり、経済の好転をもってそのときの政府が決定すると法文で規定されているはずの消費税増税のための重要な必要条件が付されているにもかかわらず、まるで、既に増税が決まったかのように、それこそ先食いするような形で年金の財源に充てるということは、極めてこそくであり、国民に対して甚だ不誠実であると言わざるを得ないのであります。
先般、総理への代表質問で、国民の生活が第一・きづなの牧議員から、この法案原文から消費税増税分を担保とする年金特例公債の発行に関する条文の削除を提起させていただくという質問提起があったとおり、我が党は、特例公債の発行について、当初の内容であれば反対する理由はありませんでした。
しかし、安定財源を求めるが余り、インフレは冷やす、デフレは温めるという、経済においての原則中の原則をもひっくり返すような、厳しい状況を逆に深刻化させていくことが明らかである消費税増税をその財源とする特例公債法案について、賛成することはできません。
収入が乏しい低所得層への対策や、価格に転嫁できない中小零細企業への対策などの議論も先送りになった不安なままで、国民の皆さんは果たして納得できるというのでしょうか。
内閣官房社会保障改革担当室が八月に成立した増税法をもとにしてまとめた試算では、四十歳以上の夫、専業主婦の妻、二人の小学生がいる世帯で年収三百万の場合、消費税で年間八万二千円、家計全体負担額で何と二十七万三千円の負担増と出ています。四十歳未満の単身世帯でも、年収三百万世帯で、消費税負担額が年間六万二千円、社会保険料などを加えた家計全体では十一万円という試算が出されています。
仕事が減る、収入がふえない、こういう景気の中で、それだけの負担を国民に強いるということが現実となっていいんでしょうか。
今月十二日に内閣府が発表した二〇一二年七月から九月期のGDP(国内総生産)速報値は、実質で〇・九%減、年率換算で三・五%減となっており、三四半期ぶりのマイナス成長です。残念ながら、景気が後退局面に入ったとの見方を強める結果ということになりました。我が国の景気全体は、やはり、いまだ成長の緒についていないという現実であります。
今ここで行うべきは、消費税大増税に走らずに、まず真っ先に、その不況の状態から脱するため、国を挙げての金融経済政策を行うことであり、ひいては税収増へとつなげていくことを明確な目標にする、確実な成長戦略の実行に尽きるのではないのでしょうか。国民の生活が第一の目標を掲げ、内需拡大によって経済活動を伸ばし、市場等に活況を起こすような政策を真摯に議論して、果敢に進めていくことではないでしょうか。
以上の点を申し上げ、本特例公債法案に反対の意見を述べて、私の討論を終わります。
ニフェーデービタン。(拍手)