志位和夫の発言 (本会議)
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○志位和夫君 私は、日本共産党を代表して、安倍総理に質問いたします。(拍手)
間もなく、東日本大震災から二年目の三月十一日を迎えます。
しかし、甚大な被害をこうむった被災自治体からは、二年たてば状況は変わっているはずと思い、踏ん張ってきましたが、まだ現場は壊れた建物の解体作業をしており、瓦れきも山積みですという実態が寄せられております。被災者からは、つらい期間が余りに長過ぎる、再建の意欲はなえてきたという痛切な声が寄せられております。
復興を進めるに当たって、今何よりも政治に求められているのは、こうした深刻な実態を丸ごとつかみ、被災者と心を共有するという姿勢を貫くことではないでしょうか。
この立場から、私は、緊急に正すべき政府の姿勢の問題点について提起いたします。
第一は、あらゆる支援策に期限がついているという問題であります。
先の見通しが持てないのに、災害救助法に基づく仮設住宅やみなし仮設の期限が来年度から一年ごとの延長となっていることが、被災者の不安を広げております。
政府は、昨年九月末、被災者の医療、介護の減免措置を打ち切りました。生活もなりわいも再建のめどが立たず、不安といら立ちが募っているときに、一方的に支援を打ち切ったことが、どんなに被災者の心を傷つけ、どの施策も、いつ打ち切られるかわからないという国への不信を広げたか、はかり知れません。
医療、介護の減免措置を直ちに復活させるとともに、あらゆる支援策について、支援が必要な人、地域がある限り、拡充することはあっても、絶対に打ち切ることはせず、生活となりわいの再建を最後まで支援し、被災者とともに歩む、このことを約束し、政府の支援策の大原則に据えるべきではありませんか。答弁を求めます。
第二は、もとの場所に同じものをつくらなければ支援しないという、しゃくし定規な復旧の押しつけが復興の重大な足かせとなっているという問題であります。
津波をかぶった海岸沿いの道路の整備は復興交付金の補助対象とするが、高台移転を考えて山側に道路の整備をしようとしても補助対象としないという事態が起こっております。もともと曲がりくねっていた道路を真っすぐに直した方がお金がかからないのに、もとの蛇行したままでないと補助対象としないという事態も起こっております。
これまでのルールを現場に押しつけるのではなくて、現場にルールを合わせる、この立場での根本的な見直しが必要ではありませんか。総理の答弁を求めます。
TPP参加に突き進む総理の姿勢に、公約破りのTPP参加は許せない、自民党も民主党と何ら変わらないという怒りの声が全国で広がっております。
総理は、施政方針演説で、TPPについては、聖域なき関税撤廃は前提ではないことを、先般、オバマ大統領と直接会談し、確認いたしましたと述べました。しかし、これは国民を欺くものであります。
日米首脳会談を踏まえて発表された日米の共同声明の冒頭には、TPP交渉に参加する場合には、第一に、全ての物品が交渉の対象となること、第二に、二〇一一年十一月十二日にTPP首脳によって表明されたTPPの輪郭、アウトラインにおいて示された、包括的で高い水準の協定を達成していくことを両政府が確認すると明記されております。
それでは、二〇一一年十一月のTPPのアウトラインには何と書かれているか。関税並びに物品・サービスの貿易及び投資に対するその他の障壁を撤廃する。すなわち、関税と非関税障壁の撤廃がTPPの原則だと書かれております。
さらに、同時期に外務省がまとめた報告書は、TPP協定交渉においては、高い水準の自由化が目標とされているため、従来我が国が締結してきたEPAにおいて、常に除外または再協議の対応をしてきた農林水産品、米、小麦、砂糖、乳製品、牛肉、豚肉、水産品等を含む九百四十品目について、関税撤廃を求められると明記しております。
