森まさこの発言 (本会議)

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○国務大臣(森まさこ君) 本法案の目的規定についてお尋ねがありました。
 本法案の制度を活用することにより、消費者の財産的被害を適切に回復し、消費者の利益の擁護を図ることは、消費者と事業者の双方の関係を良好にして、消費の活性化、健全な事業者の発展や公正な競争をもたらすものであるとともに、被害回復を受けた消費者が新たな消費をすることにより、健全な事業者への需要を喚起し、ひいては経済の成長を促すものと考えており、これを踏まえ、国民生活の安定向上とともに国民経済の健全な発展に寄与することを、達成が期待される目的として掲げているものです。
 消費者被害の現状についてお尋ねがありました。
 全国の消費生活センターに寄せられる消費生活相談の件数は、二〇一二年で約八十五万件と、依然として高い水準で推移しております。
 このうち、インターネット取引、金融商品に係る投資における詐欺などの不適切な勧誘事案、高齢者が被害者となっている事案などに関する相談が多く寄せられています。
 被害額についての消費者庁の調査によれば、実際に被害に遭った方のうち、その額が十万円未満の方の割合が五割近くを占めています。
 また、全国の消費生活相談において、相談事案のうち、実際に支払った金額を単純合計すると、一年間で約二千二百億円となっております。
 悪質事業者による市場への悪影響及び本制度による予防的効果についてお尋ねがありました。
 悪質な事業者が消費者に被害を与え、その被害回復のための権利が消費者にあっても実際には行使できないことは、消費者による泣き寝入りが多い現状に乗じた悪質な事業活動を許してしまうほか、本来健全な事業者へ向かうべき資金がそこへ回っていかないこととなるため、健全な市場経済に対して悪い影響を与えていると考えられます。
 また、本制度によって、被害の回復が容易となることにより、事業者が法律に違反して得た不当な利益を返還させることは、事業者による不当な行為の抑止につながり、もって消費者被害の予防にもなるものと考えます。
 本制度が市場における経済活動に与える影響についてお尋ねがありました。
 本制度は、既存の訴訟制度では、消費者と事業者との間の情報の質、量並びに交渉力の格差により消費者がみずからその権利を行使して被害回復を図ることが困難を伴う場合があることに鑑み、その権利行使の実効性を確保する観点から創設されるものです。
 本制度の活用により、相当多数の消費者に生じた財産的被害を適切に回復し、消費者が安心して経済活動を行うことができる市場を整備することは、消費者の市場への信頼を高め、消費の拡大、ひいては経済の成長を促すものであると考えております。
 この法案で救済できない事案についてお尋ねがありました。
 本制度では、その特質に鑑み、訴えることのできる案件は、二段階目の手続において対象債権の存否及び内容を適切かつ迅速に判断することが困難であるとは言えない案件、一段階目の手続の審理において、被告事業者が、二段階目の手続で争われる消費者の被害額についておおよその見通しを把握できる案件である必要があるものとしています。
 そこで、いわゆる拡大損害、逸失利益、人身損害、慰謝料についての損害賠償請求を除くものとしたものです。
 本制度で対象とならない消費者被害については、個別に訴訟を起こすことや、裁判外紛争解決手続や消費生活センターを活用すること等によって救済を図ることとなります。
 消費者庁としては、国民生活センターの裁判外紛争解決手続や消費生活センターや相談窓口の整備などをして、消費者の被害回復を図ってまいります。
 対象となる範囲の見直しについてお尋ねがありました。
 本法律案附則第三条においては、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとしています。
 本法施行前の事案について本制度を適用しないとしている理由と影響についてお尋ねがありました。
 本制度は、我が国の民事裁判手続において新たな仕組みを導入しようとするものであり、本法施行前の事案について本制度を適用するとした場合、事業者は、一時期に多数の消費者からまとまって金銭の支払いを求められることになります。
 このような場合、事業者においては、あらかじめ支払いの準備がなされていない可能性が高く、結果的に、事業者の消費者に対する金銭の支払いが困難となるなど、事業者の予測可能性を害する側面があります。
 そこで、施行前の事案については、本制度を適用しないことといたしました。
 同一の事案が施行前後にわたり発生している事案の救済についてお尋ねがありました。
 同一の事案である限り、施行前の事案であっても、事業者には同様に被害回復を図るべき義務はあり、そのことは、施行前の事案について本制度の適用を制限しても、変わりはありません。
 被害者は、個別の手続により、救済を求めることができます。
 同一の事案が施行前後にわたり発生している事案について、施行後の事案に関して一段階目の判決が出た場合、関係機関への周知を行い、その判決の事実上の効力を活用しつつ、国民生活センターのADRを活用するなどして、施行前の事案についても、消費者の被害回復を図ってまいります。
 本制度の担い手である特定適格消費者団体についてお尋ねがありました。
 現在認定されている十一の適格消費者団体のうち、特定認定の要件を満たす団体数や運用上必要な団体数について明確に申し上げることは困難ですが、まずは、適格消費者団体の数をふやすよう、適格消費者団体の認定を目指す団体の支援などに取り組んでまいります。
 本法施行後の特定適格消費者団体の数のいかんにかかわらず、各団体間の連携の促進や、特定適格消費者団体に対する国民生活センター等からの消費者被害に関する情報の提供などにより、どの特定適格消費者団体においても全国で発生する消費者被害に対応できるよう措置してまいりたいと考えています。
 通知、公告や仮差し押さえを行うため、特定適格消費者団体に対する支援についてお尋ねがありました。
 これまで、消費者庁としては、適格消費者団体に対する支援策として、消費者団体訴訟制度や団体の周知、普及などの施策を実施してきました。
 また、今回の訴訟制度を担う特定適格消費者団体については、消費者の利益擁護の見地から見て不当なものでない範囲で、費用、報酬の支払いを受けることが可能となるようにしております。
 今後も、幅広く関係者から御意見を伺いつつ、新たな訴訟制度における特定適格消費者団体に対する必要な支援について検討を行ってまいります。
 本法案の施行期日及び見直し規定についてお尋ねがありました。
 本法案は、民事訴訟法の大きな例外を設けるものであり、法の施行までには、訴訟手続に関する最高裁判所規則の制定、団体の認定要件に関する政令、内閣府令等の制定、消費者、事業者など関係者に対する本制度の趣旨や内容の十分な周知広報などが必要となり、相当期間の準備を要することから、これらを踏まえ、施行期日は、公布の日から三年を超えない日としております。
 また、見直しの時期を本法の施行後五年を経過した場合としたのは、規制改革推進のための三カ年計画において、原則五年経過後に新設の規制の見直しを行うこととされていることや、本制度による訴訟の追行の状況等を踏まえた検討が必要なことに基づいたものです。(拍手)
    〔国務大臣茂木敏充君登壇〕

発言情報

speech_id: 118305254X03020130604_026

発言者: 森まさこ

speaker_id: 7644

日付: 2013-06-04

院: 衆議院

会議名: 本会議