すなわち、日米共同声明で確認されたのは、TPP交渉に参加する場合には、全ての物品を交渉の対象とし、関税と非関税障壁を撤廃し、高い水準の協定、すなわち、これまで聖域としてきた農林水産品の関税を撤廃する協定を達成することにほかなりません。
総理、聖域なき関税撤廃が前提ではないことが確認されたどころか、聖域なき関税撤廃を誓約させられたのが、日米共同声明ではありませんか。
加えて、国民皆保険制度や食の安全、安心を守るなど、自民党が総選挙で掲げた、関税以外の五項目に関する公約については、総理は、日米首脳会談で一方的に説明しただけではありませんか。オバマ大統領から五項目を保証する発言があったのか否か、しかと答弁を願いたい。
国民を欺き、公約を裏切り、農業、医療、食の安全を初め、国民生活と日本経済を土台から壊し、経済主権をアメリカに売り渡すTPPを推進することは、絶対に許されるものではありません。
日本共産党は、交渉参加をきっぱり断念することを強く求めるものであります。
賃上げと安定した雇用の拡大は、労働者の切実な願いであるとともに、デフレ不況打開のための最大の鍵となっております。
私は、総理に二つの点を提起するものです。
第一は、政府として、経済界に対して賃上げの働きかけを本腰を入れて行うことであります。
総理は、この間、経済三団体首脳と会談し、従業員の報酬引き上げを要請しておりますが、経済界からの回答は、企業収益が回復すればいずれ賃金の上昇につながるという、事実上のゼロ回答でありました。
しかし、大企業は、二百六十兆円もの内部留保をため込み、その一%程度を取り崩すだけで、八割の大企業が月額一万円の賃上げを実施できる力を持っております。
内部留保の一部を賃上げに活用せよと、堂々と正面から経済界に要請すべきではありませんか。答弁を求めます。
第二は、政府として、賃上げ促進政策を実行することです。
厚生労働省の労働経済白書は、需要不足、デフレの生じている最大の要因は、所得の低下であり、それは主に非正規雇用者の増加によるものだと分析しております。
そうであるならば、非正規雇用の増大をもたらした歴代自民党政権による労働法制の規制緩和路線を抜本的に転換し、労働者派遣法の抜本改正、パート労働法の改正など、正社員化への流れをつくるべきではありませんか。
さらに、総理は、中小企業への大規模な支援とセットで最低賃金引き上げに大胆に取り組むべきだという我が党議員の提起に対して、重要な指摘であり、研究しなければならないと答弁されました。そこまで認めたのであれば、最低賃金引き上げを本腰を入れて実行することを、この場で明言していただきたい。
総理の無制限の金融緩和宣言を機に、急激な円安で、輸入食料品、灯油、ガソリンなどが値上がりし、悲鳴が上がっております。こんなやり方で二%の物価上昇を目指すとなれば、生活必需品の高騰は必至となります。賃金が上がらないのに物価だけが上がる、最悪の事態を招きかねません。
政府として目標を持つというのであれば、賃上げ目標こそ持つべきではありませんか。答弁を求めます。
総理は、施政方針演説で、暮らしの不安に一つ一つ対応するといいながら、国民の最大の不安の一つである消費税増税について、一言も触れませんでした。なぜでしょうか。
参議院選挙までできるだけ議論を避けて選挙をやり過ごそうという思惑があるとしたら、これほど国民を愚弄するやり方はありません。
安倍政権の経済政策のもとで、消費税増税の根拠は、いよいよ総崩れとなっています。
社会保障のためという口実は、生活保護の大幅削減を突破口に、介護、医療、年金、保育など、全ての分野で給付の削減と負担増が計画されるもとで、既に崩れ去っているではありませんか。
財政再建のためという口実も、大都市環状道路や国際コンテナ戦略港湾など、無駄と浪費の巨大公共事業のばらまきが復活するもとで、もはや通用しないと考えませんか。
一体何のための消費税増税か、国民にわかるように説明されたい。(発言する者あり)